著者:渡辺やよい、出版社:創出版
漫画家が出版社に渡した原画が、出版社が倒産してヤフーオークションにかかり、「まんだらけ」で投げ売りされていたことに気がついた母ちゃん漫画家の奮闘日記です。最後まで面白く読ませます。母ちゃん漫画家が、子どもの面倒をみながら、車椅子の老愛犬や大きくなった金魚の世話までする日常生活のドタバタぶりに身をつまされます。ところが、なんと、そのドタバタの合い間に、ここで引用をはばかられるような表現の官能小説をモノにし、さらに過激な性描写を特徴とするレディース・コミックも描きあげるというのです。その日常性との落差には唖然としてしまいます。そうなんです。流出した漫画原稿は過激な絵のオンパレードだったのです。それが1作品1000円程度で売られていたというのにも著者は腹をたてます。
自称二流三流のエロ漫画家がバロン弘兼先生たちを巻きこんで「漫画家原稿を守る会」を結成し、社会的な運動の流れをおこすのです。それなりに成果をあげることができました。しかし、「まんだらけ」との裁判は今なお継続中。
漫画家のおかれている状況を正しく認識できる本として、おすすめします。
走る!漫画家
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