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奪還

カテゴリー:朝鮮・韓国

蓮池透×本そういち 双葉社
週間アクションに連載していた漫画なんですが、
大変読み応えのあるドキュメンタリーになっています。
監修は、北朝鮮の拉致被害者蓮池さんのお兄さん。
『奪還総集編』として第11話まで掲載した増刊号も
販売されました。単行本も出ています。
単なる奇麗事に終わらない、報道されなかった
拉致被害者本人と家族との確執や日本政府の
不十分な対応を政治家から全て実名で記載されて
います。報道は編集されてるんですね、未だに。
 漫画アクションは、女子高生コンクリート殺人
事件をモチーフにした『17歳』という漫画も並行
して当時連載してまして(こちらも原作者は
藤井誠二という上記事件を徹底取材した
ノンフィクションライターです)、とても『クレヨン
しんちゃん』をかつて連載していた漫画雑誌とは
思われない有り様なので(何せキャッチ
コピーが「タブーを斬れ!」ですから)、今度いつ
休刊になるか分からないのですが、増刊号として
販売された『奪還総集編』だけでも読んでほしいと
思います。
ほんのクツワムシ

借りまくる人々

カテゴリー:アメリカ

著者:ジェイムズ・D・スカーロック、出版社:朝日新聞社
 アメリカのクレジット依存症社会の実情を紹介した本です。
 かつてのアメリカでは、黒人や移民といったマイノリティが質素に倹約をして生活しているコミュニティが存在し、倹約と勤勉によって強い絆で結ばれた中産階級の地域ネットワークを作りあげていた。ところが、この地域コミュニティやネットワークは、「お手軽な」クレジットが怒濤のように流れこんできたために、わずか数年で崩壊してしまった。それほど豊かでない地域では銀行に代わって、小切手換金所や質屋といった消費者金融と小口の高利貸しが軒を連ねている。
 借金の文化の基本は恐怖の文化である。秘密にせず堂々とさえしていれば恐怖を感じないですむなどとは、現実を知らない単純な考え方である。
 取り立て業は消費者の愚かさを利用する。回収代行業界には100万人もの業者がいる。その数は10年間で2倍に増えた。この業界の転職率は非常に高い。月末にノルマを達成できない場合は即座に解雇される。クレジット会社が年に何度も取り立て業者を代えるのもまれでない。
 最近のテクノロジーは革新的で、債務者が電話に出ると、回収代行業者の手元のスクリーンには、債務者のクレジットの明細が自動的に表示される。これによって業者が債務者の困窮状態を知ることができるし、また債務の完済に利用できる別のクレジットカードも画面に示される。回収業者がまず探すのは、限度額に達していないクレジットカードで、まだ残高があれば、それで借金を支払ってもらうことができる。大部分の人は急病や失業などの不測の事態にそなえて、この残高には手をつけないようにしている。それを回収業者から隠しおおせるものではなく、確実に取り立てられてしまう。回収業はどうやっても債務者を追いつめ、支払わせる。
 取り立て業で成功するには、相手をいかにたくみにだますかにかかっている。電話の相手に対して返済の義務があると思わせることである。経験のある回収代行業者なら、相手に返済の倫理的義務を追及しているものと思いこませることができる。回収代行業者は、自分が実際の債権者であるかのように振る舞う経験を積んでいる。取り立て屋の手取りは回収分の20〜50%だ。
 秘訣は、相手をどこまで追いつめられるかだ。甲板の端まで追いつめれば、彼らは恐怖からパニックに陥る。そこで引き戻してやれば、欲しいものは何でも手に入る。狙いは債務者がひた隠しにしておいた貯え、つまり緊急時に備えて貯えておいた資金である。
 アメリカの連邦破産法の改正は、債務から解放されたいとする人に、一律に資産調査を義務づけている。これによって申請者の半分以上が排除される。また、破産を検討している者は、申立前の6ヶ月間は自費でクレジットの相談を受けなければならなくなった。
 破産は基本的には中産階級のためのセーフティネットのはずだった。
 アメリカ人の2000万人から4000万人が銀行口座を持っていない。
 アメリカでは年間150万人もの中産階級が破産申立をしていました。それを止めようとするのが今回の連邦破産法の改正です。そんなに政府の狙いどおりうまくいくものか、しばらく様子を見守りたいと思います。

こんな僕でも社長になれた

カテゴリー:社会

著者:家入一真、出版社:ワニブックス
 レンタルサーバーという商売があるそうです。50万人が利用して、年商13億円。
 若い女性が自分のホームページをつくるとき、可愛いサブドメインを何種類も用意して選べるようにした。レンタル料はなんと月250円。3000円の初期設定料も女性に限って半額の1500円。うーん、これはなんだか安そうです。
 でも、同業者からねたまれて、2ちゃんねるに中傷が書きこまれたり、そんな苦労もありました。
 それでも、個人のホームページに広告をのせてもらい、そこから新規客がふえたら一回2円のほか50%の報酬を支払うシステムによって、飛躍的に利用者は増えていった。
 なーるほど、ちょっとした工夫で販路が広がったのですね。
 この29歳の社長は実は福岡出身。中学校のときに登校拒否。そして高校は中退。3年間、自宅にひきこもっていました。だけど、ついに大検に受かって、あの東京芸大をめざして新聞配達を続ける。そして、ネットで知りあった女子高生と結婚。
 一気に読ませた本でした。ちなみに、270頁のこの本を私が読むのに要した時間は1時間ほどです。通勤電車の1時間で読み上げました。途中の駅のアナウンスはまったく耳に入らないほど集中して読みます。いわば至福のひとときです。
 子どものころの貧乏生活を生き生きと再現した描写には心あたたまるものがあります。両親から惜しみない愛情をそそいでもらったことが、著者の生きていく強いバネになったような気がします。とても素直な文章で、ストンと胸に落ちます。私はなかなかの筆力だと感心しました。
 前に紹介しました宮本延春先生の「オール1の落ちこぼれ、教師になる」とか、上條さなえ「10歳の放浪記」を読んだときの感動を思い出しました。元気の出る本としておすすめします。

