著者:佐々木 譲、出版社:角川春樹事務所
うたう警官というのは、カラオケボックスでうたう歌がうまい警察官というわけではありません。警察の裏金づくりや不祥事を内部告発する警察官のことです。
この本は、北海道警察の裏金づくりを告発した元釧路方面本部長の勇気ある行動を下敷きにしています。うたう警察官なんか、うたう前に別の口実をつくって殺してしまえ。そんな警察組織の体質が鋭く告発されています。といっても、スケープゴートにされかかった1人の刑事を救うために、仲間の刑事たちが次々に立ちあがり、行動していく様子が詳細に語られます。警察の捜査現場の雰囲気が臨場感にあふれていて、「警察小説の金字塔」とオビにありますが、なかなか読ませる小説でした。
ところで、この本にインターネットで宅急便の会社の制服が売られていると書かれていました。ありうることです。玄関で「宅急便です」と言われたら、疑いもなくドアを開けるでしょう。それが物盗りだったら・・・。ぞっとします。
それにしても、キャリア警察官がぬくぬくと裏金をフトコロにしているのは本当になんとかならないものでしょうか。権力とカネの両方をもたせると人間ロクなことはしないと思うのですが・・・。
うたう警官
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