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2004年5月 の投稿

藩校早春賦

カテゴリー:未分類

著者:宮本昌孝、出版社:集英社
 少年剣士たちが活躍する時代小説です。実は、3月に高校を卒業したばかりの娘にすすめられて読みました。小さな藩内にもいろいろな確執があります。ふりかかってくる火の粉を払うことも必要です。といって、まだ成人していない少年剣士たちに果たして何が、どこまで出来るのか・・・。
 青春ものの明るい時代小説として楽しく読みました。次はどう展開していくのか、ワクワクしながらページをくっていく楽しみがあります。しばし少年のドキドキする心を取り戻してくれた新時代小説でした。

出る杭も5億稼げば打たれない

カテゴリー:未分類

著者:平田進也、出版社:小学館
 私は、この本を読みながら涙が出てくるほど感動しました。自分の仕事にここまで打ちこんでいる人がいるかと思うと、自然に頭が下がりました。日本旅行の添乗員をしている著者の体験にもとづくビジネス書です。こんな添乗員と一緒に楽しい旅行をしてみたいものです。
 勝負は5度目。4度目までは我慢のとき。時間をおき、お客様との距離を縮めることが大切だ。カタチを整えるよりも、まず、心を整える。相手の欲求に合わせた非日常の演出、これが何より重要だ。
 出る杭というのは、一歩リードしたときに打たれるのであって、もう一歩リードしてしまえば、打たれなくなる。いや、打てなくなる。
 平田さんて、ほんまにアホやね。これが私にとって最高の褒め言葉だ。
 年間売上げ5億円といいますから、まさにスーパー添乗員です。カリスマという形容詞に違和感はありません。しかし、仕事と家庭のとちらを選ぶかと問われると、迷わず家庭と答えるということです。奥さんや子どもさんたちに仕事の話をしっかりしているそうです。この点も大いに感服しました。
 旅行業界にめざして勉強中のわが娘にぜひ読ませたいと思いました。

私とキャリアが外務省を腐らせました

カテゴリー:未分類

著者:小林祐武、出版社:講談社
 外務省で長年、裏金づくりの仕事をしていたノンキャリア組の著者が逮捕され、有罪判決を受けて、何をしていたのかをかなりあけすけに告白した本です。もっとひどいことがあったんだろうなと思わせます。しかし、残念なことにキャリア組の「犯罪」を糾弾するまでには至っていません。ここで糾弾されているのは、外務省をやめて日本の対米追従の外交政策を厳しく糾弾している前レバノン大使・天木直人氏です。なるほど天木氏の金銭感覚や選民思想は大いに疑問と思いますが、ではエリートコースに乗っている主流のキャリア組の方はどうなの?とつい思ってしまいます。それにしても、外務省の裏ガネづくりの実態と、内閣官房の裏ガネの運用状況には驚きというより怒りを覚えます。なにしろ月1億円というお金が、領主書もなしに闇から闇へ処理されていく世界なのです。政治は汚い、とよく言われますが、すべては税金なのです。投票率が60%を下まわるという国民の政治への無関心がそれを許しているのかと思うと、改めて怒りを投票行動に結実させなくてはと私は思いました。

ペア・パンダ

カテゴリー:未分類

著者:田中光常、出版社:小学館
 本物のパンダは残念ながら1回しか見たことがありません。ずい分昔のことです。幼い子どもと一緒に、上野動物園に見に行きました。案の定、パンダは寝ていました。
 パンダは本当によく眠る。朝夕はとても活発に動きまわるが、昼間は日がな一日、食っちゃあ寝をくり返す。そして夜もまた、たっぷり眠る。
 パンダは1日のうち14時間も食事に費やす。消化の悪い竹が主食なので、パンダの腸は長くないといけないのに、実は短い。だから、たくさん食べて、たくさん排出しないと栄養がとれない。
 パンダの母親の子育ては愛情深い。赤ちゃんが産まれて数日間は、飲まず食わず、眠らず、排泄もせず、ほとんど移動もせずに育児に専念する。子どもを胸に抱いてペロペロなめ続ける。その数は1日に3000回にも及ぶ。排尿排便のあとも、なめてきれいにしてあげる。赤ちゃんが鳴くと、口にくわえて、抱いてお乳を与える。むずかると、おー、よしよしと揺すってあやす。ガオガオとかみつくまねをしてふざけたり、添い寝したりと一時も離れない。とても可愛いらしい2頭のパンダが満載されている写真集です。

松島市兵衛風流帖

カテゴリー:未分類

著者:大野靖子、出版社:講談社
 オビに「犯罪都市江戸捕物情話」とあるのは逆効果だと思いました。江戸が「犯罪都市」だなんて、本当でしょうか。むしろ、江戸の治安はとても良かったのではありませんか。「犯罪都市」なんていうと、現代アメリカのワシントンやロサンゼルスの物騒な状況をすぐ連想させます。もちろん、江戸に犯罪がなかったなんてことは私も言いません。奉行所があり、八丁堀同心が活躍していたことは事実です。
 それはともかく、テレビの脚本家として名高い(ようです。私はテレビを見ませんので、その評価はできませんが・・・)著者の江戸人情話とストーリーの巧みさには舌を巻きます。ともかく、ぐいぐいと話の世界に引きずりこまれます。うーん、とうなるほど、主人公と登場人物の性格描写が見事です。生き生きと目の前を飛びはねるように動いていく様は、手をうって感心してしまいます。
 江戸人情話と言えば山本周五郎ですが、それとはまたひと味ちがって、推理小説風の楽しさも味わうことができるのです。

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