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インチキ科学の解読法

著者:マーティン・ガードナー、出版社:光文社
 尿療法というのがあります。知っていますか? 朝、起きがけに自分のオシッコをコップ一杯飲むというものです。ええっ、と思いますが、私の知っている弁護士も一時期、その信奉者であり、実践していました(今も、かもしれません)。
 しかし、この本によると、治療に尿素がつかわれているからといって、ヒトの尿を飲んだり注射してもいいなんていう拡大解釈はもってのほか、だそうです。
 フロイト、あの精神分析で有名なフロイトは、重度のコカイン中毒患者だったそうです。そして、その夢理論は実証的な根拠を欠く主観的な推測でしかなかった。睡眠中にテープを聞くのに学習効果があるというのはまったくの嘘。レム睡眠の目的は、シナプスの偶発的な接続を減らすことによって、不要な記憶を消すことにある。そのランダムな処理過程が、必然的に奇怪でナンセンスな光景を捏造するだけなのだ。
 「エホバの証人」は、1914年にハルマゲドンが始まり、あらゆる国々が破壊されたあとに神の王国が建てられると唱えていた。その年が何事もなく過ぎると、その予言の日が1915年へ、さらに1918年に延ばされた。そして、その予言が失敗すると、1975年を再臨の年に選んだ。今では、「その日」を予言することはしていない。
 インチキ科学は日本でも依然として大流行しています。信じる者は救われるといいますが、その流す害毒の方は小さくありません。目を覚ますきっかけになりうる本だと思います。

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