著者:季恩成、出版社:桐原書店
韓国で300万部売れた超ベストセラー歴史小説。読んでみて、なるほど面白い。上下2段組の本文500頁で上下2冊。それでも著者の死によって残念ながら未完となっている。秀吉の朝鮮侵略戦争によって李王朝は混乱させられるが、それを乗りこえて医学書をつくっていくところが残念ながら欠落している。しかし、差別される境遇のなかから医学を学んで人々の役に立つ「心医」をめざす苦難の道があますところなく描かれ、心に深い感動を呼び起こす。これがテレビ放映されたら大ヒットするのも当然のこと。
『商道』(徳間書店)も大変感動的な本だったが、韓国のベストセラーもすごい。これほど深く心を揺り動かされた本は、日本では『沈まぬ太陽』(新潮社)くらいしか思いつかない。
許浚
