著者:玉川徹、出版社:新潮社
私はテレビを見ません。最近まで、テレビ自体がありませんでした(たまにビデオを見ることはあります。ただし、映画は月に1本か2本は見ます。やっぱり映画館の広いスクリーンで見たいものです)。だから、テレビのワイドショーも全然見たことがありません。テレビには録画どりも生放送も出たことがあります。どちらも、ディレクターの指示どおりにしゃべりました。出演者は勝手にしゃべっているように見えて、実は大変な制約があるということを実感しました。
テレビは集中豪雨的に枝葉末節なことをあたかもこれが国をゆるがす根幹に関わる重大事であるかのように錯覚させる麻薬のようなものです。
ここで取りあげられた問題は、たしかにどれも大きな問題だと私も思います。しかし、税金を返せというなら、もっと本当に国の根本に関わる問題にテレビは迫ってもいいように思います。たとえば、大型公共事業の無駄、アメリカの国債購入の大変なリスクなどなど・・・です。
霞ヶ関の庁舎の地下に温水プールをつくろうとしていたこと、官僚の宿舎があまりにも実勢と離れた低家賃であること。たしかに問題です。でも、そんな官僚システムをたたくだけで根本の問題は解決しないように思います。
小泉首相を天まで持ち上げてきたマスコミについて、私は根本的な不信感をどうしても払拭しきれません。
2004年9月1日


