著者:吉村 仁、出版社:文芸春秋
アメリカには、17年ごとに地上にはい出てきて鳴くセミがいます。地域ごとに、仲間の群れが何十もあって、それぞれの地域で13年あるいは17年ごとに出てくるのです。
氷河時代を生きのびたセミたちは、温かくなって身体が大きく育つまで、ひたすら天敵の来ない地下で生活します。それも17年という気の遠くなりそうな期間です。すごいものです。偶数だと、地上に出たとき別の種のセミしかいなくて、同種のセミに会えずに終わる危険があります。いろんな種類のセミが混ざりあってしまわないためには、素数しかないのです。大自然の巧まらざる偉大な工夫のひとつです。
それにしても、13年とか17年に1度だけ、何億匹も大量発生し、あたり一帯では話もできないほどうるさいというのは驚くべきことです。そして、地上に出て鳴くのは、わずか2週間だけなのです。これは日本と同じです。17年セミの大きさは日本のセミより小ぶりだそうです。
写真と図解によって、この素数ゼミについて解明されています。大変分かりやすい本です。セミが恐竜時代からの生き物であることも、この本で知りました。たかがセミ、されどセミなのです・・・。
素数ゼミの謎
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