(霧山昴)
著者 チ・ヨンジュン 、 出版 原書房
インスタントラーメンが日本で生まれたことは有名です。安藤百福(ももふく)は47歳のとき世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明した。NHKの朝ドラ「まんぷく」でその人生が紹介された(私はみていません)。私が小学生のころは、袋入り棒ラーメンでした。そして、カップヌードルを開発した。
そして、韓国の三養食品が日本に学んだうえで躍進した。そして、農心が「辛(しん)ラーメン」で売り出して逆転した。韓国は、今や世界一のインスタントラーメンの消費国であり、世界中に輸出している。
現在のラーメンのルーツは、東京浅草の「来々軒」の「支那そば」(1910年)。戦後になって「支那」はまずいので、「中華そば」と呼ばれるようになり、インスタントラーメンの「チキンラーメン」のテレビCMを通じてラーメンというのが全国的に広まり定着した。昔からラーメンと呼んでいたのではなかったのですね……
私が高校2年生のころ(1965年)、修学旅行で東京に行ったとき、渋谷駅の近くで東京ラーメンを初めて食べたのですが、出てきた黒っぽいスープのしょうゆラーメンを「えっ、何、これ。間違ってうどんが出てきたんじゃないか」と友達と騒いでしまったことを今でも覚えています。ラーメンといえば、白濁した豚骨スープとばかり思っていたのです。
世界発のカップラーメンは1個100円という強気の値段で売り出した。その価格に納得できるような高級感のある具材として、大きなエビを入れた。なーるほど、ですね。インド洋でとれる「プーパラン」というエビがそんな具材としてぴったりだった。そして、手にもって食べやすく、熱さを感じない素材として発泡スチロールを選びました。
韓国のインスタントラーメンの元祖「三養ラーメン」をつくったのはチョン・ジュンユン。日本の安藤百福に匹敵する存在。日本に渡って、明星食品から企業秘密であるスープの配合レシピまで教えてもらった。そして、1963年9月、ついに売り出した。ところが、3年間は鳴かず飛ばずで、三養工業は赤字続きだった。
三養食品から2年遅れてスタートした農心は、今や韓国シェア1位、世界市場でも5位。「辛ラーメン」で有名。「男を泣かす辛さ。農心辛ラーメン」というコマーシャルで売り出した辛ラーメンは1日あたり300万個を売り上げる。いやあ、大変な数字ですね。韓国の「トシラク」(インスタントラーメン)はロシアで国民食となっている。
2023年、1202億個のインスタントラーメンが世界中で売られている。香港の「国民的なラーメン」は日清食品の「出前一丁」。しょう油味のスープにごま油を加えた味。
大阪府池田市には「カップヌードルミュージアム」があるそうです。「安藤百福発明記念館」です。1個500円で、オリジナルのカップヌードルが作れるそうです。
何事も初めて開発した人は多大の苦労をし、成功したら、すぐにそれを模倣する人々が追いかけてきます。うかうかしていると、すぐに追い抜かれてしまうのです。
世界中のインスタントラーメン事情を手軽に知ることができる本です。
(2025年11月刊。2420円)


