著者 白尾 元理・清川 昌一 、 出版 岩波書店
宇宙の中から地球が形づくられ、そこに生物が誕生していくさまが、地球上のさまざまな地点の写真と共に描き出されています。やはり写真の迫力にはすごいものがあります。
46億年前。地球は、無数の微惑星が衝突・集合して形成された。初期の微惑星は、直径10キロメートルほどの小惑星や彗星のような天体だったと推測される。
月には直径500キロメートルもの巨大なクレーターが数多く残っているが、これは、40~38億年前の激しい衝突の時期にできたもの。月にはプレート運動がなく、水や大気もないので、遠い過去の記憶が残っている。
7億年前、地球全体が厚い氷に覆われていた。地球表面の全部が凍りつき、宇宙からは雪玉(スノーボール)のように見えた。
このスノーボールから地球を救ったのは、火山が供給した二酸化炭素。
5億年前、スノーボール・アースが終わった直後、エディアカラ動物群が出現した。カナダのニューファンドランド島には、たくさんの化石が認められている。
5億年前、三葉虫とアノマロカリスが出現し、その化石がニューファンドランド島に見られる。
4億年前のサンゴ化石がバルト海のゴトランド島に見つかる。
3億年前。アイルランド島に両生類の足跡化石が残っている。
1億5000万年前。アンモナイトの化石の壁がフランス・アルプスにある。
同じく、ドイツ・バイエルン州には始祖鳥の化石が見つかった。さらに、アメリカ・ユタ州には恐竜化石が大量に発見されている。
4000万年前。エジプトにクジラの祖先の化石が見つかっている。クジラの祖先は、5000万年前のオオカミに似た哺乳類、パキケトゥスである。
200万年前。アフリカ・タンザニア北部のオルドバイ峡谷から原人ホモ・アビリスを発見した。
いま、地球上には70億の人類が住んでいる。この総重量は330兆グラム。これに対して牛が650兆グラム、豚が170兆グラム、羊が120兆グラム、馬が20兆グラムで、人類と家畜を合計すると1350兆グラムである。
これに対して、陸上の野生動物の合計総重量は150~300兆グラムで、人類と家畜合計の5分の1にすぎない。
すごくスケールの大きい写真集でした。
(2012年4月刊。4400円+税)
地球全史
