著者 阿川 佐和子 、 出版 文春新書
著者はたくさんのインタビューをしていますから、さぞかし自信をもっているのかと思うと、意外にもそうではないとのことです。
インタビューするときは、質問を一つだけ用意して出かける。
もし、一つしか質問を用意していなかったら、当然、次の質問をその場で考えなければならない。次の質問を見つけるためのヒントはどこに隠れているだろ。隠れているとすれば、一つ目の質問に答えている相手の、答えのなかである。そうなれば、質問者は本気で相手の話を聞かざるをえない。そして、本気で相手の話を聞けば、必ずその答えのなかから、次の質問が見つかるはずである。
なーるほど、真剣勝負の世界ですね。
資料を万全に読み込んで、すべての情報を頭に入れていくと安心すると同時に、油断もする。だから、事前の準備はほどほどにする。相手に失礼な知識は頭に入れておくにしても、すべてを知ってしまったかのような気持ちにならないよう、未知の部分も残しておくのが大切だ。事前の勉強は大切だけれど、相手の前で知ったかぶりはせず、にわかに勉強であることを素直に認め、相手に失礼のない範囲で素朴な疑問をぶつけるようにする。
インタビューをうまくすすめていくうえでの体験談がとても実践的で参考になりました。
(2012年2月刊。800円+税)
聞く力
人間

