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パンダの育児日記

カテゴリー:生物

著者:中国パンダ保護研究センター、出版社:二見書房
 子どもパンダが、あっちゴロゴロこっちゴロゴロ。ウヒャー、可愛い。パンダって、こんなに愛らしかったんだー・・・。パンダ好きのあなたに必見の写真集です。安い値段(1400円)で、至福のひとときをあなたは手にすることができます。まさに、パンダは地球自然の至宝の一つです。
 パンダの初乳は緑色。免疫力があって、栄養もたっぷり。初日から4日間は黄緑色で、5〜9日間は薄い緑色。10〜11日にクリーム色となり、12日から乳白色となる。それでも笹を食べるから緑色になるということでもない。これもパンダの神秘の一つ。
 一時期、中国のパンダは1000頭にまで減ってしまったけど、今は1600頭に回復した。それでも絶滅の危機にある。
 パンダの飼育は試行錯誤を経て、今では、なんと100%の成功率。しかも2005年には16匹のパンダの赤ちゃんが誕生して、全部、無事に育っている。ワー、良かったー・・・。2007年には、さらに17匹の赤ちゃんが誕生。飼育員にだっこされて勢ぞろいしている姿の可愛らしいことったら、ありません。パンダ幼稚園があり、盛大な入園式まであるんです。すごいですね。現地に行って本物を見てみたいですね。
 ところで、日本書紀には、唐の女帝・則天武后が685年に生きた雌雄の白熊(ペアのパンダ)を日本の天武天皇に贈呈したと書いてあるそうです。ちっとも知りませんでした。本当でしょうか。
 ちなみに、今、日本では、和歌山のアドベンチャーワールドにパンダが8頭もいるそうです。ぜひ見に行かなくっちゃ。あと、上野動物園に1頭、神戸の王子動物園に2頭。合計11頭のパンダが日本にいる。
 パンダの妊娠期間は平均5ヶ月。出産は夏の7月から9月にかけて。生まれた赤ちゃんは100〜200グラム。肌は全身ピンク色で、白い体毛におおわれている。口を開けて鳴き声は大きいが、臭覚もなく、目も見えない。
 1ヶ月たつと白黒の模様がはっきりしてくる。2ヶ月たって、やっと目が見えるようになる。前足で上半身を支えることができるようになり、遊びはじめる。
 パンダは人間の子と同じように、とても繊細な感情をもっている。人によくなついてじゃれるし、すきを狙って報復したりする。
 細やかな感情を表すように、パンダの鳴き声は11種類もある。羊の声、鳥の声、犬の声、牛の声、泣き声、叫び声、呻き声、舌打ち、呼吸の音、鼻を鳴らす音そして吠え声。
 パンダは大人になるまで木登りが大好き。幹に抱きついて、枝を上手にお尻にはさんで、じっとしている。お昼寝タイム・・・。
 ひゃー、えかった、えかった。かわゆーい、パンダのオンパレード。たんのう、たんのう。

不都合な真実

カテゴリー:アメリカ

著者:アル・ゴア、出版社:ランダムハウス講談社
 地球環境は人間が悪化させていることを視覚的に訴えた写真集のような本です。アル・ゴアはクリントンが大統領のときの副大統領で、現ブッシュ大統領と接戦の末、当選できなかった人物です。アメリカの団塊世代の一人でもあります。
 映画も公開されましたが、私は見ていません。世界的に評判になったあと、アメリカでは、ゴアも自宅ではエネルギーの無駄づかいをしていると問題にしたグループがいました。事実かもしれませんが、アル・ゴアが告発している資源の乱費、そして地球環境の悪化は事実だと思います。みんながライフスタイルを見直すべきだというのは、まさにそのとおりです。
 ただ、アル・ゴアはアメリカ保守層のチャンピオンとしての限界があるせいなのか、マックなどのファースト・フードそして世界的大企業が環境悪化を加速させている促進要因であることを問題にしていないのが残念です。
 地球の温暖化の例証として、写真がいくつも紹介されています。キリマンジャロの山頂に山岳氷河がなくなってしまった。スイス・アルプス、アラスカなどの氷河がすっかり消えたり、大きく後退している写真には息を呑みます。
 巨大ハリケーンが次々に発生してアメリカを襲った。
 地球全体の降水量は20世紀に20%増加した。しかし、逆にアフリカのサハラ砂漠などでは降水量がひどく減っている。
 温暖化のため、北極も南極も氷が減っている。
 南極の皇帝ペンギンを描いたドキュメンタリー映画「皇帝ペンギン」は実に感動的でしたが、実はこの50年間に70%も減ったという。恐ろしい。
 地球を夜、衛星からとった写真が紹介されています。日本は夜でも明るい。もちろん、北アメリカも明るい。ところが、アフリカや南アメリカなどでは、火が燃えて赤くなっている。森林の破壊がすすんでいることを意味している。
 アメリカは京都議定書を今なお批准していない。先進国ではアメリカとオーストラリアのみ。アメリカの我がまま勝手は許せませんよね。
 庭に植えているタラの木の芽を初めて食べました。昨年は、芽がぐんぐん伸びているのを、あれよあれよと見守っていて食べ損ないました。タラの芽を天プラにして食べたのですが、柔らかくてとても美味でした。少しばかりえぐみも感じましたが、それがかえって春を感じさせてくれました。アスパラガスもついでに天プラで食べてみました。わが家の庭のチューリップは相変わらず毎朝、目を楽しませてくれます。2週間はたっぷり楽しめます。

