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東大合格生のノートはかならず美しい

著者:太田 あや、 発行:文藝春秋
 東大合格に必要なのは、かなりの量の知識はもとより、それをまとめ組み立てて記述する力、そして問題を見たら反射的に手が動くスピード力。な、なーるほど、そういうことなんですか・・・。
 東大は入試の科目数が日本で一番多い。入試センター試験では、文系だと6教科7科目。理系では5教科7科目。その次の2次試験は全問記述式。このとき文系も理系も4教科5科目が課される。つまり、幅広い分野の知識が求められる。ここに東大入試の特徴の一つがある。
 2次試験では、覚えた知識をフル活用しながら、文章や数式を組み立て、いかに早く答案用紙を埋めていくかという作業がポイントになる。問題を見た瞬間、頭の引き出しを開け、似た問題をそこからたぐり寄せ、反射的に手が動くようにしておかないといけない。そのためには、入試までにできるだけ多くの問題に取り組み、解法パターンを体に刻み込んでおく必要がある。
 知識をまとめる力やスピード力を意識しなくてはいけない。意識して書くことを続けることで力が身についていく。「東大ノート」は、途中で投げ出したりせず、ノートの最初から最後まで同じテンションで書きつづられている。
 「東大ノート」に共通する7つの法則がある。 
第1、文頭をきれいにそろえる。
第2、写す必要がなければ、コピーして貼り付ける。
第3、余白をたっぷりと大胆にとる。あとで追加情報を書き込む。
第4、インデックスを活用して、復習の際の検索機能を高める。
第5、書いたことの全体像を一目で見渡し、体系的に確認できるようにする。
第6、オリジナルのフォーマットを持つ。
第7、筆圧が一定で、文字も同じテンションで書く。採点者にとっての見やすい答案を想定し、読みやすい答案づくりにそなえる。
 東大生の書いたノートを200冊も集めて、そこに法則を見出すという地道な作業を思いつき、それを実行した著者もエライですよね。そして、なるほど、こうすれば理解と記憶に役立つだろうな、と思いました。
ここに書かれていることは単に大学受験に役立つテクニックだというだけではなく、社会人になってからもメモの取り方に生かせるものだと思いました。
(2008年10月刊。952円+税)

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