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ペルーの異端審問

(霧山昴)
著者 フェルナンド・イワサキ 、 出版  新評論
16世紀の南アメリカはペルーでのキリスト教会での異端審問の実情を掘り起こした本です。ポルノグラフィーでしかありません。性を必要以上にタブーとした教会は、そのなかではおぞましいとしか言いようのない実情だったようです。
教会は教えのなかで、セックスを人々の不安材料へとゆがめ、おとしめることで、社会に対して抑制やタブー、暗黙の懸念を強いる。しかし、それは支配の道具にほかならず、欲求不満と神経症の源と化す。
1629年のある日、リマの修道院で暮らしていた修道女が異端審問所に出頭してきた。背教および悪魔との契約、その邪悪な悪魔と肉体関係をもったことの罪を審問官に自供した。
事件はペルーの首都リマに不安を巻きおこした。悪魔というものが形態のない存在だとすれば、恐るべき堕天使ルシャーは、女たちとの性行為に及ぶため、墓地から掘り起こした遺体に乗り移っていることもある。
わずか150ページの軽い本です。16世紀ころの南アメリカでの出来事ですが、ヨーロッパでも同じようなものだったのではないでしょうか。宗教に名をかりてインチキなことをするのは古今東西を問わないですね。
(2016年7月刊。1800円+税)

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