(霧山昴)
著者 リチャード・ドーキンス 、 出版 早川書房
日帰り宇宙旅行なるものが現実となりました。6月29日、アメリカの会社が商業宇宙旅行として、イタリア人の3人の客、自社のインストラクターの4人、そしてパイロットが2人。高度100キロメートルの宇宙空間に突入し、4分間の無重力を体験した。乗客の事前訓練は3日間だけ。「月曜のランチから客に来てもらったら、木曜には宇宙に行ける」という呼び込みだ。 これから月1回のペースで運搬するという。料金は1人6500万円。10年後には、数百万円に値下がりするだろうという。
うひゃあ、そ、そんな世の中になったのですね…。ウクライナへ進攻したロシア軍の戦争がおさまる気配もないのに、宇宙旅行が商業化するなんて、信じられません。
コウモリと翼竜そして鳥を比較しています。
コウモリは指をすべて長くして広げた。翼竜は指を1本だけ、ものすごく長くした。
鳥は前脚の骨は短くて、羽にはそれ自体に堅さがある。鳥の羽は爬虫類のうろこが改造されたもの。羽は飛ぶためのものというより、断熱のために進化したと考えられる。
すべての哺乳類は、子宮内にいるときは指に水かきがある。しかし、水かきは、アポトーシス(プログラムされた細胞死)によって、いずれなくなっていく。ところが、たまに水かきが完全に消えないまま生まれる人がいる。
宇宙飛行士と体重計、宇宙ステーションとその内部のものすべては、自由落下しているから浮遊する。すべてがひっきりなしに落ちている。地球の周囲を落ちている。相変わらず引力は働いているので、地球の中心へと引っ張られている。しかし同時に、猛スピードで地球の周囲を飛んでいる。飛ぶのが速すぎて、落下するあいだも、地球にあたらない。それが軌道上にあるということ。うむむ、なんだか分かったような…。
生物が空を飛ぶということをあらゆる角度から考証している本です。すごく視野の広がる本でした。
(2023年1月刊。4800円+税)
ドーキンスが語る飛翔全史
