著者:山本兼一、出版社:文芸春秋
信長の築いた安土城をつくった大工の棟梁の父と子を描いた本です。安土城の跡地に足を運んで、天守閣のあったその場に立ったことがあるだけに、また、近くの博物館に原寸で想像復元したものを見たものですから、大工たちの苦労をビンビンと身体で感じることができました。
天守閣に信長が居住し、そのすぐ近くで、しかも低いところに本丸があり、その御殿に天皇を迎える構えでした。信長は自分こそ天下人であることを誰の目にも明らかにしようとしたのです。
全山すべてがお城だった安土城が焼失し、それを描いた絵もほとんどないというのは残念です。南蛮風というより、ヨーロッパの教会やお城の様式も取り入れてつくったという八角形の天守閣を色つきのまま拝んでみたかったものだと思いました。
火天の城
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