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動物地理の自然史

カテゴリー:未分類

著者:増田隆一、出版社:北海道大学図書刊行会
 わが家の庭の片隅に今年もヘビの抜け殻を発見しました。庭にはヘビ一家が住みついています。最近あまり姿を見かけないのが幸いです。一度は、ヒマワリの枝にぶら下がって昼寝しているのを見たことがあります。引っ越してきた早々にヘビを見たときには怖さのあまり棒で叩き殺しましたが、あとで無用の殺生はすべきでないと深く反省しました。以来、ヘビとは平和共存でやっています。それでも狭い庭ですから、いつ遭遇しないとも限りませんので、藪のなかに素手をつっこむようなことはしないよう用心はしています。
 ヘビがいるのは、モグラがいるからです。庭のなかに縦横無尽にトンネルをつくって走りまわっています。ところどころに噴火山のような特徴のある盛り土がありますので、すぐに分かります。モグラがいるのは、庭にたくさんのミミズがいるからです。家庭の生ゴミを堆肥とし、コンポストに入れた枯れ葉などと混ぜあわせて庭のあちこちを掘って埋めています。園芸用品店から庭の土も買ってきて、混ぜあわせて、土をつくるのです。私の日曜日の午後からの楽しみです。9月に入ってからチューリップの球根を植えはじめました。これは12月まで続けます。アマリリスなどの球根類も掘りあげて移しかえたりして、庭をきちんと整備します。春の来るのが待ち遠しくなります。
 この本によると、日本のモグラは、西日本のコウベモグラと東日本のアズマモグラに分かれています。その接点は静岡・長野・石川を結ぶ線あたりにあります。コウベモグラの方が新興勢力のようです。中期更新世に朝鮮半島を通じて大陸から西日本に侵入してきました。そして、どんどん勢力を拡大しながら日本列島を北上中だというのです。ところが、地下60センチほどの深さのところまで軟土層があるところではコウベモグラはアズマモグラを駆逐できるけれど、軟土層が30センチ以内と浅い地域ではアズマモグラの方がコウベモグラを撃退しています。
 ちなみに、コウベモグラの方がアズマモグラよりも体格は大きいそうですが、私はまだ一度も庭のモグラを見たことがありません。せっかく植えたチューリップの球根がモグラのために地表面に放り出されてしまうのだけには困っています・・・。
 この本には、ヒグマとツキノワグマのことも紹介されています。ヒグマは今は津軽海峡より北にしかいませんが、以前は東北地方にもいたようです。北海道では、毎年200〜 300頭のヒグマが捕殺されているそうですが、その10倍はいるものと推定されています。テディベアやくまのプーさんは、ヒグマがモデルです。ツキノワグマではありません。今年は、山の木の実が豊作のため、ツキノワグマが里におりて来て殺されるのは激減したそうです。かえって、ヒグマが里まで出てきているとのことです。札幌市内にまで出ているというのですから、怖いですね。
 DNA分析をすることによって、動物の祖先がどのように分化していったかが推定できるようになっています。100万年で10.6%の違いが生じるとのことです。
 動物地理学は面白い。著者たちは声を大にして叫んでいます。
 なるほど、分子情報から分岐年代が推定できるようになってから、さらに動物たちのルーツをたどりやすくなったことでしょう。それにしても、地表にはめったに顔を出さないモグラにも2大派閥があって、互いに勢力をきそって抗争中だというのには驚きました。
 なんだかワクワクしますよね、こんな話って・・・。

