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王の墓と奉仕する人びと

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著者:国立歴史民俗博物館、出版社:山川出版社
 いくつか面白いことを知りました。
 古代エジプトの王は犬をペットとして飼っていて、飼い犬が死んだら犬の名前の石碑をたてたお墓を自分のお墓のそばにつくっていた。
 エジプトでは、死者の心臓と真理の女神マアトとを天秤(はかり)にかけるが、心臓が重いか軽いかは問題ではなかった。真理とのバランスがとれるかどうかが重要だった。これがつりあってはじめて、生前、不正な行為をしていなかったことが証明される。それによって死者は再生・復活できる。もし、釣り合いがとれていないと怪物に心臓を食べられ、死者は再生・復活できない。
 奈良県明日香村のあたりには、村人が亡くなると、各戸から女性が1人でて、死者を出した家へ泣きに行く習俗がある。韓国や中国で「哭き女」と呼ばれる女性のいることは知っていましたが、日本にも同じような習俗が今もあるとは・・・。驚きました。奈良に渡来人が多かったことの名残でしょうか・・・。
 卑弥呼について、当時の中国は当初、まさか女性だとは知らなかったのではないかと指摘されています。だから、中国からの使節を卑弥呼に会わせなかったというのです。
 古代には女性天皇が何人もいますが、そのころは男も女も同じ衣服を着ていた。ところが、820年に男性天皇だけが中国ナイズされた衣服を着るようになった。このようにも指摘されています。うーん、そうだったのか・・・。

虫を食べる文化誌

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著者:梅谷献二、出版社:創森社
 オオツチグモを食べるカンボジアの少女の写真があります。うえっー、という感じです。でも、日本人も昔から虫を食べてきました。長野の弁護士からザザムシの缶詰をプレゼントされたことがあります。川虫をつくだ煮にしたものです。美味しいものではありませんが、まずいとも思いませんでした。イナゴのつくだ煮も食べたことがあります。ハチノコは美味しいと思いました。なにしろミツバチなのですから・・・。
 アリを食べるのはアリクイもいますし、分かります。でも、ゴキブリを食べるとは・・・。だけど、ゴキブリはシロアリと祖先を共有するそうです。イギリスでも、中国でもタイでも食べていた(いる)というのです。そして、イギリスには、ゴキブリを家の守護神として大切に扱い、引っ越しのときには何匹か連れていく地方もあるそうです。本当でしょうか・・・?
 ロシアでは養鶏場で生じる大量の排泄物でイエバエを増殖し、それをニワトリのエサに還元する一連のプラントを完成したそうです。ここまでくると、なるほどと思います。
 小さい虫では、針の穴を抜けられるほど小さいのに、ちゃんと飛ぶことができるのがいます。アザミウマタマゴバチといいます。虫の世界は奥が深いのです。

塔と仏堂の旅

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著者:山岸常人、出版社:朝日新聞社
 瀬高の清水寺には立派な五重の塔があります。奈良の法隆寺の五重塔は8世紀にたてられたものですが、心柱(しんばしら)は地面から塔の頂上まで1本で突き抜けています。ところが、12世紀に建てられた京都府加茂町の浄瑠璃寺の三重塔は1階部分には心柱がありません。
 この本には、塔内部の構造が写真とともに図解されていますので、素人なりによく分かります。よくぞ複雑な構造物をコンピューターもない時代に建てたものだと感服します。
 10世紀に建てられた京都・山科の醍醐寺の五重塔もまことに優美な姿です。安定した荘重なプロポーションだと紹介されていますが、まったくそのとおりです。見ているだけで、心がなごみ、うたれます。
 16世紀に建てられた奈良の根来寺大塔(多宝塔)は、四角い建物のなかに円筒形の建物がはさまれた感じです。はじめて、こんな形の塔があるのを見ました。100年ほどもかけてつくられたというので、私は二度びっくりしてしまいました。日本の建築は、時間をかけてつくるのが本来の姿だったというのです。うーん、そうなのか・・・。そう言えば、知人がたてた1億円の豪邸を見学しに行ったことがあります。そこは一人の大工さんが1年半ほどかけ、材料選びからじっくりコツコツとつくりあげていったという説明でした。そうなんですねー・・・。
 会津若松市にあるさざえ堂という建物の奇抜さにも驚かされました。内部に螺旋状の階段があって、上りながら2周すると最上階に至るというのです。
 堂塔の構造が部品の名称とともに解説されています。いろんな工夫がなされていることがよく分かります。京都や奈良をゆっくり散策してみたくなりました。ご一緒にいかがですか・・・。

