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アメリカ福祉改革の悲劇に学べ

カテゴリー:アメリカ

著者 エレン・リース、 出版 耕文社
 アメリカの生活保護は、一人につき最長5年間しか受けられない。そして、日本の知事会が日本でもアメリカと同じような期間制限を求めて運動している。
 ええーっ、なんということでしょう。許せません。ひどい話です。道州制で地方分権と言っている裏で、とんでもないことを要求しているのですね。絶対許してはいけません。怒りに頭がフラフラしてきました。いえ、決して夏の暑さではありませんよ。プンプンプン。
アメリカでは生活保護を受ける人が1970年代から1980年代末までは1000万人ほどだった。ところが1990年代に入って増加し、1994年には1416万人(503世帯)まで急増した。そのための支出は209億ドル(3兆円)になる。
 そこで、アメリカ政府はこの支出を削減しようとした。そのため、TANF(貧困家庭一時扶助)は国民の権利というものではなく、あくまで政府が決めた予算の範囲内ですればよいものとされた。
 そのうえ、受給者には就労活動などが義務付けられた。その結果、1416万人だった受給者が、460万人と7割にも減ってしまった。福祉の支給額も310億ドルだったのが284億ドルにまで減った。
 アメリカでは福祉を失うと、ホームレスになる可能性に直結している。
 このようなアメリカにならって、知事会と市長会は2006年10月に有期保護を提案したのです。そこでは、生活保護制度が国民の自助自首の精神と調和しないことも理由にあげられています。
 とんでもない提案です。年金額よりも、生活保護の額が高くなっているので問題だともされています。いえ、年金のほうがあまりに低すぎるのです。いやはや、とんでもない提案がされているものですね。ちっとも知りませんでした。
 知事会の会長って、福岡県知事ですよね。その前に、生活保護制度の充実こそ先にやるべきではありませんか。弱者を切り捨て、力のある強いものにしか目を向けないようでは、地方自治体の役割を果たしたことになりません。情けない知事たちですね。ひきずりおろしてやりたいものです。
 
(2009年7月刊。667円+税)

