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強奪されたロシア経済

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著者:マーシャル・ゴールドマン、出版社:NHK出版
 1998年に世界の富豪200人が発表されたとき、史上はじめて5人のロシア人企業家が入っていた。このニュー・リッチはオリガルヒと呼ばれるが、この5人は、実は10年前までは財産と言えるようなものを何も持っていなかった・・・。
 オリガルヒには3種類ある。第1は、国有企業の元企業長たち、第2は、共産主義時代の「ノーメンクラトゥーラ」と呼ばれる上層幹部、第3は、1987年まではソビエト社会の外まわりにいた人々。
 ソ連のブレジネフ政権のもと、ブレジネフの娘の夫であるユーリー・テュルバーノフ内務次官は警察の元締めであった。このチュルバーノフがウズベキスタンのマフィアから手当を受けとっていた。ウズベキスタンのマフィアの頭目は、なんと、共産党第一書記だったのだから、犯罪撲滅キャンペーンの成果が上がらなかったのも当然のこと。
 1986年、ソ連全体で殺人は1万5000件だった。ところが、2000年にはロシア国内だけで2倍以上の3万1829件。2001年には、人口10万人あたりの殺人件数で、ロシアは南アフリカに次いで第2位だった。
 毎年、国家予算の4分の1が、「意思決定者たち」のポケットに消えていった。
 ロシア内務省の組織犯罪取締総局によれば、1994年には4352人の「マフィア」がいて、マフィアのリーダーが1万8000人、メンバーは10万人にのぼるという。
 ロシアのマフィアは、部分的に私有化されてしまっているKGBや政府官僚層と結びつき、この三者が渾然と手を組みあっている。
 背筋の寒くなるような、ぞっとする恐ろしいロシアの実態です。

近代日本と仏蘭西

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著者:三浦信孝、出版社:大修館書店
 私がフランス語の勉強を始めたのは、大学に入って第二外国語として選択してからのことですから、恐るべきことになんと37年前のことになります。その割には、今でもちっともうまく話せません。それでも、聞いてかなり分かるようにはなりましたし、仏検の準一級にも一応は合格しました。今年の6月にも受験して、ギリギリで一次合格できるかな、という点数をとりました。
 私がフランス語を志した動機は不純というか、単純です。2つありました。今でもはっきり覚えています。大学に合格したあと、入学手続に必要な書類を書きながら、フランス美人と話ができるようになったら(もちろん、口説けたら、という意味です)、どんなにかいいだろう。それに美味しいフランス料理をメニューを読んで注文して楽しめるようになったらいいだろうな・・・。幸い、あとの方はほぼ目標を達成することができましたが、前の方は、フランス美人を口説くなんておそれ多くて、とてもとてもです。残念です。
 この本によって、日本とフランスの深い関わりあいを識ることができました。たとえば、明治6年、大久保利通はフランスから帰って、民主共和制治は天の理によく適ったものだという意見を書いています。同じく、西音寺公望も、自由こそが文明富強の源だと言っていました。つまり、この当時の明治政府の首脳は、日本の人民は自由自主の気性を身につけなければならないとさかんに言っていたのです。明治政府も自由民権運動も、立憲政治の実現という点では、共通の政治的目標を目ざしていたというわけです。
 アナーキストの大杉栄がパリのサンテ監獄に入っていて、帰国してまもなくの関東大震災のときに虐殺されたのは周知の事実ですが、犯人は甘粕大尉ではないという説があることを、私は始めて知りました。鎌田慧がそう言っています。

カラス、なぜ遊ぶ

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著者:杉田昭栄、出版社:集英社新書
 わが家には、幸いなことに、カラスは来ません。ときどきカサカギ(カチガラス)がやって来る程度です。
 カラスは人間の顔を覚え、カラスにいじわるすると必ず仕返しをします。著者が遊び心からエサにアルコールをまいていたら、駐車場のなかの著者の車だけがカラスの糞攻撃を受けたそうです。めったなことでカラスをいじめることはできません。
 カラスの鼻はききませんが、目と脳はすごく働くのです。遊ぶのも得意です。スキー場やすべり台ですべって遊んだりしますし、線路や道路に物を置いて車や列車に割ってもらうのもカラスの得意とするところです。
 カラスを狭いところに閉じこめておくと、ストレスから円形脱毛症にもなってしまうそうです。真っ黒な身体に似合わない、繊細な心の持ち主でもあります。

大黒屋光太夫

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著者:山下恒夫、出版社:岩波新書
 吉村昭の『大黒屋光太夫』(毎日新聞社)は小説として面白く読めました。さすが岩波新書です。新史料も紹介され、さらに歴史の真実に迫ることができました。
 ときは18世紀の後半。10代将軍家治。老中田沼意次によって江戸は好景気にわいていた時代です。伊勢の光太夫たちが江戸へ向かう途中に難破して、アリューシャン列島に漂着します。それから苦難の日々を過ごし、ときのロシア皇帝エカテリーナ2世に直訴することができて、ついに日本へ無事に帰国することができました。すでに田沼時代が終わり、寛政の改革で有名な松平定信の時代です。光太夫は21歳の将軍家斉に面会しています。身分を考えてみたら、とてもありえないことです。20年ぶりに故郷の伊勢にも帰国することができました。
 光太夫がロシアで厚遇されたのは、ロシアの当時の習俗に従って上流階級の船長とみなされたうえ、富裕な商人とも誤解されていたことによるというのです。もちろん、光太夫の人柄がそれだけの人物ではあったのだと思います。庶民レベルの日本人にも、なかなかの人物が昔からいたことがよく分かる本です。

北米大停電

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著者:山家公雄、出版:日本電気協会新聞部
 2003年8月14日、15日。ニューヨーク市は、いきなり全市停電となり、地下鉄が止まり、飛行機まで飛ばなくなりました。携帯電話もつながらないなかで、人々は2001年「9.11」テロを心配させられました。
 停電の被害は、アメリカ8州とカナダの2州、あわせると5100万人にも及びました。その6180万キロワットというのは、日本でいうと関東地域を上まわる規模です。
 コンピューターは、停電のときには、基本的に作動しなくなり、携帯電話もつかえません。むしろ、固定式電話の方が電気使用量が少ないので停電には強いのです。
 なぜ、このような大停電が発生したのかを究明しようとした本ですが、必ずしも歯切れは良くありません。コンピューターシステムがよくなかったとか、電気会社同士の連携が十分でなかったとか、いろいろな指摘がなされています。でも、電力自由化のもとで、乱立する電気会社の多くが利潤第一主義に走るあまり、保守点検とか「無効電力」の不足という問題をひきおこしたことが指摘されています。門外漢の私には、ここらあたりに重大な問題がひそんでいるように感じられました。ともかく、電気は水と並んで必要最低限のインフラなのです。それを整備し、保障するのは国の責任ではないでしょうか?。

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