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島を救ったキッチン

カテゴリー:アメリカ

(霧山昴)
著者 ホセ・アンドレス 、 出版 双葉社
カリブ海にある島、プエルトリコってアメリカの一部なんですね。
そのプエルトリコが2017年9月下旬にハリケーン・マリアに襲われ、甚大な被害を受けたとき、水と食料不足に悩む島民に温かい食事を提供したシェフの話です。
なるほど、シェフってすごいことが出来るんですね。この本を読んで、よく分かりました。
著者のホセ・アンドレスは、アメリカで高級レストランを何軒も経営し、メディアによく出るし、大学で講義もするシェフ。2019年にはノーベル平和賞にノミネートされたとのこと。
腕のいいシェフは、腕のいい経営者でなくてはならない。従業員、注文、食材、在庫といったものすべてを管理しなくてはならない。これらを適切に管理できなければ、どんなに腕のいいシェフだろうと店はつぶれてしまう。レストラン経営というのは、とても複雑な仕事なのだ。
この能力が被災地では大いに役立つ。また、シェフは、混乱から秩序を生み出す方法も知っている。
しっかり計画を立ててからやったほうがいいとさんざん言われた。でも、最初からきちんとした計画は立てなかった。島の人たちが飢えているときに、いちいち計画を立てていたら何日も無駄にしてしまっただろう。
人間は飢えると、店に押し入って食べ物を盗むだろう。国土安全保障省の隊員たちは、料理を配ることで、自分たちの仕事がずいぶん楽になると言った。相手に銃を向けるより、サンドウィッチを差し出す方がいいに決まっている。
ハイチとヒューストンの災害の現場に行った経験から、サンドウィッチこそ、手早くつくれて、被災者にとっても都合がいいことを知っていた。それだけでカロリーがたっぷりとれて、保存もできるし、持ち運びしやすいからだ。では、どんなサンドウィッチを…。
スライスした白いパンにハムとスライスチーズとはさむ。しかし、主役はマヨネーズ。隠し味としてケチャップ、ときにマスタードを混ぜ込んだマヨネーズを、これでもかというくらい、たっぷり入れる。これがポイント。そして、気温の高い島をあちこち運んでまわるうちに中身が乾燥しないため、四角い硫酸紙でサンドウィッチをひとつずつ包んでおく。
そして、もう一つ。栄養満点で、舌も大喜びのスープ、サンコーチョをつくった。とろみのあるスープとシチューの中間。何種類もの肉をたくさん入れ、トウモロコシやいろいろな野菜と一緒に煮込む。プエルトリコの人は、このサンコーチョを食べると、みんなお祖母ちゃんのことを思い出し、自然に笑顔になる。
3ヶ月間で、のべ300万食を著者たちは島内いたるところに届けた。
アメリカの連邦緊急事態管理庁(FEMA)はどうしたか。軍の携行食MREを島民に配った。このMREは、3年間は保存できるもので、クラッカーとクッキーもついている。カロリー総量は1250カロリー、脂肪が36%、糖質が51%。ところが、繊維がとても少ないので、何日か食べていると、ひどい便秘に苦しむことになる。
シェフである著者は、料理はただの栄養補給の方法ではないと主張する。それは、人に力を与えるものなのだ。これに対して、MREは、高温にも低温にも、そして洪水にも耐えられる。しかし、味のほうは、袋の中身を三つも食べれば、あとはもう見る気もしないという代物だ。MREは、決してホンモノの食事の代用にはならない。
著者がFEMAと契約できるようにしようともちかけた人間が登場する。手数料は1食につき1ドル。半分にしても100万食を達成したら、50万ドルがその男の懐に入ることになる。
FEMAは、小さな請負業者と契約した。3000万食を配ることで、契約金は1億5600万ドル。この業者は食品製造の経験はなかった。従業員はわずかに1人。
アベノマスクを製造委託した会社が同じでしたよね。実績もない会社になぜか突然、数千万円の注文がアベの政府が出したのでした。また、GOTOキャンペーンのことも、必要性も実効性も疑われているのに、その実施のための手数料として3千億円が支払われるというのです。災害という人の不幸を食いものにする構造というのは、アメリカでも日本でも同じなんですね…。でも、こんなことって、許せません。
アメリカ赤十字社も批判されています。赤十字社は6550万ドルもの義援金を受けとった。しかし、うち3000万ドルしか使わず、3550万ドルは残り、そのうち9%、320万ドルは自らの運営資金にまわした。
シェフの著者たちは、2万人のボランティアとともに、24ヶ所の厨房で300万食の温かい食事をつくりあげ、7台のフードトラックなどで配ってあるいた。
なんとすばらしいことでしょうか。信じられないほどの創意と工夫が生かされて、成し遂げられた成果です。読んでいて胸が熱くなると同時に、官僚組織の金もうけ本位のすすめ方に改めて疑問をもちました。
(2019年12月刊。1900円+税)

