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カナダ、オーロラ紀行

カテゴリー:未分類

著者:吉沢博子、出版社:千早書房
 マイナス40度の世界。ただ寒いというより、痛いほどの寒さだろうと想像する。冬でもぬくぬくとした布団にしか寝れない私には、とても耐えられそうにもない。それでも、妖しげに輝くオーロラを一度は見たい気もする。怖いもの見たさ、の心境だ。
 アザラシの生ま肉を食べる。広場でアザラシが解体される。人々が一斉に群らがって手づかみで肉を食べはじめる。弾力があって、プリプリした肉だ。ちょうど新鮮な馬肉を食べる感覚、という。うーん、美味しそう・・・。
 カナダの極北地帯に3泊したら、オーロラを見れる確率は80%以上。うーん、どうしよう。頭をかかえてしまう。ハムレットの心境だ。行くべきか、行かざるべきか。

やわらかな遺伝子

カテゴリー:未分類

著者:マット・リドレー、出版社:紀伊国屋書店
 オビにこう書かれています。遺伝子は神でも、運命でも、設計図でもなく、時々刻々と環境から情報を引き出し、しなやかに自己改造していく装置だ。
 ヒトゲノムの解読から、ヒトは3万個の遺伝子からできていることが分かりました。たった3万個で人間のすべてが設計できるのか・・・。
  統合失調症患者が名家や頭のいい家系にあらわれることには、昔から多くの人が気づいていた。精神病の傾向がある人々を断種すると、多くの天才も抹消することになる。軽度の障害のある人、統合失調症型人間とも呼ばれる人は、並外れて賢く、自信と集中力があることが多い。ニュートンもカントも、今では統合失調症型とされている。
 教育とは、結局、頭に知識をいっぱいに詰めこむことではなく、生きていくうえで必要な脳の回路を鍛えあげることだ。鍛えあげることで、脳の回路は自在に動く。
 脳がなく、ニューロンが302個しかない線虫のような生物でも社会的経験の恩恵をこうむるのなら、人間の教育では、そうした経験の影響は、はるかに大きなものになるだろう。哺乳類では、幼いころに社会的な経験が豊富だと、その行動に長期的で
不可逆な影響がもたらされる。
 双子の研究では、家庭環境は離婚にまったく影響しないことが明らかになっている。一卵性双生児の片方が離婚すると、もう片方も離婚する割合は45%になる。つまり、離婚する可能性のおよそ半分は遺伝子によってもたらされ、残りは環境によってもたらされるわけだ。
 公平な社会では「生まれ」が強調され、不公平な社会では「育ち」が強調される。つまり、社会が平等になればなるほど、先天的な要因が重要になる。だれもが同じ食料を手に入れられる世界では、背丈や体重の遺伝性が高くなる一方、一部の人が贅沢に暮らし、ほかの人々が飢えているような世界では、体重の遺伝性は低くなる。
 うーん、いろいろ考えさせられます。要は、遺伝子がすべてを決めるというわけではないということです。

ナチスからの回心

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著者:クラウス・レゲヴィー、出版社:現代書館
 事実は小説より奇なり。ええっ、本当なの・・・。驚いてしまいました。ナチスの親衛隊の大尉にまでなった男が、戦後のドイツで左翼的知識人として大学の学長までつとめあげ、85歳になるまで過去を暴かれることがなかったというのです。もちろん、家族があります。妻は、戦後まもなくから過去を隠すことについての共犯でした。3人の子どもたちは、成人してから親の過去を知らされますが、沈黙を守り続けます。すごい家族です。
 しかも、本人は単なる親衛隊の大尉というのではありません。ヒムラーやハイドリヒとも親しく、アウシュヴィッツやヴーヘンヴァルト強制収容所とも深い関わりをもっていたのではないかというほどの人物なのです。
 彼は、終戦時35歳。戦死の届出を出して、別人になりすまして大学に入学します。そのうち、離ればなれになっていた妻と再会し、子どもをさらにもうけるのです。「故人とよく似たイトコ」になりすまし、妻は「再婚」するのです。事情を知っていた人は口をつぐみます。ドイツ中が焼け野が原になっていたので、別人になりすませました。親衛隊の隊員番号を腕に入れ墨していたのは、外科医で取りのぞいてもらいます。腕の反対側にもわざと傷をつけ、銃弾の貫通傷のように見せかけました。
 戦後、ナチスの戦争責任が問われたとき、彼はシンポジストとして、のうとうとナチスを他人事(ひとごと)のように糾弾します。ナチスから迫害されていたユダヤ人の隣りにすわって発言していたのです。ところで、彼が親衛隊に入ったのは偶然ではありませんでした。当時のドイツの経済不況のなか、出世するための早道だったからです。ナチスの側にも知識人を迎えいれてイメージアップをはかる必要がありました。
 それにしても、すごい「知識人」がいたものだと思います。「良心の呵責」という言葉が絵空事としか響かない実話です。

