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人は悲しみで死ぬ動物である

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著者:ゲーリー・ブルーノ・シュミット、出版社:アスペクト
 世にも残酷な実験をした皇帝がいる。ホーエンシュタウフェン朝のフリードリヒ2世(1194〜1250年)だ。皇帝は孤児となった新生児を選んで、乳母係に命令した。母乳を与え、入浴させて世話をすること。ただし、決して子どもをあやしたり、話をしてはいけない。皇帝は、子どもたちが話しはじめるとき、ヘブライ語かギリシャ語、あるいはラテン語、それとも親の言語で話すのか、それを知りたかった。
 しかし、それは子どもたちの死によって達成できなかった。子どもは、乳母が手をふって楽しげに顔をほころばし、自分をあやす言葉なしには生きることができないのだ。母乳があれば生きるというものではない。愛情は生きる養分となっている。関係の喪失は致命的なのだ。
 この本は、妻に先だたれた夫がなぜ早死にするのかというメカニズムを解明している。そのうえで、生きる力は、自分自身から創造的にあらわれるとして、次のように助言している。
 ・出口なしの状態を回避するためには、過去に同じような状況を解決したことを思い出す。
 ・助けのない状態を回避するためには、現在における解決を探す。
 ・希望のない状態を回避するためには、未来における解決を信じて先を見る。
 ・情緒的孤立状態を打破するためには、自分自身を鏡に映してみる。
 つまり、想像力や人間関係が「治療手段」になりうるということなのだ。私も、それを信じて、明るく前向きに生きていくつもりだ。

国銅

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著者:帚木逢生、出版社:新潮社
 ときは天平15年(743年)。鳴くよウグイス、平安京(749年)より50年前。長門周防の工夫が、奈良の大仏建立に駆りだされていくさまが実にこまかく「再現」されている。その迫真の描写力にはホトホト頭が下がる。上下2分冊で合計600頁をこす長編だが、「感涙の大河小説」というオビの文句に嘘はない。山から鉱石を掘り出し、棹銅(銅板)をつくり、平城京へ運ぶ。そして、奈良の大仏像の建立に従事する一人の男の生活があますところなく描かれている。奈良時代の庶民(匠)の生活はこうだったのかと思い至ることができる。じっくり読んで、これぞ小説の醍醐味だ、とつい膝をうってしまった。

生物時計の謎をさぐる

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著者:ジョン・D・パーマー、出版社:大月書店
 あなたは朝型人間ですか。それとも夜型人間?
 男性は早起き鳥1人に対して3人の夜型フクロウ人間がいる。女性ではその割合は1対2。いずれにせよ、体温リズムがピークに達するのは、仕事をするうえでもっとも効率があがる時間帯に一致している。体内時計のおもな働きは周期的に変化する環境のなかで、次にやってくる変化に体を準備しておくということにある。
 いったい身体のどこに生物時計はひそんでいるのでしょうか。生物の不思議は、まだまだ完全には解明されていません。それにしても、日本から出かけるときには、アメリカよりヨーロッパに行くのが断然楽ですよね。だから、私はヨーロッパに行くのが好きです。それも一度ビジネスクラスに乗ってみましたが、いくら値段が高くても、あのリクライニングシートの快適さはなんとも言えないですね。もうエコノミー症候群になるのを心配するのはコリゴリ。そんな気がしています。贅沢な話ですみません。

ビアフラ戦争

カテゴリー:未分類

著者:室井義雄、出版社:山川出版社
 悲惨なビアフラ内戦で多くの餓死者を出したことは記憶に残っていた。ビアフラがナイジェリアの一部であったことを今回初めて認識した。ナイジェリアの大統領はオバサンジョという名前だ。よその国の大統領を笑うのは大変失礼だと思うが、日本人としてはオバサンじょとしか聞こえないものだから、つい笑ってしまう(ごめんなさい)。
 ビアフラ内戦がなぜ記憶に残っていたか、この本を読んで謎がひとつ解けた。それは、私が憧れの東京で大学生になった1967年5月にビアフラ共和国が「独立」したことに端を発して内戦が始まったからだ。大学生になったら、いろんなことができると大きな希望を抱いて上京したが、たちまちその幻想は砕かれてしまった。砂をかむような学生生活にならなかったのは寮生活とサークル(セツルメント)活動のおかげだった。
 ビアフラ内戦によって戦死者20万人、民間人の死者2万人、餓死者150万人、全部で犠牲者200万人といわれている。国際的な救援活動によってビアフラ軍がよくもちこたえ、結果として内戦を長期化させ、犠牲者を増大させた。そしてナイジェリアの油田はシェルBP石油などの国際石油資本に巨額の利益をもたらしているが、地元にはほとんど還元されていない現実がある。救援活動もマイナスをもたらすことを知ったが、それにしても部族間の血を血で洗う報復戦闘のくり返しには、やり切れない思いに駆られる。この本は、そんな悲しいアフリカの内戦の実情を紹介している。

すべては傍受されている

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著者:ジェイムズ・バームフォード、出版社:角川書店
 NSA(米国国家安全保障局)の正体を暴いた本。
 NSAの総予算は175億ドル。職員はCIAとFBIの職員の合計より多い3万8千人。ところが、さらに2万5千人が数十ヶ所の傍受基地で雇われている。三沢空軍基地にはアメリカ陸軍第750軍事情報中隊がいて、インテルサット衛星8をつかってデジタル衛星通信の傍受と分析している。辞書というコードネームのコンピューターが傍受アンテナを通過する何百万の通信の中から、キーワード、名称慣用句、電話・FAX番号を含む監視リストに該当するものがないか一瞬のうちに検索する。要するに、このメールを含めて、インターネットを含むすべての会話と回線のすべてがNSAによって傍受されているということ。
 ところで、映画『13デイズ』でキューバ危機の内幕が描かれているが、この本によると、アメリカ軍の統合参謀本部は陸海空からの本格的侵攻(全面戦争)を強く主張していた、そのため、キューバにあるグアンタナモ米海軍基地をカストロが攻撃したような芝居をうつ計画まで立案していたという。ところがケネディ大統領がこの案を却下して、CIAによるキューバ亡命軍の侵攻になった。この計画が失敗したら、本物の侵攻作戦に代わるだろうとペンタゴンは思っていたが、そうはならなかった。そこで、ケネディ大統領を憎んだ。ケネディ暗殺にアメリカ軍の上層部がかんでいたという背景状況が説明されている。アメリカには底知れない恐ろしさがある。キューバでは失敗したが、インチキ・トリックはベトナムでは「成功」した。トンキン湾でベトナム軍による2回目の攻撃はなかったのにアメリカ軍が攻撃されたと大々的に宣伝し、その「反撃」のために北爆が始まった。今回のイラク攻撃のときの「大量破壊兵器」と同じインチキ・トリックだ。軍人というのは口実がないときには口実をデッチ上げてまでも戦争を始めようとする恐ろしい人種だ。つくづく恐ろしい。知らぬが仏ではあるが、寒気を覚える。それでも、オサマ・ビン・ラディンをアメリカが捕えきれないのはなぜなんだろう?

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