アフリカから、あなたに伝えたいこと

カテゴリー:アフリカ

(霧山昴)
著者 島岡 由美子 、 出版 かもがわ出版
アフリカのタンザニアに暮らしはじめて30年の日本人夫婦の生活を妻である著者が語ります。なにしろ夫(島岡強)は、アフリカ独立革命を志とする革命家なのです。
革命家といっても、武力闘争ではない。一人ひとりが、地域が、国が、アフリカ全体がベストの方向に向かえるよう、その時点で自分にできることから順に具体化していく。そんな気の遠くなるほど地味な日常の積み重ねこそが、著者と夫のアフリカ独立革命だ。
夫は1983年5月、19歳のときアフリカを目ざし、ソ連からヨーロッパをまわってアフリカに入った。
そして、著者は革命児たる夫と結婚して、1987年に夫と1週間遅れてアフリカに入った。
その後、タンザニアのザンジバルを拠点として漁業を始めた。そして、妻は、ザンジバルで柔道も教えた。道場も無からつくり出した。
著者のマラリア闘病記は、まさに壮絶です。よく、これで生命が助かったものだと思います。現地のドクターの献身的な医療のおかげです。このとき、最後に効いたのは中国製のマテメサリーというマル秘特効薬だったとのこと。1日1本、5日間の注射です。
日本人の子どもを迎え入れた経験も紹介されています。日本で表情が乏しく、何を考えているか分からないような女の子が、ザンジバルに来て、みるみるうちに生気をとり戻していったという話です。日本とはまったくちがった異文化に接することの大切さを感じます。
日本には、いじめはあるけど、ぬるま湯的なところもある。しかし、アフリカでは、人々がみな必死で生きようとしている。その姿に感じるところがあるというわけです。
一期一会を毎日実践してきたというのもすごいことです。とてもマネできないなと思いつつ、その行動力とたくましさに心惹かれて、コロナ休業中(ゴールデンウィーク中)に一気読みしました。お元気にお過ごしください。
(2020年1月刊。1800円+税)

