著者:マイケル・ポーラン、出版社:八坂書房
マックのアイダホ・ポテトのつくり方はこうだ。
早春、土にくんじょう処理をほどこす。ネマトーダや土中の病原菌を抑えるため、ジャガイモを植えるまえに、そのなかの微生物をすべて殺せるくらいの化学薬品を土に浴びせておく。ついで除草剤をまく。レクサン、セルコン、エプタムをつかって雑草を根こそぎにし、畑をクリーンにする。ジャガイモを植えたあとは、ティメットのような組織性殺虫剤をまいておく。これは若い芽に吸収され、数週間のあいだ。その葉を食べようとする虫すべてを殺してしまう。さらに、その苗が6インチほどに育ったころ、雑草を抑えるため、再び畑に除草剤をまく。
ジャガイモ畑は大きな円の形をしていて、中心にかんがい装置がある。農薬も肥料も、この装置によって水と一緒にまくことができる。週に10回、化学肥料のスプレーをする。葉が茂ったころ、ブラボーという殺菌剤をスプレーする。2週間おきにアブラムシを抑える農薬をまく。モニターと呼ばれる有機リン化合物もまく。だから、生産農家は、自分で食べるジャガイモは別につくっている。もちろん、無農薬の有機栽培だ。
ええーっ、そんな薬づけのジャガイモを食べさせられているの・・・?うーん。恐ろしい・・・。
ジョニー・アップルシードと呼ばれた男はアメリカ中をリンゴのタネをまきながら歩いた。しかし、リンゴをタネから育てても、美味しいリンゴはできない。食用リンゴは接ぎ木からしかできない。では、どうしてジョニー・アップルシードが歓迎されたのか。それは、リンゴ酒をもたらすからだった。初めて知りました・・・。
チューリップも、リンゴと同じく、タネからは同じものができない。タネから育てられた子孫は親とほとんど似ていない。
自然の営みに素直に耳を傾けて、人類の生存の可能性を探っていく時期だとつくづく思いました。
欲望の植物誌
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