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もう抗生物質では治らない

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著者:マイケル・シュナイアソン、出版社:NHK出版
男より女の方が本を読まないって調査結果が新聞にのっていたけど、本当かしら・・・。大牟田のN弁護士ほどは読めないけど、私だってそれなりに本は読んでるわ。このあいだも『手紙』 を読みはじめて、結末が知りたくてついに一晩かけて読みあげたし・・・。おかげで、翌日は、寝不足で頭がよくまわらなかったのが痛かったけど・・・。まあ、頭がまわらないのはいつものことですって、失礼ね(プンプン)。
 一家の台所をあずかる身として、食べ物にはこれでもずい分と気をつかってわ。お店で選ぶときだって、値段が安けりゃいいってことじゃないの。見てくれよりも、やっぱり安全性よね。残留農薬が心配だから、あまり輸入物は買わないようにしてるし・・・。でも、中国からの輸入モノって多いわね。国産品って割高になってしまうのが、主婦としては痛いわ。
 この本を読んで、本当に息がとまりそうなほど、さすがの私も驚いてしまったわ。アメリカじゃあ、家畜につかう抗生物質の使用量がこの15年間で300%も増大してるんですって。ブタなんか、平均して10種類の抗生物質を投与されてるなんて信じられないわ。病気予防と成長促進剤なのよ。その結果、細菌に耐性ができて、家畜を食べる人間にまでそれが取りこまれてしまうんですって。あのO157騒動も、耐性のある大腸菌によるらしいのね・・・。
 やっぱり抗生物質に頼り切るって、怖いわ。でも、無農薬で完全自給なんて出来ないものね。怖い話だけど、目をふさぐわけにもいかないし・・・。
 だまされたと思って、手にとって読んでみて。あとで感想おしえてね。

ヴェトナム戦場の殺人

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出版社:扶桑社ミステリー文庫
 MPとしてベトナム戦争に従軍した経験のあるディヴィッド・K・ハーフォードの戦場ミステリー。戦場の描写がとてもリアルだ。
 MPに犯罪捜査部(CID)があるということを初めて知った。アメリカの兵士が殺される。同僚の兵士たちはベトコンに殺されたというが、身体はハチの巣になっているのに、着ていたはずのシャツには銃弾の穴がない。アメリカ軍の底知れぬ腐敗にMPは直面させられるなか、少しずつ解決の糸口をつかんでいく。
 ベトナム戦争に従軍していたアメリカ兵士はほとんど私の同世代。ジャングルのなかで無意味に殺されていった若者たちのことを思うと、胸が痛む。
 久しぶりに若いころベトナム反戦デモに汗をかいたころを思い出したが、ミステリー小説としても、よくできていると思う。

リーガル・エリートたちの挑戦

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出版社:商事法務
 著者がダグラス・K・フリーマンとありますから、アメリカの弁護士のロースクールでの体験記と思って読みはじめると、そうではありません。日本で生まれて育って日本の司法試験に合格したアメリカ人が、弁護士となって3年目にアメリカに渡り、ロースクールで猛勉強した体験記なのです。
 著者は東大法学部を卒業し、コロンビア・ロースクールに入り、そこでローレビューにも合格するほどの有能な人物であることがよく分かります。その彼がいかに必死に勉強したか、刻明に描かれていて、アメリカのリーガル・エリートのすさまじさが大いに想像できます。3年間も、こんな猛勉強させられると、いつのまにか初心を忘れてしまう心配があります。
 「なぜコロンビアの学生全員が必修科目としてこの時期に法哲学を学ぶことになっているのかわかるか。・・・先生にいわれるままに法律をせっせと覚えこみ、それをオウム返しに試験の答案上に吐き出し、その試験結果に憂き身をやつし、しまいには大企業の金もうけの手助けをする巨大なローファームで歯車となって何も考えないまま一生を終えるのが君たちのほとんどだろう。何も考えないことほど簡単でかつ恐ろしいことはない。
 しかし、それでは法学教育の本当の使命をまっとうできない。ロースクールを卒業すると君たちは、社会的には自分で想像する以上の権力を握ることになる。法のあるべき姿を根本から考え直すべく、この法哲学の講義がもうけられた」
 これは、法哲学を担当するモグレン教授のすごい開講挨拶のことばです。
 コロンビア・ロースクールを卒業するときには、平均して1000万円のローンをかかえているそうです。そこで、このローンの返済のため、とりあえず初任給1500万円の大ローファームに入っていく現実があります。そして、やがて「大企業の金もうけの手助け」をすることに慣らされていくわけです。日本でも、恐らく、このような状況がやがて出現するのでしょう・・・。大いに刺激を受け、また考えさせられる本でした。

ほたる

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著者:栗林慧、出版社:学研
 毎年5月中旬すぎると、わが家の近くにホタルの乱舞するのを見ることができる。6月半ばをすぎるとホタルは見れなくなる。ホタルは子どものころも見ていた。
 あっちの水は苦いぞ、こっちの水は甘いぞ。本当に、そんな歌をうたってホタルを笹で追ってつかまえ虫籠に入れていた。これが蛍雪の花っていうんだよ、と大人に教えてもらった。
 「源氏蛍全記録」と銘うった、この写真集は3900円。蛍の一生を詳しく追い続けた実に見事な記録写真に心が動かされた。そして、その解説文を読んで再び感嘆した。なんと大分県の中津無礼川に40日間もキャンプ生活をしたことがあるのだという。すごい。まったく脱帽。
 『栗林慧全仕事』(学研)も素晴らしい写真集だし、そのビデオも一見の価値がある。ホタルのことを知りたかったら、ぜひ、この写真集を買って見て、読んでほしい。

あやめ横丁の人々

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著者:宇江佐真理、出版社:講談社
 祝言の席に、花嫁の好きな男が押しかけてきて花嫁をさらっていく。花婿は男の意気地を立てるために追いかけ、男を切り捨てる。花嫁はあとで自死してしまう。花婿は逆うらみから花嫁の一族から追われ、あやめ横丁に隠まわれる。ところが、この横丁の住人はすべて訳あり、いわく因縁のある人々ばかり・・・。
 江戸時代の下町を舞台とする時代小説。訳ありの訳がひとつずつ解き明かされていく展開は、なかなか胸をうつものがある。あやめ横丁の由来も花の名前ではなかった・・・。たまに江戸情緒にひたってみるのも乙なもの。

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