著者 小林 朋道、 出版 築地書館
大好評の先生シリーズです。毎回、私も楽しく読ませていただいています。
私も、動物を飼育してみたいという気持ちはあるのですが、あちこち旅行もしたいし、両立できませんので、あきらめています。本当は犬を飼って、毎日散歩したいのです。
といっても、我が家の庭にはモグラがいますし、ヘビもいます。そして、夜になるとヤモリが窓に貼りつきます。小鳥はキジバトそしてヒヨドリは常連です。もちろん、スズメ軍団もいます。春にはメジロ、そしてウグイス、さらにはカワラヒラなどもやって来ます。山のふもとの近くに住んでいますから、それなりに豊かな自然に恵まれています。ただし、モグラは生きた姿では見たことがありません。見るのは、地上の死骸となっているときです。庭のあちこちに土が盛り上がりますので、何頭ものモグラがいることは間違いありません。
ヘビの姿の方は、幸いにして最近は見かけません。ただし、庭に出るときには、思わぬ遭遇ということにならないように用心しています。
先生シリーズは、鳥取環境大学で動物行動学と人間比較行動学を専門にする小林先生の日常生活が愉快なタッチで紹介されています。微笑みながら、動物と人間の行動科学が学べるという勝れものの本です。
イタチ科の動物であるフェレットを飼育したときの顛末は面白いのですが、その顔写真がなんとも可愛らしいのです。いやあ、これはぜひ飼ってみたいと思いました。実際に飼うと大変なんでしょうね……。
シマリスの子どもたちがカタカタカタという音を一斉に立てて、イタチ(フェレット)を撃退するのは実証する実験は面白いものです。やはり、学者になるには、少し奇抜な発想のできることが必要なんですね。ということは、やっぱり学者は変人に限る、ということでしょうか…(おっと、失礼しました)。
ヤモリは家守り。イモリは井守り。ヤモリは爬虫類、イモリは両生類。ヤモリの尿は、白色のねっとりとした半固体状、イモリの尿は液体。
アカハライモリの生態を探求するためには川岸のアシを夜中に鎌で刈りつくす作業が必要となる。その作業のため、小林先生は、ついに腱鞘炎となり、両手首にサポーターを巻かざるをえなくなりました。学者って、それほど大変な職業なんですね。いやはや、学者なんてならなくて良かったと私は思ったことです。本を読むだけなら、私も出来ますから…。
モグラはミミズだけでなく、セミも食べる。私は、初めて知りました。そういえば、うちの庭にも、もちろんセミの幼虫はいます。7年ほども地中にいて、地上ではわずか1週間の生命というはかなさです。
面白いシリーズの本です。どうか、引き続き、がんばって面白い本を書いてくださいね。
(2009年8月刊。1600円+税)
先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!