その記者会見、間違ってます

カテゴリー:司法

著者:中島 茂、出版社:日本経済新聞出版社
 記者会見のすすめ方を具体的に手ほどきする実践的な本です。経営者や税務担当そして弁護士も読んで役に立つ内容になっています。
 危機管理広報において世間に仕えるべきポイントは三つ。謝罪と原因究明と再発防止。このなかで原因究明がもっとも大切。
 危機管理広報で最大の注意を要するのが、ウソをつかないこと。
 間違った報道をされたときには、間違った記事を書いた記者に対してきちんとした説明を尽くすこと。
 取材には極力応じること。記者も人の子、広報担当者が汗だくで必死に説明している姿には心打たれる。どのような状況でも、人間の誠実さは伝わるもの。
 訴訟が起こされたとき、訴えられた会社が「訴状をまだ見ていないのでコメントできない」というのはよくない。「訴状はまだ受けとっていないが、法に従って管理してきたものと考えており、そうした点をご理解いただくために誠実にお話し合いを続けてまいりました。それだけに今回の提訴に至ったことは残念です。今後は、以上のような当社の立場を法廷で主張してまいりたいと考えています」こんなコメントが望ましい。
 うむむ、なるほど、このようにしたらいいんですね・・・。
 記者会見には企業のトップが出るのが原則。弁護士は記者会見に同席すべきではない。早くも法的責任が問題になっているように誤解される恐れがある。
 記者会見の前にはリハーサルをする。練習に勝る不安解消策はない。想定問答集をつくる。記者が一番ききたいのは何かを考えて問いをつくること。
 記者会見の場所はゆったりと余裕のあるスペースとする。狭いところでは、緊迫した精神状態になりやすい。会場には記者と別の出入り口をもうけておく。
 答弁するとき、メモは最小限とし、Q&A、想定問答集がカメラでとられないようにする。説明するテーブルにはテーブルクロスをかけて足元は隠す。
 記者会見では見てくれが成否を決める。入場する前に身だしなみをチェックしておくこと。ダーク・スーツ、落ち着いた柄のネクタイ、スーツのボタンはかけておく。高級腕時計はしない。
 記者会見の模様は会社もVTRでとっておく。記者団を軽く見てはいけない。
 謝罪するときは、お辞儀した姿勢で5秒間は静止する。会見場に3人で出るときには、一斉に頭を下げる。101、102、103、104、105と100をつけて心の中で数えると、5秒間になる。お辞儀の最後で笑わない。最後まで緊張感をもつ。
 複数の会見者がいるときには、質疑のなかで、絶対にお互いの顔を見合わせない。万一、確認したいことがあっても、堂々と正面を向いたままいう。
 机の上でいろいろ手を動かさない。低い声でゆっくり話す。会見者は、どんな窮地に立たされても、いやな質問を出されても、誠実な話し方を崩してはいけない。自分たちの都合で、記者会見を途中で打ち切ってはいけない。
 私も弁護士会の責任ある立場にいたとき、記者クラブに一人で出かけて謝罪のための記者会見をしたことがあります。日頃、顔なじみの記者もいましたが、うって変わって厳しい質問が相次ぎました。私なりに精一杯こたえるようにしましたが、詳しい事情が私には分からないことも多く、そういうときには、すみません、その点は分かりませんとはっきり言いました。なかなか記者は解放してくれませんでしたが、私のほうから席を立つことだけはしまいと思い、幹事社の記者が終わりましたと言ってくれるまで、じっとカメラのライトに照らされて坐っていました。2回とも一人で45分も集中砲火をあび、終わったときにはさすがにぐったり疲れました。