ワンダフル・バタフライ

カテゴリー:未分類

著者:本田計一、出版社:化学同人
 庭でキャベツを栽培したことがあります。青虫の卵がキャベツの葉にくっつき、すぐに青虫となるのです。毎日毎朝、割りバシで青虫をつまんで殺しました。とてもじゃないけど追いつきませんでした。キャベツの葉はみるみるボロボロと食い荒らされていきました。この憎き青虫が、やがて優雅に空を舞うチョウに変身するなど、なんとも信じられません。
 チョウとガの違いは、葉にとまったとき羽(翅)を閉じているのがチョウで、開いているのがガだと一般に言われている。しかし、アゲハチョウは翅を開いてとまることが多いため、あまりあてにならない。結局のところ、専門的にはチョウとガの区別はされていない。しかし、ガの多くは夜行性であるのに対して、夜行性のチョウはいない。それに、よく見ると、触角も羽状(ガ)か棍棒状(チョウ)かの違いがある。
 前にも紹介したことがありますが、モンシロチョウは人間の目から見ると、オスもメスも真白です。ところが、紫外線フィルターを通して見ると、オスは真黒に見え、メスは真白に見えるのです。だから、オスはメスを見間違えることがありません。しかし、オスがメスを追いかけてディスプレイという求愛行動をしても、必ずうまくいくわけではありません。メスはオスと選択するのです。どんなオスでもいいというわけではありません。うーん、やっぱりキビシイのだー・・・。
 オスは光を頼りとして自分の交尾器(ペニス)をうまく調節している。交尾の時間は1時間程度。メスは産卵するとき、光を利用して産卵管の出具合を確認し、さらに産卵管の触覚で葉に触れたことを確認して、正確に産卵している。うーん、すごい・・・。
 チョウはお酒を飲めるそうです。樹液を飲むチョウは、アルコール系と酸のにおいを好むのです。それで、あのように昼間から酔っ払ったようにフラフラ飛んでいるのか。つい、そう思ってしまいました。
 チョウの祖先が地球上に出現したのは8000万年前ころのこと、白亜紀の後期にあたる時代です。アゲハチョウは5000万年前に出現したというのですから、すごいものですね。
 この本は、小学校の教室でチョウを飼ってみることをすすめています。大賛成です。といっても、簡単なことではないようです。
 ノーベル賞を受賞した福井博士や白川博士はチョウ少年だったとのこと。チョウ少年であることはノーベル賞への必須条件だと書かれています。なるほど、自然界の神秘に早くなら目覚めていることは、後に人間としても大成する基礎づくりになるでしょうね。
 それにしても、虫が変身して空を飛ぶようになるなんて、まさに世の中の不思議です。
 私が、神様は万物の創造主であるという説を信じないのも、ここに根拠のひとつがあります。こんなに手のこんだことを万能の主がする必要がどこにあるのでしょうか・・・。

ロースクールの挑戦

カテゴリー:未分類

著者:大宮フロンティア・ロースクール?期生、出版社:幻冬舎
 2005年度の法科大学院適性試験の志願者は2万人弱でした。2004年度は2万4000人でしたから、17%減です。そして、法学部出身者の割合は前年61%から66%へと増えています。
 大宮法科大学院は第二東京弁護士会が全面的にバックアップしてつくったロースクールですが、社会人の比率が75%と高いことで、全国的にみても異色の存在です。入学者の平均年齢は昼29.4歳、夜35.8歳となっています。
 ?期生は、97人のうち、理科系が34人。その内訳は医師11人、特許庁や中央官庁をふくむ公務員が13人、マスコミ5人、弁理士3人でした。ここでは、入るための学科試験は行わず、書面審査と最終面接のみです。
 この本は、その?期生のうち12人のインタビューにもとづくものです。カリスマ塾講師までいるのには驚いてしまいました。彼は自分の仕事に誇りをもてなくなったようです。
 塾生が合格する最大の要因は、よい学習環境を与えることのできる親のもとに生まれたこと。日本社会でいま階級の二極分化が進行している。高学歴で高収入を得ている親は、子どものためにつかえる軍資金が豊富である。
 結局、彼は、自分がやっているのは特殊部隊養成所だな、そうつぶやいて、弁護士への転身を考えたというわけです。うーん、そうなのかー・・・。
 短大助教授をやっていた女性が弁護士になろうと思って本屋で憲法の本を読んだところたちまち憲法に魅了されたという話に心が魅かれました。
 それまで憲法を読んだことはなかった。初めて読んで、無機質なものと思っていたのが、すごく熱いものに感じられた。国家権力が立法や法の適用によって、国民の基本的人権を侵害しようとするときに、国家権力に「待った」をかけるのが憲法であることを知って感激した。憲法は、他の法律と違って、国民に義務を課すものではなく、国家権力に遵守すべき義務を課すものである。そうなんですよね。だから、小泉政府が憲法改正を言い出すのはおかしいのです。そもそも、権力の横暴を止めるために憲法が生まれたのですから。
 異なる社会環境に生きてきた優秀な人材が、いま弁護士をめざして法科大学院に集まり、切磋琢磨しています。こんな若者たちがいるのなら日本の将来は決して暗いものではない。そんな確信も抱かせてくれる本です。