日露戦争スタディーズ

カテゴリー:未分類

著者:小森陽一、出版社:紀伊国屋書店
 日露戦争が始まる前、ロシアは韓国侵略の意図をまったくもたず、むしろ南満州から全面的に撤退してでも日本との戦争は回避したかった。というのは、ヨーロッパ情勢が急速に緊張していたから。ロシア陸軍は対日戦争の準備も研究もしていなかった(大江志乃夫)。ええっー、本当なの、それって・・・。腰を抜かすほどの衝撃を受けました。
 日本は1904年2月8日夜に旅順港外に停泊中のロシア艦隊を攻撃し、翌9日に朝鮮仁川沖でロシア軍艦2隻を攻撃した。日本がロシアに宣戦布告したのは、その翌日の2月10日だった。だから、ロシアは宣戦布告前に攻撃したのは国際法違反だと強く訴えた。しかし、あまり問題にならなかった。当時は大半の戦争が宣戦布告なしに始まっていたし、宣戦布告前の攻撃を違法とする条約はまだなかったからだ(伊香俊哉)。
 真珠湾攻撃前にも日本は奇襲攻撃していたなんて、知りませんでした。
 日本軍が旅順港口閉塞作戦に失敗するなかで「軍神広瀬中佐」報道が華々しかった。しかし、これは、明らかな軍事的失敗を隠蔽しつつ、その一部の行動だけを取り出して英雄的な行動と描き出し、放っておくと単なる「犬死」でしかない戦死を「軍神」として国民全体の士気の高揚を図るという情報操作だった。
 なるほどと思いました。戦争が始まって「朝日新聞」は事業を拡大していき、メディアの欲望のなかで戦争がけしかけられていったのです。ところが、「軍神広瀬中佐」神話に対して、夏目漱石は公然と違和感を表明しました。それは、有名な『吾輩は猫である』にも描かれています。ちっとも知りませんでした・・・!

幻獣ムベンベを追え

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著者:高野秀行、出版社:集英社文庫
 15年前の本を復刻した文庫本です。早稲田大学探検部のいかにもナンセンスなアフリカ探検記でしかありません。でも、なぜか、読み出すととまりません。えーっ、こんなバカなことやるの・・・、と思いつつ、次はどうなるのか、彼らがどういう運命をたどることになるのか、知りたくてたまりません。
 時間がたっぷりあって、好奇心を抑え切れない。そんな若者たちの体臭がムンムンして、ついつい憧れてしまうのです。ああ、私にも、かつては時間の過ぎるのをちっとも気にせず、こんなバカなことをしていた時代があったなー・・・、なんて思ってしまいました。まさに、大学生というか若者の特権です。でも、そんな特権は大切にしてやらなくてはいけない。いま、私はつくづくそう思います。ハーティンワークに追われて、くたびれた大人の発想だけで世の中が動いていったらたまりません・・・。
 ところで幻の怪獣ムベンベはどこにいるのか・・・。コンゴ人民共和国(当時)の奥地テレ湖にいるというのです。では、探検隊は会えたのか。もちろん(?)、会えませんでいた。この本は、怪獣に会えたかどうかではなく、その過程で何が起きたのか、若者たちがそれにどう対処していったのかが面白いのです。
 ワニの肉は美味しい。かむと歯ごたえがあり、飲み込むと鶏肉のささ身そっくり。スープも素晴らしい。ゴリラを地元民は愛好している。もちろん食べるという意味だ。
 そんな体験をした若者たちが、18年たって今何をしているのかも明らかにされています。うち2人はマスコミに入ったそうです。無茶をしなければ若者じゃない、ということを久しぶりに思い出した本でした。

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