ネパール王制解体

カテゴリー:アジア

著者:小倉清子、出版社:NHKブックス
 本場の中国では、今や毛沢東を崇拝している人なんていません。昔は日本にもいましたが、今では聞きませんよね。ところが、ネパールでは、今も毛沢東主義を信奉し、武装革命を目ざす人々がいて、全土の8割以上を実効支配しているのです。なぜ、でしょうか。
 最新のニュースによると、毛沢東派も内閣に入って大臣を送り出したとのことです。内戦状態が終結すればいいですね。
 国王とマオイスト。世界のほとんどの国で既に過去の産物とみなされている二つの勢力が、ネパールでは21世紀に入って国家の土台を揺るがす存在にまで力をもっている。
 マオイストは、2006年3月の時点で、1万5000人をこす兵力をもつ人民解放軍と、さらに、ほぼ同じ規模の人民義勇軍をかかえ、国家の土台を揺るがすほどの勢力に成長している。
 ネパールには、右から左まで、さまざまな共産主義が存在する。国王の側近となり、王室評議会の会長にまでなった王室コミュニストさえいる。
 1949年にインドのカルカッタ(コルカタ)で創設されたネパール共産党は、何度も分裂・合併をくり返し、大小の政党を生み出した。1990年の民主化後に制定された新憲法でもヒンドゥー教を国教とし、国民の8割がヒンドゥー教徒だと言われながらも、宗教を認めない共産党がネパール政治に重要な役割を果たしてきたのは興味深いこと。
 ネパール共産党・毛沢東主義派ことマオイストが1996年2月に人民戦争を開始した当時、この小さな政党が8年足らずのうちに国土の8割を支配するほどの勢力になろうとは、誰も予測していなかった。
 2001年6月1日。ネパールの歴史を変えたナラヤンヒティ王宮事件が起きた。ネパールの第10代国王ビレンドラ一家五人全員をふくむ王族10人が殺害された。「犯人」の皇太子も2日後に死亡した。
 与党のネパール会議派も最大野党のネパール統一共産党も、真実を公にしない王室に抗議せず、逆に真相を求めて街頭行動する市民を抑えようとした。そんななかで、陰謀説を主張して国民の真情をひきつけたのがマオイストだった。
 王室ネパール軍がマオイスト掃討をはじめた結果、二つの勢力の全面対決が決定的となった。その結果、犠牲者が急増し、2006年はじめまでに1万3000人をこえる死者を出し、何十万人にも及ぶ人が村に住めず、国内難民となり、またインドへ脱出していった。
 マオイスト武装勢力のメンバーでは、女性が3割を占め、最低位カーストのダリットやマガル族などの割合が高い。マオイストは、国のため、あるいは党のための犠牲を最上のこととして教えられる。そのため、しっかりした思想があれば、死ぬのも怖くはない、と考えている。
 ネパールの山岳地帯に住む人々の多くは、モンゴル系民族だ。そのひとつマガル族は、全人口の7%を占める。民族の問題はマオイストが自分の体内にかかえる爆弾でもある。マオイストの党首プラチャンダもトップ・イデオローグのバッタライも、インド・アーリア系の最高位カーストであるバフンの出身。党幹部の構成をみると、今も高位カーストのバフンやチエトリの男性が大半を占めている。その点では、他の政党と変わりがない。
 ネパールの王室は陰謀を包みこんだ風呂敷。ネパールが統一されてから、1846年にラナ家による独裁政治が始まるまで、首相として国王に仕えた人物で自然死した人は一人もいない。
 1962年に始まったパンチャーヤト制度では、王室がコミュニストの増殖を促した。それは何としてもネパール会議派をつぶしたい王室の意図が背後にあった。
 日本はネパールの主要な援助国になっています。そのネパールの実情の一端を知ることのできる貴重な本だと思いました。
 著者は今年50歳になる東大農学部出身のジャーナリストです。日本女性はネパールでもがんばっているのですね。