ナイトフォール

カテゴリー:アメリカ

著者:ネルソン・デミル、出版社:講談社文庫
 ニューヨークのJFK空港を飛びたった民間飛行機がミサイルによって撃墜される。テロリストの仕業か。しかし、そうではないらしい。では、一体誰がした・・・。
 飛行機が墜落していく情景をたまたまビデオ撮影していたカップルがいた。しかし、それは不倫のカップルだったため、名乗り出ることができない。でも、そこをなんとか突きとめないと真相に迫ることができない。ところが、真相究明しようとする一線の捜査官に対してFBI上層部から、なぜか圧力がかかる。一体どうなってるんだ、この国(アメリカ)は・・・。
 上下2巻の文庫本ですが、上巻の出しを読んでしまったら、いったいこのジレンマを乗りこえて、どうやって解決にたどり着くのか。その謎ときはどうなるのか。ついつい最後まで引きずりこまれてしまいます。実は、1996年7月17日に実際に起きたTWA800便墜落事故で乗客、乗員230人が犠牲になった話が、ついにはあの2001年9月11日のWTC崩落事故に行き着いてしまうのです。著者の構想力のすごさに、思わず、うーんと唸ってしまいました。
 暗転する大国アメリカの闇を描く大傑作小説というオビの文句も、あながちウソではありません。
 5月の半ばとなり、雨が降ったあと、蛙の鳴き声を聞きました。下の田圃もそろそろ田植えの準備が始まります。田圃に水をはると、蛙たちが一斉の鳴きはじめます。求愛の歌だそうですので、やかましいけれど我慢するしかありません。わが家の門柱のくぼみに小さなミドリ蛙が棲みついています。インターフォンを押す横にいて、顔だけのぞかせています。まるでわが家の守り蛙みたいです。

タヌキのひとり

カテゴリー:生物

著者:竹田津 実、出版社:新潮社
 面白く、やがて悲しき物語です。森の獣医さんの診療所便りというサブ・タイトルがついています。すさまじいまでの苦労話を読むと、野生動物とつきあうのがいかに大変なことか、ノミに喰われたかゆみ・痛さとともに伝わってきます。でも、写真だけを眺めていると、カッワユーイと、つい叫んでしまいそうです。
 森に帰らなかった一人っ子タヌキの「ひとり」。子どもを連れて里帰りしたキタキツネの娘、集団入院したモモンガ、溺れたカモ・・・。いろんな森の動物たちが登場します。
 今日も森の診療所は大忙し!
 これはオビの文句です。しかも、まだまだ登場するんです。ノネズミは愛娘の布団のなかで圧死してしまいました。キツツキは朝5時なると診療所の窓ガラスを叩きます。エサくれ、とねだっているのです。野ネコ(野良猫とは違います)は、キタキツネとナワバリをめぐって熾烈な戦いをくり広げます。
 獣医師は、助けた患者から感謝されることのない職業。それどころか、助けた患者からありがたいお礼参りで、何度も痛い目にあわされる。ひゃあーっ、損な役回りなんですね。でも、それを承知でこの仕事を続けているのですから、ホント、偉いものです。森の中にリハビリセンター小屋まで建てたというわけで、すごいすごい。
 モモンガは空を飛ぶ。でもその前に、人間はモモンガのノミにやられてしまう。痒さとしつこさはたまらない。読むだけで背筋がゾクゾクしてきました。お風呂に入ると、身体のビミョーな部分ほどたまらなくかきむしってしまうというのですから、おっとっと、近寄りたくありません。それでも、飛べないモモンガをリンゴでつって飛行訓練させているところの写真なんか、つい痒みを忘れて私もしてみたくなります。
 カモのヒナが水に溺れて、本当に死んでしまった。実はカモは水に浮かない。浮くには条件がある。カモのヒナが水に浮くのは、ひとつは体を覆う綿毛といわれる羽毛が静電気を帯びていること、もうひとつは羽毛に油脂がぬられていて、それが水をはじき、結果として水面に浮く。さらに、カモのヒナは親鳥の翼の中に出入りをくり返す。このふれあい、こすりあいの摩擦によって静電気が生じる。では、親鳥がいなかったらどうするか。絹製の風呂敷のなかにカモのヒナを入れて、上下・左右にふりまわす。油脂を体中にぬりこむ作業のほうは、お手本もなく大変だった。それでも、ちゃんと空を飛べるようになって仲間と一緒に渡り鳥になっていくのです。
 うーん、素晴らしい写真ばかりで、たんのうしました。

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