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ナポレオン自伝

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著者:アンドレ・マルロー、出版社:朝日新聞社
 軍学とは、まずあらゆる可能性を十分に計算し、ついで正確に、ほとんど数学的に、偶然を考慮に入れることにある。偶然は、したがって凡庸な精神の持ち主にとっては常に謎にとどまる。
 兵力の劣る軍を率いての戦争術は、攻撃地点あるいは攻撃されている地点に、つねに敵よりも大きな戦力を投入することにある。しかし、この術は書物によっても、また慣れによっても会得されるものではない。戦争の才能を急速につくりあげるのは、行動上の機転である。
 フリードリヒ大王も言っているように、戦火のあるところ自由な国家はない。私は権力を愛する。しかし、私が権力を愛するのは、芸術家としてである。私は、音楽家がそのヴァイオリンを愛するように、権力を愛する。
 想像力こそが世界を統治する。想像力によってしか、人間は統治しえない。
 戦争にあっては、あらゆる機会を利用せねばならない。というのは、運命というのは女性だからである。今日それを取り逃がしたら、もう明日ふたたび出会えることを期待してはならない。
 軍人、私は、それ以外の何者でもない。なぜなら、それは私にとって天職だからである。それは私の人生であり、習慣である。これまで、いたるところで私の命令を下してきた。私は、そのように生まれついていたのだ。
 私は富者がいることは望ましいことだとさえ思っている。というのは、それは貧者の生活を保障する唯一の手段だからだ。
 宗教なしに、国家にいかにして秩序を保てることができようか。社会は富の不平等をともなわずには存在しえない。そして、富の不平等は宗教なしには保っていかれない。
 友情などは、単なる言葉にすぎない。私はただのひとりも愛してはいない。私には真の友人がいないということを、私はよく知っている。私の愛人、それは権力だ。私は、その征服に非常に骨折ってきたので、みすみすそれが奪われるのも許せないし、ひとがみだりにそれを欲しがるのさえ耐えられない。
 私の今日あるをつくったのは、それは意志であり、性格であり、精励であり、そして大胆さである。
 ボナパルト家がいつの時代に始まるのかとの問いを発する人への答えは実に簡単である。それはブリュメール18日に始まる。治世の最初の年になかなかの善人だとみられる君主は、2年目には馬鹿にされる。主たる者が人民に抱かしめる愛は、畏敬の念と強い評価の混ざった、男性的な愛でなければならない。国王が善い王だと言われるとき、その治世は失敗している。
 この本はナポレオンの書いた莫大な量の手紙、布告、文書からアンドレ・マルローが選び抜き、ナポレオンが晩年に自らの人生を語ったかのように編集したものです。したがって、今から当時をふり返ったというものではなく、すべて現在進行形のものですから、生き生きとした臨場感があります。ナポレオンその人を知るうえで、彼の肉声を実感できるという意味で貴重なものだと思います。

まちづくりの法と政策パート3

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著者:坂和章平、出版社:日本評論社
 大阪の坂和章平弁護士が四国の愛媛大学で行った三日間の集中講義を本にしたものです。これで3冊目なのですが、その精力的な講義内容には、毎回、ほとほと呆れてしまいます。ただ、学生時代に学生運動をしていたという割には、あまりにも今の「体制」べったりすぎるのが気になります。
 まちづくりにしろ、年金問題にしろ、イラクへの自衛隊派遣や平和憲法を「改正」しようとする動きについて、真正面から批判してほしいと思います。たとえ大学での学生向けの講義であったとしても、押しつけにならない程度に、今の「体制」がやっているあまりにひどいことを批判できたように思います。
 それにしても、都市問題について坂和弁護士がよくよく勉強していることには頭が下がります。映画の話は、ふーんオレもそこそこ見てるわい、なんて読みとばせても、都市再開発法については、そうなんだー、と勉強させられてしまいました。

闘ってこそ自由。勝利して本当の自由

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著者:篠原義仁
 残念なことに自費出版です。読みたい人は私までご連絡ください。格安でおわけします。
 実は、著者の篠原弁護士は、私が弁護士1年生として入った法律事務所の先輩弁護士なのです。たった4年違いでしたが、当時の私からすれば、それは一世代も上の、はるかに偉大な先輩弁護士として映りました。
 口八丁、手八丁という言葉は、まさしく篠原弁護士のためにあるようなものです。舌鋒鋭く、寸鉄、人を刺し貫いてしまいます。攻撃の矢面にたってしまったら、たいていの人は降参せざるをえません。私は、これはとてもかなわないと早々にあきらめてしまいました。すごすぎるのです。
 その篠原弁護士が、自分の35年の弁護士生活をやさしい言葉で語り尽くしています。この本を読んで、私はすごく勉強になりました。弁護士とはこうあらねばならない。久しぶりに原点に立ち返ることができた思いです。
 公害裁判、税金裁判、オンブズマン訴訟、そして労働裁判など、篠原弁護士は現代日本の超一流の弁護士として、今も私が心から尊敬する弁護士です。

バクダット・ブルー

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著者:村田信一、出版社:講談社
 バクダットの表情をとらえた写真集です。やはり、こんな写真を見ないとイラク現地の人々の様子は分かりません。
 イラクでは、ますます混迷が深まっている。戦闘が終わったとブッシュ大統領が宣言した03年5月以降のアメリカ軍の死者が500人をこえ、さらに増えつづけている。イギリス軍や国連・赤十字など、国際機関もすべて攻撃された。想像していた以上の事態だが、イラクという国を見誤り、その文化や宗教や人々の生活を軽視してきた当然の報いだ。
  日本の自衛隊もアメリカに追随してイラクに入った。イラク人が要請した派遣でない以上、占領軍であり、また無駄な血が流されることになるだろう。サダム・フセインは捕らわれたが、大勢に変わりはない。最初に死んだ2人の外交官だけでなく、私たちはみな敵とみなされることになる。自衛隊の犠牲者はもちろん、その自衛隊に殺されるかもしれないイラク人たちの不条理な死に、私たちは思いを馳せることができるだろうか。
 テレビや新聞などの大メディアは、アメリカのメディアの受け売りやアメリカ軍寄りの報道をくり返しているばかりで、イラクという国の実情やイラクの人々の表情は、ますます見えなくなっているような気がする。
 写真もいいけど、キャプション(説明文)もなかなか考えさせられるものでした。

伊勢詣と江戸の旅

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著者:金森敦子、出版社:文春新書
 江戸時代というと、今でも閉ざされた村のなかで自由に往来もできなかった社会だというイメージが強く残っています。でも、とんでもありません。江戸の人々は、町民も百姓(農民とは限りません)も、かなり自由に旅行を楽しんでいたのです。お伊勢参りは、1日だけで23万人の人が押しかけたというのです(1705年)。4ヶ月間で207万人が伊勢まいりをしました。当時の日本全国の人口は2952万人(江戸時代を通じて3000万人と、人口は変わりません)ですから、6人に1人の割合で伊勢まいりをやって来たということになります。
 当時の日本の街道は世界で一番安全だったと言われています。元禄4年(1691年)に長崎から江戸まで旅行した東インド会社のケンペルは街道が旅人であふれていて、子どもたちだけの旅行者までいることに驚いています。
 お金のある人は庶民を含めて旅行で大散財をし、なければないで旅行ができた。そんな世の中でした。江戸時代を暗黒の時代と思うのは間違いなのです。

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