共にたたかい共に楽しむ

カテゴリー:司法

(霧山昴)
著者 小牧 英夫 、 出版 かもがわ出版
86歳になって、これだけの本を書けるというのは実に素晴らしいことです。
弁護士生活60年(司法修習10期です)をふりかえって、10件の裁判闘争を詳しく解説し、また趣味の話も展開されていて、楽しい読みものにもなっています。
私が小牧弁護士の関わった裁判闘争でなにより紹介したいと思うのは、八鹿(ようか)高校事件です。これはマスコミの限界として今も残念ながら横行しているタブーにかかわります。
これは私の認識ですが、部落差別イコール悪、それを糾弾する部落解放同盟イコール正義といわんばかりの短絡的思考が世間にあり、裁判所にもマスコミにも強い影響を及ぼしていたように思います。すると、マスコミは「正義」の部落解放同盟(解同)のやっている現実の暴力には目をふさぎ、タブー扱いし、何も報道しなくなるのでした。その典型が1974年10月に起きた兵庫県立八鹿高校の教師集団に対する監禁・傷害事件です。私はこの年に弁護士になった(神奈川県川崎市で、です)ばかりで、残念ながら八鹿の現地には行ったことがありません。
「解同」は糾弾会と称して教師集団と吊るしあげ、暴行を加えていました。暴力が人心を荒廃させる点で深刻な問題だというのは、私も大学生のころ東大闘争に関わり全共闘の暴力にさらされていた経験があるので、ひしひしと分かります。
一連の暴力による被害者は200人。兵庫県警は5000人の警察官を動員して4人の被疑者を逮捕するなどして、14人の起訴にもちこんだ。
小牧弁護士たちは、被害者から被害状況を刻明にききとり、さらに第三者である目撃者を探し出して確保した。この当時、見た暴力行為を事実ありのままに証言するのは大変勇気のいることだったのです。
刑事裁判では、裁判所は「解同」に甘く、いずれも執行猶予にしてしまいました。「糾弾権の行使」として、傷害罪を宥恕するなんて、信じられません。恐らく裁判官自身も怖かったのでしょう。それほど「解同」タブーは強かったのです。
しかし、小牧弁護士たちは刑事法廷では脇役でしかありませんでしたが、民事の損害賠償請求事件では主人公たる原告側として行動し、「解同」幹部に損害賠償を命じる判決を獲得することができました。「解同」の暴力を批判する宣伝活動が暴力によって妨げられてはいけないというのは当然のことですが、兵庫県では、そのあたりまえのことを現実化するために大変な苦労と労力が求められたのでした。
さらに小牧弁護士たちは行政の誤りを正すべく行政訴訟を提題して成果をあげています。最後に残るのは、「解同」の暴力を黙認した警察の責任です。小牧弁護士は、それを明確にできなかったことから「今後に課題を残した」としています。まったく同感です。
小牧弁護士が弁護士になりたてのころの勤務評定反対闘争(キンピョートーソー)についても、今では考えられない時代の変化を感じます。
高知県には620人の校長がいて、その87%が教員組合の組合員であり、その多くが勤評反対闘争を容認していたとのこと。いま教員の日教組への加入率は8割どころか、半数にも達していないと報じられています。労働組合は自分の権利を守るために必要なものなんだという感覚が、今どきの若者にはないのが、とても残念です。
小牧弁護士が担当していた労働事件で、大阪地裁の網田覚一裁判長は、甲高い声で早口に証言する労働役員に対して、「そんなシャモが焼酎飲んだような言い方せんと、もっとゆっくり分かるようにしゃべってくれ」と注文をつけたり、法廷で居眠りをしている傍聴人を見つけて、「私たちは一生懸命に裁判しとる。眠るんなら、法廷の外で寝てくれ」と注意した。いやあ、すごいこと言う裁判長です。座布団3枚は差し上げます。
先日、福岡地裁で裁判官への忌避申立の現場にいました。一見すると当事者の言い分に耳を傾ける真面目なポーズをとるものの、実は実体的審理に踏み込む勇気のないことを告白するような訴訟指揮でしたので、こんな予断と偏見にみちた裁判官を排除するのは、国民として当然の権利だと思いました。ところが、私がショックだったのは、その裁判長は、ポーカーフェイスだったのかもしれませんが、あくまで平然とした態度で、最後まで自分の訴訟指揮に問題は何もなかったといわんばかりだったのです。裁判官の官僚続制というのは、当の本人はまったく無自覚なのだというのを絵に描いたようにあらわした場面でした。
290頁の本に60年の弁護士生活が濃密に込まれていると思いながら、コロナ禍のもとで読みすすめ読了しました。ちょっぴり難しいところもあるかもしれませんが、ぜひとも、若手の弁護士の多くに読んでほしいものです。
(2020年4刊。1600円+税)

