(霧山昴)
著者 中村 真 、 出版 有斐閣
著者は弁護士生活20年を経て、若い人に弁護士を志望してほしいという気持ちから本書を書いたとしています。私も、まったく同感です。
今もなお、弁護士は多すぎる、増やし過ぎた、弁護士増のため過当競争になって食えない弁護士が増えていると声高に主張する弁護士がいますが、私には信じられません。いったい、市民の中で弁護士は多すぎるから減らしたほうが良いと考えている人がいるでしょうか…。私は、そんな人はまずいないと思います。食えない弁護士がいるといいますが、私の身の回りにはいませんし、むしろそれなりの生活をしている弁護士がほとんどです。ただし、努力しなければ、食えなくなるというのはどんな職業でも、そのとおりです。むしろ、初任給が1200万円という、東京の大事務所に200人以上も就職しているという現実こそ重視されるべきでしょう。
私は企業法務を担う弁護士は必要だし、そこにはやり甲斐も十分あると考えています。それでも、弁護士の仕事が企業法務だけというのは勘弁してほしい、いやいやもっとたくさん活躍している、すべき分野があるんだよ、初任給が1000万円以下であってもいいじゃないの、自分の能力を発揮でき、生活していけるのなら、一般民事を扱うマチ弁だって、田舎でがんばる弁護士でも大いに結構だと思うのです。
いま、日本の弁護士は全国に4万7千人いる。裁判官:検察官:弁護士の人口比は3:2:41。もちろん圧倒的に弁護士が多い。
この本ではありませんが、瀬木比呂志元裁判官は、日本も韓国と同じように、弁護士経験者が裁判官になっていく制度にすべきだと提唱しています。法曹一元制度です。大賛成です。ところが、現実には弁護士から裁判官になるコースは「風前の灯」状態です。
裁判官のなかには、当事者の主張に真剣に耳を貸さず、自分の価値判断をもとに法律構成を組み立てて、バッサリ切ってしまうという人が少なくありません。いったい、この人は何を目ざして裁判官になったんだろうかと疑問を感じる「ことが、たびたびというのが現実です。
弁護士は、他人の紛争にわざわざ飛び込んでいく仕事です。そこで、多くの関係者の喜怒哀楽に接します。それがいいのです。もちろん、お金も扱いますが、何より人間の多様な感情の営みに、もっとも多く、直接かつ頻繁に触れられるのが、弁護士の仕事の魅力なのです。ですから私は、法理論に興味と関心はあるけれど、生身(なまみ)の人間には興味も関心もないという人は弁護士には向いていないと思います。そんな人は、公務員になったらいいと私は思うのです。
たくさん役に立つ本を書いてきた著者の最新刊です。すぐれたマンガカットもあってすらすら読める内容なので、高校生や大学生に本書を読んで弁護士って、けっこう面白い仕事をしているんだなと思って、法曹そして弁護士を志望してもらいたいものです。
(2025年12月刊。2420円+税)
アメリカにはトランプ大統領のように大金持ち優先・力の支配の信奉者がいる一方、ニューヨークのマムダニ市長のような人もいて、懐(ふところ)が深い国だと思います。
マムダニ市長の公約は大金持ちに最適に課税をして、貧しい人のために使うというものです。この公約に共感した人が10万人もボランティアの運動員となって無名の候補者だったのが当選するに至りました。
日本でも、大金持ちや内部留保をためこんでいる超大企業に適正な課税をしたら、消費税を減税する十分な財源になります。
それを主張しているのが共産党だけというのに私は不思議でなりません。
「1億円の壁」というものがあり、1億円以上の所得がある人は、かえって税率が下がるというのも信じられません。
円安のおかげで輸出企業はウハウハという高市首相の発言は円安のための物価高に泣かされている私たち庶民の生活がまったく頭にないことを意味しています。許せません。


