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日本列島フン虫記

カテゴリー:未分類

著者:塚本珪一、出版社:青土社
 エジプト文明とスカラベは切っても切れない関係にある。そのスカラベの仲間が日本にも「ふんころがし」としてたくさんいる。コガネムシ科の仲間でもある。
 著者は日本全国、北海道から屋久島まで、ヒグマの糞、ヤクシカの糞のなかにいるフン虫たちを探し求めて歩く。ヤクシマエンマコガネは、背中の両側に突起があり、ツヤツヤと輝いている。カブトムシを小型にしたようなフン虫たちの姿は美しい。
 しかし、そんな彼らにも絶滅の危機が迫っている。牛の背中にかけるだけで皮膚から血液に入って牛の内部・外部寄生虫を駆除する駆虫薬が普及しているからだ。牛の体内には残留しないが牛糞に残留した薬剤は糞を分解する昆虫の発育を阻害する。
 フン虫の世界も奥が深いことが分かる本だ。

よく生き、よく笑い、よき死と出会う

カテゴリー:未分類

著者:アルフォンス・デーケン、出版社:新潮社
  自分にできることならベストを尽くすが、そうでないことについては、思いわずらわない。これが私の人生の原則。
 「思い悩むな。空の鳥をよく見なさい。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である」(マタイ福音書)
 ほとんどの人間が未開発のままの潜在的能力をたっぷり持っている。この潜在的能力の可能性を開発することが、平凡な人生の危機を乗り越えるための最良の応戦方法だ。人生の危機的状況というのは、ある意味で私たちの潜在的能力に対する挑戦なのだ。挑戦には応戦しなければならない。
 時間意識の大切さ。ギリシア語では時間の概念をクロノスとカイロスに区別する。クロノスは川の流れのように過ぎ去っていく日常的な時間のこと。カイロスは二度と来ない決定的な瞬間をいう。時間の貴重さを意識して、カイロスという唯一の機会をしっかりつかむことができれば、人間として一段と大きく成長することが可能になる。
 人間は永遠への旅人である。旅は心の自由をうむ。旅をすると、人に出会う。出会いによって、人間の視野はいっそう広く深くなっていく。
 上智大学のデーケン教授の最終講義をもとにした本です。味わい深い内容が平易な言葉で語られ、心に深く感銘を受けました。

おいしいフランス、極上の素材を訪ねる

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著者:相原由美子、出版社:岩波アクティブ新書
 いかにも新鮮で美味しそうな食材が写真つきで紹介されています。口の中に自然とツバがわき、ヨダレが垂れてきそうになります。
 アスパラガスは3年ほど前からわが家の庭でも伸びてくれています。旬には、毎朝のように採れたてを味わうことができます。緑で細いものです。電子レンジでチンして熱々のアスパラガスを堪能します。産地直送そのものです。田舎にすむ良さのひとつです。
 ロックフォール(チーズ)は、地下の洞窟で3ヶ月以上熟成されたものでなければ名乗りを許さないという法律がフランスにはあります。モリーユ(キノコ)は食べたことがありますし、美食の本場リヨンで川カマスのクネルも味わいました。でも、トピナンブールという、色と味がさまざまなトマトなど、知らない野菜も紹介されています。
 ダイエット中であることをしばし忘れ、味わいを想像しながら車中で読みふけりました。目の前には、デパ地下のチキン南蛮弁当を置いて、その落差のあまりの大きさを嘆きつつ・・・。

55歳から楽しむ人生、楽しめない人生

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著者:石川恭三、出版社:三笠書房
 この12月、ついに55歳になりました。弁護士になって30年を過ぎ、本当に月日のたつのは早いものです。同世代の人たちが定年後の心配を早くからしていたのを他人事(ひとごと)のように聞いてきましたが、私も、この本のとおり、これからの人生のあり方を考えるべき年齢(とし)にはなりました。苦しいこと、辛いこと、自分が嫌なこと、人が嫌がることは、やりたくないし、しないようにする。「和顔愛語」、人に対しては和やかな顔と優しい言葉で接せよ、これを基本姿勢とする。
 本からの情報は、自分の意志で読むという能動的な行為があって初めて手にすることができるもの。読書する人がアルツハイマー病になりにくいのは、活字から伝わってくる刺激が脳を活性化させるから。好奇心は精神のバネの強さを表すバロメーター。心理的な老けこみの徴候は好奇心が薄くなること。
 60代後半になった著者は具体的な提案もいくつかしています。私もそのうちいくつかは実践しています。週1回の水泳、ガーデニング、月1回のハイキングそして大量の読書などです。自分史を書くのは早すぎると思っていますが、小説には挑戦中です。そこには創造の喜びがあります。いつまでも若いと言われてきましたが、そうは言っても、頭髪に白いものが目立ってきました。若さを保って健康であり続けたいものです。

隠された証言

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著者:藤田日出男、出版社:新潮社
 1985年8月12日に起きた日光23便墜落事故について、改めて疑問を投げかけた本です。
 2つ問題があります。1つは、墜落直後は助かった4人以外にも何人もの生存者がいたのに、16時間も放置されてしまったのです。夜明け前に墜落現場に救援隊員を降下させることも可能だったのに、それもなされていない。これらはアメリカ軍と自衛隊の作為的な妨害工作をたしかに推測させます。
 もう1つは、後部の隔壁が破壊したため垂直尾翼が吹き飛んだという事故原因が本当かという点です。客室乗務員の落合さんの証言は、それに矛盾することが明らかにされています。しかも、垂直尾翼の大半が海中に落下しているのに、それを引き上げることが早々と断念され、決定的な証拠が見つからないことになってしまっています。あの18年前の大事故の教訓がいま本当に生かされているのか、改めて心配になってくる本です。
 飛行機に何百万人もの日本人が乗っているわけですから、政府は疑惑にこたえ、真相を究明して国民に公表すべきだと思います。

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