裏切りの大統領マクロンへ

カテゴリー:ヨーロッパ

(霧山昴)
著者 フランソワ・リュファン 、 出版 新潮社
毎日毎朝、フランス語をこりもせず書き取りしながら学んでいる身として、フランスはとても気になる国です。
2017年5月、フランス史上最年少の39歳の若さでエマニュエル・マクロンは大統領に就任した。2018年11月、黄色いベスト(ジレ・ジョンズ)運動が始まった。政党や労働組合などの組織が起こしたのではなく、中産の下から低所得層がネットを通じて声を上げ黄色いベストを着て街頭に出たのだ。彼らはマクロン大統領がすすめている新自由主義による社会保障の切り捨てなどに抗議した。
著者のフランソワ・リュファンはジャーナリストであり、今では国会議員でもある。マクロンの出身地であるアミアンの出身で、同じ中学・高校に通った。
マクロンは生まれてから今日まで、ブルジョワの内輪社会がはぐくんだ果実そのものだ。上層と下層とが交わらない社会的アパルトヘイトの産物であり、民衆から離れて、マクロンははるか遠くで生きてきた。目に見えない仕切りがマクロンたちエリートを囲んでいるが、暗黙の仕切りが存在することを自覚していない。無自覚で暗黙であるからこそ、仕切りは仕切りとしての力を発揮する。
黄色いベスト運動が始まるまで、貧乏な人々は、隠れて、こっそり苦しんできた。貧乏から抜け出せない屈辱、家族を守れない屈辱、家族にしかるべき幸福をもたらせない恥をかかえて…。フランス中が、まるで黄疸(おうだん)にでもかかったかのように黄色まみれになったとき、マクロンはいったいどこにいたのか。モロッコに、ベルリンに、アルゼンチンに、アブダビに、そしてルーマニアの大統領を迎えて一緒に美術館を見学していた。
マクロンは、自分が知らない国の大統領だ。知らないどころか、軽蔑している国の・・・。これが、この本(原著)のタイトルになっています。
著者は、マクロンが左翼を装ったことを厳しく糾弾しています。
マクロンのようなグランゼコル(エリート養成機関)出身者は、高級官僚になり、そのあと民間大企業に天下りし、そのあと再び官邸や省庁の高いポストに返り咲き、国家に仕える立場にありながら、内部から国家を解体する人たちだ。
マクロンは、ロチルド(ロスチャイルド)銀行に勤めた。マクロンの顔は自信と確信に満ちあふれている。そこには、挫折の痕跡とか苦悩、つまり何か人間らしいものが、まったく認められない。
フランスの製薬大企業サノフィに対してマクロンは経済大臣として1億2500万ユーロの助成金を交付した。このサノフィがつくったクスリの副作用として自閉症の子どもが生まれた。何十年にもわたって、サノフィは何万人もの子どもたちに自閉症を引き起こした薬を売っていた。なのに、サノフィは賠償せず、それどころかマクロン大統領はサノフィの社長を大統領宮殿の晩餐会に招待した。
マクロンは、20年来、超大金持ちの信愛の情に浸かって生きてきた。夕食をともにし、冗談を言いあい、信頼しあってきた。
マクロンは富裕税は効果がなかったと断言した。そして富裕税を廃止すると同時に、年金生活者の課税率を上げ、賃借人への援助金を切り下げ、政府援助の雇用契約を20万も削除した。
マクロンは民衆の誇り、名誉を傷つけている。民衆は馬鹿にされている。マクロンは、絶え間なく、貧乏人に教訓を垂れる。マクロン大統領は、どんなスピーチをするときでも、前もって原稿をチェックする人がいて、照明と撮影技師、舞台装置係、メイクを享受している。
わが日本のアベ首相は、いつだってテレビにはうつらないプロンプターの文字盤の原稿を棒読みしています。なので、いつも心に響かないのですが・・・。
マクロンは、テレビで微笑(ほほえ)む。いつでも微笑んでいる。そして、その微笑は凍りついた。それは死の微笑だ。サルコジやオランドには、まだ人間的な面があった。しかし、マクロンはプログラミングされたロボットのような技術的官僚なので、民衆は統計上の数字、収益を上げる変数の一つにすぎないから、暮らしが立ちゆかない庶民の苦しみや羞恥心、尊厳を傷つけられた痛みなんて、想像すらできない。
マクロンの若くて、のっぺらぼーな顔立ちを見るたびに、この本に書かれていることを思い出すことにします。
(2020年2月刊。2000円+税)

