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海外企業進出の智恵と工夫

カテゴリー:未分類

著者:田中四郎、出版社:経済産業調査会
 日本輸出入銀行に30年間いて、世界銀行に出向したり、トロントやリオデジャネイロに駐在して、いまは日本国際協力機構にいる調査マンが海外へ進出した企業が成功するポイントを分かりやすくコンパクトにまとめた本です。
 私は、マルドメという言葉が気になりました。ドメスティックという単語を丸で囲んだものです。国内業務専門、外国語は大の苦手、海外のことはまったく分からない、海外ビジネスに無関係の人間だということを意味します。一つの会社内で、国際派と国内派の二つの派閥ができ、2つのグループの間で人間関係が円滑にいかない状況がよく生まれる。しかし、このような溝は埋める必要がある。国際派と呼ばれる人ほど国内業務の核心を理解していなければならないし、国内業務に従事している人こそ海外の動きに絶えず目を光らせ、国際感覚を磨いている必要がある。
 なるほど、なるほど、よく分かります。そうなんですよね・・・。
 日本企業が海外に進出すると、出先の企業は必然的に法的には日本企業ではなくなる。出先の企業は現地法人であって、日本法人ではない。当然のことながら現地の国の法律にしたがうことになる。日本の親会社は現地法人の株主にすぎない。日本から派遣されている現地法人の幹部は、自分は日本企業を経営しているのではなく、駐在国の企業を経営しているのだということを、片時も忘れてはいけない。
 この点も、実際には頭で理解していても、身体がついていかないところなのでしょうね。
 世界経済フォーラムは、日本企業は、世界第17位という悪いビジネス環境のなかで、世界第7位という良い企業活動をしているという評価を与えています。
 日本のビジネス環境は世界的にみて相当に低い。日本は世界で一番ビジネス経費が高い。日本を100とすると、アメリカは66.3、ドイツ66.0、イギリス64.0となる。日本は、安全で能率的な場所ではあるけれども、賃金水準が高いうえに、サービスコストも高い。そして経費も高い国のひとつである。
 うーん、そうかなー・・・。なんだか、しっくりこないところもありますが、ひとつの視点ではあると思いました。

世界遺産・高句麗壁画古墳の旅

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著者:全 浩天、出版社:角川ワンテーマ21
 奈良県明日香村の高松塚壁画古墳そしてキトラ古墳には、天井に精密な天文図が描かれ、また、壁面には鮮烈でカラフルな貴族男女像が描かれています。さらに東西南北の方角を守護する神獣の四神(東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武)もありました。
 そのキトラ古墳の天文図は高句麗の都、いまの平壌の夜空で観測されていたものだという指摘には驚かされます。なるほど、この本で紹介されている高句麗の装飾壁画をカラー写真で見ると、そのあまりの共通点に言葉を失います。
 有名な聖徳太子の画像には両脇に2人の王子が立っていますが、その髪型「みずら」は、高句麗古墳の壁画とまるで同じです。高句麗のお寺(定陵寺)が一塔三金堂であったとほとんど変わらない形式で、奈良・飛鳥寺も一塔三金堂でした。
 日本ではいまも相撲が盛んですが、高句麗壁画にも2人の力士が四つに組んでいる姿が描かれています。高句麗壁画には、疾駆しながら真紅の舌を吐き出す青龍が描かれていますが、首に蛇腹のような包帯を巻いていて、獰猛な足と3本の爪をもっているところは、高松塚の壁と共通しています。
 高松塚古墳・キトラ古墳の源流が高句麗にあるというのが、たくさんのカラー写真を見れば見るほど、うなずけます。やっぱり日本の古代文化は朝鮮半島の方から伝わってきたものなんですね・・・。

三面記事の栄光と悲惨

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著者:ルイ・シュヴァリエ、出版社:白水社
 パリにあるポンピドゥー・センターは大統領の名前をとったものですが、そのポンピドゥー元大統領と同世代の著者による近代フランスで報じられた三面記事の研究です。
 1847年8月、プララン公爵夫人が殺害された。犯人は子どもたちの家庭教師と不倫をしている夫である公爵しか考えられない。しかし、公爵を逮捕するには国王が貴族院議長の命令がない限り許されない。そこで、プララン公爵は自分の屋敷にとめおかれた。しかし、民衆は納得せず、屋敷周辺に集まり、一般市民と同じように裁いてギロチンにかけろと叫んだ。一週間後、公爵は毒を仰いで自殺する。民衆は怒り、自殺を許した当局を批判し、矛先は貴族制ひいては七月王政そのものへと向かった。これが七月王政の瓦解を早めた。
 フランス映画の傑作といわれる「天井桟敷の人々」にも登場するラスネールという人物も紹介されています。殺人・窃盗などの罪で死刑になった人物です。映画にも泥棒大通りというシーンがあり、どことなく猥雑な雰囲気がよく出ていました。
 近代フランスのセンセーショナルな犯罪がいくつも紹介されています。でも、今の日本なら、まったくそんなフランスにひけをとらないほど、異常な犯罪ばかりになってしまっていますよね・・・。

