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新聞社の欺瞞商法

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著者:サワダオサム、出版社:リム出版社
 新聞は毎朝、自宅のポストに配達されるもの。日本では、これがまったく当たり前です。でも、欧米では必ずしもそうではありません。そこでは、新聞は駅のキオスクに行って買い求めるものです。しかし、日本でも新聞を読んで(購読して)いる人は、インターネットの普及もあって、どんどん減っていると言います。全国紙は、ものすごく威張っています。自分たちこそ世の中を支えているかのようなプライドにあふれています。しかし、本当にそうでしょうか?
 アテネ・オリンピックに高橋尚子選手が出場できなかったことを一面トップに載せましたが、スペインの総選挙でイラク派兵に反対した首相が誕生するというニュースは軽い扱いでした。私は、えっ、なぜ、と驚きました。自衛隊のイラク派兵反対の集会やデモについても、何千人も集まっても無視します。警察の裏金操作についても、一面トップでとりあげることは絶対にしません。せいぜい3面のトップ記事でしかありません。イラクの人々が本当は何を求めているのか、についても報道しようとはしません。日本のマスコミはタブーが多すぎます。
 そんな新聞が、社会の木鐸と自称しつつ、販売店は「押し紙」という過剰部数を押しつけています。『押し紙』(同時代社)とあわせて、この本を読むと、全国紙のひどい部数操作がよく分かります。公称部数の4割近くが、販売店に押しつけられたりする「過剰部数」だといいます。しかし、広告料は、あくまで公称部数でもらいますから、「過剰部数」であっても採算は合うといいます。ひどい話です。日本のジャーナリズムの底の浅さが知れる本です。

蜀山残雨

カテゴリー:未分類

著者:野口武彦、出版社:新潮社
 「大田南畝と江戸文明」というサブタイトルがついています。
 「世の中にかほどうるさきものはなし ぶんぶといふて寝つかれもせず」という狂歌は大田南畝の作とされています(本当は違うようです)。狂歌はパロディーでもあります。
 見わたせば金もお銭(あし)もなかりけり 米櫃(こめびつ)までもあきの夕暮
 大田南畝は幕府の御徒組(おかちぐみ)に所属する小身の幕臣でした。松平定信の寛政の改革のとき、中国の科挙の制度にならった「学問の吟味」という選抜試験システムがつくられ、大田南畝も受験しました。しかし、第1回目は、大田南畝を嫌う上役ににらまれ、見事に落第。2回目に、首席で合格しました。
 ロシアのレザーノフが長崎にやってきたとき、大田南畝は幕府の役人として同席したりもしています。江戸時代の文化人の様子が生き生きと描かれた本です。

逆転バカ社長

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著者:柏野克己、出版社:石風社
 実は、題名のイメージが悪くて、まったく期待せずに読みました。ところが、中味は意外に真面目だったのです。これはネーミングが悪いと思いました。世間うけを狙った悪フザケすぎる題名ではないかと思います。せっかくの真面目な内容がタイトルで減殺されています。
 学校に行かないから学歴はない。転職を重ねるから、華麗なキャリアもバックもない。倒産もする。そんな人たちがはいあがっていくのです。もちろん、同じことをやれば誰でもうまくいくというものではないでしょう。でも、経営コンサルタントの立派な講演を聞いて感動しても、本当に実行するのは100人のうちせいぜい3人しかいないという話が出てきます。なるほど、そうなんだろうな、と思いました。天職発見の人生マニュアルというサブタイトルの方が、この本の本質をよく表現していると思いました。

中国人連続強盗団

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著者:織川隆、出版社:講談社
 2002年10月31日、柳川の市会議員宅が強盗に襲われました。金融業も営み、資産家として名高い人物です。現金1300万円の入った金庫などが持ち去られました。「カネ、カネ、キンコ」という犯人は言葉づかいから中国人による強盗団とみられていました。この本は、その主犯が日本人であり、いまも捕まらずに中国に潜伏中だということで、ジャーナリストが中国まで面会に出かけた様子を描いています。「30件の犯行で被害総額10億円」とオビに書かれています。強盗ビジネスの実態の一端が紹介されているので関心をもって読みましたが、内容の点は掘り下げが足らず、正直言って不満が残りました。
 強盗に入ったら冷蔵庫をみる。そこに何が入っているかで、家の金銭状況が分かる。ローンの支払いに追われている家は、貧相だ。冷蔵庫が高級ハムなどの良い品で満タンになっている家が裕福だ。
 被害者となった柳川市議が資産家であることは私も知っていましたが、なぜ中国人強盗団が知っていたのか疑問でした。この本を読んで、その謎が解けました。日本の暴力団(みたいな連中)が紹介していたのです。紹介料はなんと40%(成功報酬です)というのです。ええっ、と驚いてしまいました。
 ジャーナリストは中国へ出かける前に会社の顧問弁護士に取材にあたって注意すべき点を尋ねています。いったい、こういうときに弁護士は何と回答するのか気になりました。
 犯人に会うこと自体には何の問題もない。犯人隠避罪に問われることはないし、警察への通報義務もない。ただ、取材に対して謝礼金を出すと、犯人隠避罪を問われる危険がある。会話の内容はすべてテープに録音し、念のため出頭を促しておくこと。
 こういうものでした。なるほど、そのようにアドバイスするものなのか、大変勉強になりました。ちなみに、5月20日、名古屋のトビ職が犯人の1人として逮捕されました。

カナダ・花と氷河のハイキング紀行

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著者:柳沢純、出版社:千早書房
 カナダへ行ったことはありますが、トロントとナイアガラくらいで、高原地帯を歩いたことはありません。写真たっぷりのガイド・ブックなので、見るだけで、カナダの山々を歩いているような気分になります。
 気をつけなければいけないのは、クマに出会うことが多いということです。クマに出会ったら死んだふりをしたり、あわてて木にのぼってはいけないようです。決して騒がず、静かにクマを見すえながらゆっくり後ずさりして距離をとるのです。こしょうを原料とするベアスプレーも効果があるようです。でも、とっさのときに、本当にやれるものでしょうか・・・?

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