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動物には何が見え、聞こえ、感じられるのか

(霧山昴)

著者 エド・ヨン 、 出版 柏書房

 犬の鼻がよくきくことは、あまりにも有名ですが、それは鼻の孔(あな)の形にもよっているとのこと。前向きに空いた鼻の孔は、先端部が外側に細く切れ込んだ形になっている。地面を嗅ぎ回りながら息を吐くと呼気はその切れ込みを通って外に排出され、それによって空気の渦ができ、その気流に乗って新たな匂い成分が鼻腔内に流れ込むようになっている。うまく出来ているんですね……。

 アリのフェロモンは特殊だ。フェロモンの種類は多く、アリたちは、特性に応じて使い分けている。アリが匂いにどれほど依存しているかは嗅覚を絶たれたときに明らかになる。

 味は、もって生まれた再帰的な性質。しかし、匂いはそうではない。匂いは経験と関連づけられるまでは、何の意味も持たない。乳児は汗やうんちの匂いを嫌がらない。嫌がるようになるのは、成長してから。成人してからも、匂いの好き嫌いには大きなばらつきがある。匂いと味には違いがあるんですね。

 アメリカ陸軍が、群衆を統制する目的で悪臭弾を開発しようとしたとき、すべての文化圏で普遍的に嫌悪される匂いを見つけ出すことは出来なかった。いやぁ、これは驚きですね。

 色というのは、主観的なもの。色は見る人の眼の中、見る人の脳の中にしか存在しない。これって不思議なことですよね。すべての物体に色がべったり塗られているとばかり思っていたのですが…。

私たち人間に見えているのは、鳥が識別できる数億色のうちのわずか1%にすぎない。人間は偏光にほとんど気がついてない。しかし、大半の昆虫、甲殻類、頭足類には、色が見えるのと同じ仕組みで偏光が見えている。

 冬眠は睡眠ではない。もっと極端な不活性状態なのである。

 コオロギは帯電したクモが生み出す微風を感知し、アザラシは魚が泳いだあとに残る眼に見えない流れを追跡できる。魚は側線を使って、文字どおり周囲を流れゆく豊かな情報源を感じることができる。フクロウは、音を感知する能力に秀でているだけでなく、その音がどこからきたのかを正確に割り出す能力にも優れている。

 水中では、音波は1分以内に80キロ先まで広がる。クジラが2500キロメートル離れた場所にいる別のクジラを聞いたとき、それは、30分前の声を聞いたことになる。

ゾウの家族は互いに何キロも離れた場所にいても、同時に同じ方向に移動する。それは超低周波を使ったゾウ同士のコミュニケーションによる。クジラの発する超低周波とほぼ同じ。

体内で電気を生み出すことのできる魚は350種ほどいる。デンキウナギのなかの最強の種は、860ボルトで放電でき、ウマ1頭を再起不能にできる。すごい力を持っているんですね……。

 人間が体感できない動物の感覚がどんなふうなのかを学者は科学的に究明しようとしていること、それが紹介されています。驚くほかない状況です。まさに動物界というより大自然の不思議です。

 500頁もの大作です。何日もかけて読み切りました。完全に理解できたわけではありませんが…。

 

(2025年5月刊。)

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