著者:高家博成、出版社:新日本出版社
葉を丸く切り、それを日傘のようにかかげて巣に運ぶアリの行列。この葉は、キノコを育てるための肥料として使われる。アリの巣のなかにはキノコを育てるための農園(菌園)がつくられている。
アリが育てている菌はアリタケというキノコ。アリタケはハキリアリの巣の中以外からは見つかっていない。アリはアリタケの胞子から大切な栄養分である糖分をもらっている。
このハキリアリは、中南米に200種ほど分布している。中南米で、ハキリアリは農作物に害を与えるということで、大変嫌われている。だから、日本にハキリアリを輸入するのには特別な許可がいる。多摩動物園は、しっかり管理できる部屋をつくって2002年10月に、ハキリアリを迎え入れ、展示している。
ハキリアリの働いている様子がたくさんの写真によって刻明に紹介されています。自分たちが生きるために農園を経営するアリがいるって、ホント、不思議ですよね。
ハキリアリが好む植物をテストしたところ、ソメイヨシノ、バラなどがありました。これは困りますね。
導入して3年たつと、数万匹にもふえた推測されています。これは本当に大変なことです。すごい、すごーいと、手放しで感心しているわけにはいかなくなります。
自然の不思議を写真で実感しました。
(2007年2月刊。1400円+税)
キノコを育てるアリ
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