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犬と話をつけるには

著者:多和田 悟、出版社:文春新書
 あの有名な盲導犬クイールの訓練士が犬語の話し方を教えます、とかいてありますので、楽しみにして読みました。
 犬社会では上下関係の位置づけがはっきりしていて、若い犬が成長してボス格の先輩犬を追い落とす政権争いがしばしば起こる。ところが、著者の家で飼っていたボブとバーディーの関係は生涯変わらなかった。うーん、そういうこともあるんですね。
 犬は未来を考えない生き物である。犬が行動を起こすきっかけは、快と不快の感情のみ。
 犬は後悔しない生き物である。人間と違って、ノーと言われても、こうした自分が悪かったなどとは思わない。
 犬はほめられるのが大好きな生き物である。犬をほめるときには即座というより早く。賞罰は、犬が良いこと、悪いことをしたときではなく、しようと考えたときに与えるべき。そうだ、それでいいよ、こうするのはダメだよと、現在進行形のつかい方のほうが、より効果的に犬に伝わる。
 著者は飼い犬のバーディーには生まれてから一度も人間の食べ物を与えていない。だから、食事時にバーディーが人間の食べ物を欲しがることはまったくしない。テーブルの上の物を狙ったりすることもない。人間の食べ物は食べてはいけないと学ぶと同時に、一度も食べた経験がなければ、犬はそれをほしがったりしないものだ。なるほど、そうだったんですか。一貫性をもたせることが大切だと著者は強調しています。大いに反省させられました。
 犬は使命感はもてないが、達成感はもてる生き物である。盲導犬にしても、ゲームの開始にはりきるのであり、ストレスがたまっているわけではない。盲導犬の多くは、14歳まで長生きしている。一般の家庭犬より寿命が短いというのは誤解にすぎない。
 飼い犬の写真日記が紹介されています。いかにも幸福そうな、みち足りたワンちゃんの顔に心がいやされます。

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