出版社:扶桑社ミステリー文庫
MPとしてベトナム戦争に従軍した経験のあるディヴィッド・K・ハーフォードの戦場ミステリー。戦場の描写がとてもリアルだ。
MPに犯罪捜査部(CID)があるということを初めて知った。アメリカの兵士が殺される。同僚の兵士たちはベトコンに殺されたというが、身体はハチの巣になっているのに、着ていたはずのシャツには銃弾の穴がない。アメリカ軍の底知れぬ腐敗にMPは直面させられるなか、少しずつ解決の糸口をつかんでいく。
ベトナム戦争に従軍していたアメリカ兵士はほとんど私の同世代。ジャングルのなかで無意味に殺されていった若者たちのことを思うと、胸が痛む。
久しぶりに若いころベトナム反戦デモに汗をかいたころを思い出したが、ミステリー小説としても、よくできていると思う。
ヴェトナム戦場の殺人
