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生者の側

著者:高岩 震、出版社:影書房
 「ベトナム・解放30年の現在(いま)」というサブ・タイトルのついた写真集です。
 著者が1993年から2002年にかけてベトナムで撮った写真が紹介されています。10年のあいだに計6回、のべ5ヶ月ほどベトナムに通ったというわけですから、ベトナムの庶民の暮らしぶりがよく分かります。
 元ホーチミンルートの村にも入っています。そこには鉄屑回収業者がトラックで村にやってくるのです。250キロ爆弾を1つ見つけると、1万円。これは農家の年収近くになります。戦後20年たっても、これだけの鉄が回収されています。なにしろ、アメリカ軍は、ベトナム戦争のとき、第二次大戦中に全世界でつかった砲爆弾の3倍を、狭いベトナムの国土に叩き込んだのです。今でも、人の足が入っていないヤブのなかに入ったら地雷の心配があるといいます。
 枯れ葉剤によって出来上がった禿山が延々とつらなっている光景は、見る者の心を寒々とさせます。
 自転車に乗って通学途上の女子高生たちの写真があります。みんな純白のアオザイ姿です。その凛々しさに目が魅かれます。
 大学生たちが休日に海水浴へ出かけます。ところが、あいにく海が荒れていて遊泳禁止。そこで、砂浜で、人間綱引きをしました。綱はつかわず、前の人の腰に両手をあてて、二手に分かれて引っぱりあうのです。
 ベトナムの娘さんと結婚する日本人の商社マンも紹介されています。ふっくらした美人の花嫁さんです。どうぞ、末永くお幸せに。
 ベトナムの人々は商売上手で有名です。中国人(華僑)にも負けないようです。
 ベトナムの最近の様子を紹介する綺麗な写真集です。

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