響きあう人権

カテゴリー:司法

(霧山昴)
著者 大川 真郎 、 出版 日本評論社
私は著者とは弁護士会活動を通じて知己を得たのですが、著者自身は、その前には国際人権活動に活動の軸足を置いていたとのこと。この本を読んで、著者の国際人権分野での交友の広さを知り、とてもうらやましく思いました。
私自身は、アメリカに弁護士有志の視察で行ったとき、ろくに英語を話せず赤恥をかいたこと、弁護士会の役職に就いてベルリンの国際会議に参加したとき、壁の花でしかなく、東澤靖弁護士などの活躍をじっとみているだけだったことを、今さらながら冷や汗とともに思い出します。毎日毎朝フランス語を勉強していますが、これもボケ防止の側面が強くて、とても、まともなフランス語会話ができるわけではありません。今さら謙遜なんてする柄ではありませんので、これは残念ながら本当のことです。
それはともかくとして、本書で登場してくる国際舞台の広さには目をむいてしまいます。
ギリシャのペリアリ村、地中海のマルタ、フランスのノルドマン弁護士と裁判官たち。アメリカの弁護士・裁判官たち。そして、ソビエト(ソ連)の法律家たち。まだまだ、あります。スペインのマドリードのメーデー、キューバのカストロ大統領の大演説をじかに聞いたこと、インドでの国際会議、そしてフィリピン人の人権派弁護士が次々に殺される話、韓国・中国の人権派弁護士の苦難、その延長線上のオウムによる坂本堤弁護士殺害事件…。
国際会議では、カンボジアの大虐殺を免れた唯一の弁護士会と出会います。また、チリのアジェンデ大統領の下で司法大臣だった人たち。彼らは記念の写真をとることも拒絶したのでした。エジプトにも人権派弁護士がいました。モンゴルからも韓国からも、そして遠くトルコからも駆けつけた弁護士がいたのでした。
インドの国際会議の話では、熊本の竹中敏彦弁護士の話も登場します。目に見える形での貧富の差の激しさがありました。日本も、次第にそうなりつつある気がします。
国際会議に参加すると、通訳の日本語がとんでもないレベルのときがあり、まるで意味が分からなくなり、すごくフラストレーションがたまります。かといって自分では話せないのですから、レセプション(懇親会)に出るのは苦痛でしかありませんでした。一緒にアメリカに行ったことのある加島宏弁護士(大阪)の通訳は見事でした。
日弁連で一緒になることの多い上柳敏郎弁護士を尊敬する所以です。
フィリピンの人権派弁護士は今も殺害されているようです。本当にひどい国だと思います。その話を聞くたびに心を痛めます。
韓国の「民弁」の活躍は目を見張るものがあります。長く続いた軍事政権があまりにひどかったことの反動からでもあるのでしょうね。韓国映画『弁護人』は、私もみましたが、あとで大統領になった廬武鉉(ノムヒョン)弁護士がモデルです。そして、今の文在寅(ムンジュイン)大統領も「民弁」出身です。先日セクハラ疑惑の渦中で自殺したソウル市長も「民弁」でしたよね。「民弁」出身の弁護士が2人も大統領になったり、ソウル市長になったり、いったい日本とどこが違うのでしょうか。
枝野幸男・立憲代表や福島みずほ・社民代表も人権派弁護士と言っていいのだと思います(どれほど実績があるのか、残念ながら知りませんが…)。が、国民の人気という点では、韓国に比べて今ひとつですよね。そして、自民党には森まさ子とか稲田朋美という、司法試験の合格レベルを疑われるという、まさかの低レベルのとんでもない弁護士もいますが…。
「シンク・グローバリー、アウト・ローカリー」(世界を視野に、行動は足を地に着けて)をモットーとして生きてきたつもりの私ですが、もっと国際的な交友を深めておくべきだったと反省するばかりでした。そんな反省を迫られる本ではありましたが、読後感はすかっとさわやか、というよりほのぼの感がありました。心優しい著者の人柄のにじみ出た、読みやすく分かりやすい文章にも改めて感銘を受けました。わずか150頁足らずの本でしたので、届いたその日のうちに読了し、その直後に一気に、この書評を書きあげたのでした。ひき続きの健筆を期待します。
(2020年7月刊。1500円+税)

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