「レクサス」

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著者:チェスター・ドーソン、出版社:東洋経済新報社
 アメリカで売れていた最高級車レクサスを今年からトヨタは日本でも売りはじめた。なぜか・・・。
 レクサスはこれまでに世界中で200万台が売れた。レクサスが100万台売れるまでに10年以上かかった。しかし、200万台に達するまでには、それからわずか4年しかかからなかった。今後3年半で300万台に達する見込みだ。
 レクサスはアメリカでは売れているが、ヨーロッパではそれほどでもない。アメリカ人が快適さと信頼性を好むのに対して、ヨーロッパの人は車の操縦性・性能・伝統を重視するから。発展途上国でもレクサスは苦戦している。
 では、アメリカでレクサスはなぜ好調なのか・・・。アメリカでは金持ちはますます金持ちになりつつある。2001年、アメリカで年に10万ドル以上を稼ぐ世帯は人口の 13.8%を占めた。10年前の10%から増えている。
 レクサスのターゲットは、まさに、そのリッチ層なのである。レクサスの顧客の平均年収は25万ドル。ディーラーは、レクサスを1台売ると6000ドルの収入となる。
 高級車仕様の車をつくるため、トヨタのチームはロサンゼルス郊外の高級住宅地も訪問した。アメリカの大金持ちが尊ぶ美的感覚をつかみたかったのだ。アメリカでボボブと呼ばれているニューリッチ層をターゲットとした。
 日本でレクサスをトヨタが売りはじめたということは、日本もアメリカと同じように、金持ちと貧乏人との格差がますます増大していっていること、金持ち層はますます金持ちになっていることを意味します。
 しかし、それは同時に、アメリカを見たらよく分かるように(最近のロシアも同じようですが)、犯罪の多発、テロ攻撃など、社会不安もますます強くなることを意味します。本当に怖いことです。
 車の内装や音など、エンジンのほかにもさまざまに気をつかった。工場は自動化を重視しすぎないようにし、最後は人間が仕上げる。
 レクサスが日本車だと思われないような広告・宣伝も工夫した。その結果、レクサスの購入者の年齢中央値は52歳である。
 高級車の利幅は非常に大きく、一般的なコンパクト・セダンの2倍以上はある。トヨタの利益の70%はアメリカ市場からのもので、その4分の1がレクサスによる。それほどに高級車はもうかる。
 アメリカにベンツ・BMWなどの高級車と決してひけをとらない車としてレクサスをすごく苦労しながら売り出していく過程は感動的です。それでも、レクサスが売れる現象を決して手放しで礼賛するわけにはいきません。

日本がもしアメリカ51番目の州になったら

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著者:日米問題研究会、出版社:現代書林
 小泉首相は国連で安保常任理事国になろうと必死に努力していますが、なったところでどうせアメリカの票が増えるだけという冷ややかな見方が国際社会の常識になっています。私も、そう思いますが、本当に情けない話です。
 この本は、だったらいっそのことアメリカの51番目の州になった方が日本人は幸福になれるんじゃないのか、ひとつそれを検証してみようというものです。面白い試みです。
 アメリカの人口は2億8千万人。日本は1億2千万人。だから新合衆国の人口の3分の1を日系アメリカ人(日本人)が占めることになる。同じく世界のGDPの45%も新合衆国が占める。そして、新合衆国の下院議員の3分の1、223人の下院議員がニッポン州から生まれる。しかし、今後少なくとも35年間はニッポン人大統領はうまれないことになるだろう。
 問題は、そんなことより、普通の人々にとって、生活が暮らしやすくなるかどうかでしょう。そこを見てみましょう。
 アメリカには自治体のない地域に住む人々が1億人いる(全人口の38%)。アメリカには戸籍制度はないし、住民票もない。
 アメリカでは1973年に徴兵制度は廃止され、いまは志願制。ただし、有事の際には、選抜徴兵が実行される。これは18〜25歳の男子の義務となっている。州軍には正規軍の予備役としての役割がある。現にイラクには、アメリカから招集令状を受けた州兵3万人が派兵されている。
 現在、アメリカでは2億5千万丁の銃を9千万人が保有しており、銃によって毎年3万人近く死亡している。しかし、アメリカより銃の所有率が高いカナダでは年間の死亡者は160人にすぎない。銃の所持を禁止している日本でも年に40人が死亡。
 アメリカって本当に怖い国なんですね。
 今の日本は国民皆保険制度だが、アメリカにはこのような制度はない。アメリカでは自分の健康は自分で守るもの。だから、低所得層は無保険とならざるをえない。人口の14%、4000万人が無保険者。公的医療保険制度が2つあるが、あわせても人口の24%が対象。メディケアは65歳以上と身障者が対象で、メディケイドは低所得者層が対象。お金さえ出せば超優秀な医療を受けられるが、そこそこの資産しかなく、メディケイドほど貧しくないという人々は、最先端の医療の恩恵に浴することはできない。
 アメリカでは老後も自己負担が原則。死ぬまで自己責任だ。アメリカの老人介護は、人生の「勝ち組」は超豪華な介護施設で老後を満喫することができる一方で、中間層はナーシングホームにも入れないという現実がある。
 こうやって、いろいろ検討していくと、やっぱり今の日本の方が断然いいと思います。いえ、アメリカがひどすぎるのです。アメリカみたいな国にはなりたくない、したくない。つくづくそう思います。
 「日本はダメな国なんかじゃない」。それがこの本の結論です。
 うーん、やっぱりそうなんですよね。いろいろ参考になりました。

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