遙かなるノモンハン

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著者:星 亮一、出版社:光人社
 1939年(昭和14年)5月に起きたノモンハン事件については、いくつかの本を読みましたが、この本は、ノモンハン事件の舞台となったところに著者が出向いて、そこが今どんな様子なのかを写真で紹介しているところに目新しさがあります。
 ノモンハン事件で、日本軍(関東軍の精鋭)はまさに惨敗した。ソ連軍の新式戦車などの物量に圧倒され、肉弾突撃をくり返すばかりだったのだから敗れるのも必然だった。しかし、日本軍は、ここからほとんど何も学ばなかった。責任者を形ばかり更迭しただけ。最前線から生命からがら脱出してきた将兵を、なぜ玉砕しなかったのかと叱ったあげくに冷遇し、ソ連軍の捕虜となって送還された将校にはピストルを与えて自決させた。しかし、小松原司令官や辻参謀たちはのうのうと生きのびた。なんとむごいことでしょうか・・・。
 ソ連軍のジューコフ将軍はスターリンに次のように報告した。日本兵は強かった。下士官はよく訓練され、頑強に戦った。しかし、古参の士官と高級将校は訓練が不十分で、積極性が無く、紋切り型の行動だった。関東軍の作戦参謀も同じことを指摘している。前線指揮官は第一級で、下士官や兵も戦闘に習熟して優秀だった。しかし、中・小隊長に弱点をかかえるものが多く、大隊長はもっとも手薄だった。
 今でも、精神訓話だけが好きな日本人って、多いですよね。科学的というか合理的な裏づけもなくても部下に無理強いする上司がみちみちているように思います。とくに昨今の国会方面は、そんな人間ばかりという気がします・・・。

戦場の現在

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著者:加藤健二郎、出版社:集英社新書
 早稲田大学の理工学部を出て、建設会社勤めのあと戦場ジャーナリストになったという異色の人物によるレポートです。
 中米・中東・東欧・アジア・アフリカなど世界各地の戦場に出かけて写真をとってきました。現地で何度も捕まった体験をもっています。本当に危ない瞬間を何度となくくぐり抜けてきたことがよく分かる本です。どうして、こんな危ない目にあおうとするのか不思議な気がします。でも、著者のそんな行動のおかげで、私たちは安全地帯にいて寝っころがりながらも世界の実情の一端を知ることができるのですから、少しは感謝しなくてはいけないのでしょうね・・・。
 逃げるときには、たくさんの人が逃げる方向へは行かないことが重要だ。
 戦場では、実際に人が殺されるのはあまりない。しかし、戦況報告はたいてい大きく誇張される。それは、現場にいた者のほとんどすべてが、戦闘を大げさに捏造することによってトクをするからだ。
 今回のイラク戦争では、アメリカ軍は通常なら侵攻する前に空爆によってイラク軍を叩くはずなのに、それをしていない。それは、イラク軍が抵抗しないことに確信をもっていたからだ。イラク軍には組織的な抵抗をする戦力がなく、イラク兵には戦う意思をもっていない。これをアメリカ軍は事前に察知していた。なーるほど、ですね・・・。
 日本の自衛隊でも、実際にイラク復興のため実働するのは、1日わずか50人程度でしかありえない。では、自衛隊はイラクに何をしに行っているのか。それは日本の国防のためでも日本人の安全のためでもなく、ましてやイラク人のためなどであるわけはない。自衛隊をイラクへ派遣する目的は、自衛隊の運用範囲拡大のための前例つくりである。つまり、本当の目的は、日本国内における自衛隊の地位向上、権限拡大、運用範囲の拡大である。現地イラクの事情とは関係のないところで、日本政府の思惑によって決まってなされていることなのである。
 うーん、そうなんですよね。そうとしか考えられません。真面目にイラクの人々への人道支援をしたいのなら、世界のNPOに資金援助すればもっと効果的だということは既に大勢の人が言っていることです・・・。

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