プロ弁護士の思考術

カテゴリー:司法

著者:矢部正秋、出版社:PHP新書
 一度もお会いしたことはありませんが、国際弁護士として活躍中の著者の本は、いつも大変学ばされる内容であり、感服しています。
 考えることは戦いである。自主独立の気概があれば、難問も必ず解決できる。自分で考えるためには、どんな場合でも、まず事実を確認し、根拠を吟味することが大切である。
 ときに近くを見て、ときに遠くを見る考える遠近法こそが、自由自在に考えるために必要である。うーん、なかなか鋭い指摘ですよね。
 すべての契約には個性がある。契約は一回的である。依頼者の立場、売主か買主か、貸主か借主か、ライセンサーかライセンシーかなどを考慮し、依頼者に有利なように契約をつくりあげるのが弁護士の役目。契約は、しばしば書類のたたかいと言われる。
 インターネットでサンプル契約を集め、適当に取捨選択して契約をつくる若手弁護士が多い。これでは自分の考えがない。検索上手だが、考え下手の弁護士が増えている。ビジネスとオフビジネスのメリハリをつけた生活をすると、仕事のストレス感は減るし、簡単に気分転換ができるようになる。何よりも、オフ・ビジネスの楽しみがあると、仕事中も忙しいと感ずることが少なくなる。
 ビジネスの世界は利害打算を基本とする。いわば灰色一色のモノ・トーンの空間である。一日中、仕事に密着していては、伸びきったゴムのようにもろくなり、切れてしまう。
 弁護士の重要な資質のトップとして、オプションの提案力があげられる。オプションの有無は仕事の品質に決定的影響を与える。日本の弁護士は伝統的に一つの正解を依頼者に提示してきた。しかし、外国の依頼者は、そのような考えを嫌う。弁護士は最低三つのオプションを提示すべきだ。弁護士はあくまで選択肢を提供し、経営者はその是非を検討して方針を決める。
 オプションが多いほどビジネス交渉では強い立場に立つことができる。選択の自由があるとき、人は最大の自由を得ることができる。自由はオプションの中にしか存在しない。オプションは自由を意味する。うむむ、これにはまいりました。私も伝統的なやり方でやってきました。考え直さなければいけないようです。
 常識的なオプションだけでは、ほとんど役に立たない。必ず極論も考えることが必要。極論は、大胆な発想をするための突破口となる。極論を考えるのは、現実から一歩身を引き、現実を冷静に観察するよい方法である。極論を考えられないというのは、権威や権力に迎合し、伝統・因習・常識に毒されているからだ。これらは、思考を暗黙のうちに束縛している。
 多くのものにあたって失敗し、その中からよいものを見つける。試して失敗したときは、失敗の原因を考え、あとに役立てる。日々の生活のなかで小さな実験と小さな失敗をくり返し、成功への法則性を見いだす。失敗から学ぶ習慣を身につけると、失敗を恐れなくなるという大きな副産物を得ることができる。
 法律家は、新人から中堅、ベテランになるにしたがって、権威や常識に対して健全な懐疑心をもつようになる。権威や常識を疑うかどうかが、法律家の成熟度を示す目安だ。疑うときに疑わず、疑うべきときに疑うのが若手に共通する欠点だ。
 天の邪鬼は小うるさく扱いにくいが、みずからの目で時代を分析する創造性と可能性をはらんでいる。異質の意見こそ社会にとって貴重だ。
 そうなんですよね。まあ、私自身も天の邪鬼だと周囲からは思われているのでしょうね。テレビは見ないし、ゴルフもカラオケもしないし、芸能界ともスポーツ界とも、とんと無縁の生活を送っていますからね。でも、本人は、いたってまともな人間のつもりなんですが・・・。
 上申書とは、上級の官庁や上役に意見を申し述べること。弁護士と裁判官は上下関係にないから、おかしなタイトルだ。私も、ずいぶん前から上申書というタイトルはつけないようにしています。
 まじめな弁護士は紛争の解決がたいてい下手。法律家は、美徳の中に悪徳を見い出し、悪徳の中にも美徳を見い出す複眼が必要だ。
 ふむふむ。なーるほど。大いに勉強になりました。

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