難民キャンプの子どもたち

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著者:田沼武能、出版社:岩波新書
 ベイルートのパレスチナ難民キャンプの子どもたちは手製の銃を持って兵隊ごっこをしています。一番のリーダーは本物の銃を持っています。ですから、兵隊ごっこは、やがて本物の兵隊の訓練に化けるのかもしれないのです。
 サラエボの難民施設の子どもは、心のケアのために画用紙に絵を描かせると、黒く塗りつぶし、自分の顔にまで黒い絵の具をつけました。あまりに恐ろしい体験をすると、描く絵も暗いものになるのです。
 エチオピアの難民キャンプは飢えのため、文字どおり骨皮筋衛門となった少女、そして人体模型のように肋骨が透けて見える少年がいます。1日20人の子どもたちが死んでいきました。
 ザイールの難民キャンプではあまりにも大量の難民が出たので、両親とはぐれた子どもたちが続出し、写真をとって親を見つけ出す作業がすすめられていました。
 13歳で少年兵にさせられたリベリアの男の子はゲリラから両腕をナタで切り落とされて道端に放置されているところを国連職員が通りかかって救出しました。でも、両親がなくて、アフリカでどうやって生きていくのでしょうか・・・。
 子どもたちが著者にいま一番ほしいものとして白い紙に書いたのはPEACE ONEでした。ぼくたちは、平和がいちばん、なのだということです。ホント、そう思います。
 世界中の難民キャンプが紹介されています。カラー写真だし、子どもの笑顔もいくらかはありますので、辛い状況を子どもたちがなんとか乗りこえようとしていることを知って、チョッピリ心が救われます。

「かあさん、おかたをたたきましょ」

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著者:國房 魁、出版社:新日本出版社
 歌いたくなる写真集の第2弾です。子どもたちの生き生きと輝く笑顔に、つい吸いこまれそうになってしまう、そんな素敵な写真集です。2500円という値段ですが、心身のリフレッシュ剤になりますから、決して高くはありません。ぜひ、買って頁をめくって、子どものころを思い出してみて下さい。
 第1集は「ドンと鳴った花火だ」でした(出版社は同じ)。どうしたらこんなに生命に光り輝く子どもたちの笑顔が撮れるのか、素人カメラマンを志す私には不思議でならない写真が満載でした。
 桜の木の下をランドセルを背負った子どもたちが一列になってにぎやかに通学しています。先頭はちょっとおませなお姉ちゃん。続くは、ひょうきん族のお兄ちゃん。みんな、ランドセルからって学校に行くのが嬉しくてたまらない。そんな気持ちがストレートに伝わってきます。
 秋の夕暮れどきです。日が沈むまで、まだ少し間があります。刈り入れの終わった田んぼで女の子たち5人組が遊び終わって、これから家に帰るところです。前の子の肩に両手をかけて汽車汽車シュッポシュッポと駆け出しました。健康ではち切れそうな笑顔を田んぼにふりまいて、一列になって走っていきます。
 春の小川で、男の子たちが網をもって底をすくいます。どじょっこ取ったぞ。男の子の弾ける笑い声が聞こえてきそうです。野球帽のツバをうしろにまわした、ヤンチャ盛りの男たちが素足になって遊んでいます。
 村の夏祭りに出かけるハッピ姿の三姉妹がいます。頭にキリリとはち巻きを締めているのが、いかにも粋です。でも夏は、やっぱりスイカ。井戸でよく冷やした赤いスイカを庭にゴザを敷いてガブリとかぶりつき、タネを口の中からペッペッと上手に吐き出します。ゆでたトウモロコシなら、かぶりついて、きれいに食べ尽くします。
 童謡の歌詞と見事に溶けあった写真集です。どうぞ、あなたも手にとって童心ワールドへ・・・。

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