よく分かる自衛隊問題

カテゴリー:社会

著者 内藤 功 紙谷 敏弘 ほか、 出版 学習の友社
 日本の自衛隊の現状と、そのかかえる矛盾、問題点を、コンパクトにまとめたブックレットです。大変よく分かりました。一読をおすすめします。
 軍事用語は、本質をごまかそうとする動きのなかで、大変分かりにくいものになっている。たとえば、陸海空三自衛隊の統合運用という用語によって、陸海空三自衛隊の幕僚長の格付けが変わり、対外的には「大将」格になった。ええっ、日本の自衛隊に大将なんていたの……、驚きました。
 日本の自衛隊は、いま、「本物の軍隊」を目指している。
①外敵に対して、国家権力の発動としての軍事力(武力)を最高度に行使できる
②軍事行動について、国民や国家・地方機関に協力を義務付けできる
③軍人に関わる事件について、軍刑法、軍事裁判所、憲兵といった軍固有の捜査・司法機関を保有する
 そして、今の自衛隊には、次の4つの特徴がある。
①アメリカの戦略に組み込まれていること
②外征軍(攻撃的戦力)としての性格を強めていること
③国民を敵視し、監視する性格を強めていること
④憲法に違反する存在であること
 日本の自衛隊が、いま任務づけられている作戦行動は、単なる戦闘ゲームではなく、生身の人間がやる殺傷破壊行為である。ところが、肝心の隊員、とくに下級隊員の精神的支柱の脆弱さは、自衛隊内に大きな矛盾を生んでいる。
 現在、自衛隊員にも憲法の基本的人権は保障されている。「諸君のイノチは、この隊長が預かった」とイラク派兵のときに指揮官が訓示した。しかし、生命を捨ててまで、という気にならない隊員が少なくない。
 2008年4月、陸海空にあった保全隊を全部まとめて、情報保全隊本部をつくった。隊員と家族の思想調査を担当し、あわせて国民を監視する機関である。
 自衛隊員は25万人、防衛省本省の文官(背広組)が2万人、合計27万人もいる日本最大の国家公務員組織。
 そうなんですよね。公務員が多すぎるというとき、真っ先に減らすべき存在です。
 フォースプロバイダー(FP)とフォースユーザー(FU)というように、司令官の役割分担を明確にした。これは、アメリカ海軍の方式を踏襲(ふしゅうとは読みません)したもの。
 イラクに派遣された陸上自衛隊員は、のべ5500人。戦地イラクを体験した幹部。隊員は、その後、要職に就いている。イラク派兵部隊の15人にのぼる群長・隊長のうちの3分の1が、一佐から陸将補に昇給した。陸上自衛隊のすべての基幹部隊に「戦地」経験をさせるという壮大な幹部教育を実施する意図があった。そして、イラクでの兵器・施設・設備の戦時使用を学び、生かすことができた。
 自衛隊のイラク作戦の目的は、イラクの復興支援であると同時に、一人の犠牲もなく隊員全員を日本に連れて帰ることであった。
 なーるほど、だからサマワの周辺地域に金をバラまいて、安全を買ったわけですね。
 日本の国防費は、諸外国に比べて他省庁に組み込まれているものもあり、トータルすると総額は9~10兆円規模にまでなる。世界有数の軍事費大国なのである。
 選挙戦で財源問題が焦点になっていますが、総額10兆円にものぼる軍事費を半減させたら、老人と子どもの医療費の無料化は直ちに実現できますし、日本の福祉も劇的に改善・向上するのです。軍事費こそ、何よりのムダづかいではありませんか。
 コモ(イタリア)の駅で、ミラノまでの特急列車の切符を窓口に並んで買いました。自動販売機で買おうとしたのですが、ドイツ語表示なので分かりません。別の若者たちも自動販売機で買おうとしていましたが、同じように買えず、窓口で買っていました。
 ミラノまでの往復切符をなんとか買って、ホームに入りました。すると、予定より早いのですが、列車が入ってきました。ミラノ行きであることは間違いありません。迷うことなく乗り込みました。すると、これが大正解だったのです。この特急列車は、ミラノ中央駅行きではなく、ミラノ・ガリバルディ行きでした。途中で検札に来たら、ドイツ語が解らなかったからととぼけるつもりでいたのですが、心配した検札は来ませんでした。
 ガリバルディ駅も、もちろんミラノ市内にあります。地下鉄で、中央駅とも結んでいます。ミラノには何本もの地下鉄が走っているのでした。ガリバルディ駅に着いて、よく調べてみると、なんと、コモとも私鉄で結びついています。しかも、ここからミラノ・マルペンサ空港行きの急行列車が出ているのでした。なんだ、なんだ。それでは、明日、コモからこの私鉄に乗ってガリバルディ駅に出て、そして急行に乗り換えてマルペンサ空港に向かうというのが一番安全・確実なコースじゃないか。すっかり安心しました。でも、一応、ミラノ中央駅からマルペンサ空港までの足も調べておきましょう。地下鉄に乗って、ミラノ中央駅に着いて驚きました。なんと、とてつもなく巨大な駅です。そして、切符を買うための窓口には何百人もの人々が延々と長蛇の列をなしています。見るからに気の遠くなりそうな光景です。うんざり、げんなりしてしまいました。そそくさとガリバルディ駅に戻りました。次は、何時何分のコモ発列車に乗ったらよいかです。駅の時刻表を見てみます。6時30分にコモを出て、ミラノに7時半に着く列車があると書いてあります。よし分かった。コモ駅に着き、念のために明日の日曜日、コモ発、ミラノ着で6時か7時の列車はどれですかと尋ねました。すると答えは日曜日に出ているのは6時17分だけ、次は7時17分だというのです。ええーっ、なんということ……。驚きました。だって、ミラノ・ガリバルディ駅には6時17分発の列車なんて書いてなかったのですよ……。でも、コモ駅の係員が嘘を言うはずはありません。時刻表にも確かにそう書いてあります。
 翌朝、ホテルを出たのは6時15分前です。スーツケースを引っ張って、6時少し前に着きました。間違いなく、6時17分発と表示された列車がいました。ミラノ・ガリバルディ駅でマルペンサ行きの急行に乗り換えました。大学生らしい若者たちでほとんど満席でした。
 あてにならない駅の時刻表に、今も不思議でなりません。
 
(2009年4月刊。1500円+税)

日米同盟と戦争のにおい

カテゴリー:未分類

著者 新原 昭治、 出版 学習の友社
 1945年9月8日、サンフランシスコで対日平和条約の調印式があった。日本からの全権団6人が出席した。ところが、同じ日の午後、アメリカ軍基地内で日米安保条約の調印式もあったが、そのときには、全権6人のうち2人(苦米地義三と徳川宗敬)は出席を断った。日本側で調印したのは、当時の吉田首相ただ一人だった。それは、日米安保条約の内容が吉田首相以外には知らされていなかったからである。
 いやあ、これって私は知りませんでした。日米安保条約って、発足当初からこんなに胡散臭いものだったのですね……。
 アメリカの軍事費は世界中の軍事費120兆円の約半分(48%)、57兆円を占めている。2005年の世界の軍事費の増額分は、330億ドルだったが、このうちアメリカが8割260億ドルを占めている。
 アメリカ軍の現役兵力は140万で、このうち20%が常に海外に駐留している。地上戦闘兵力についてみると、3分の1が海外に配備されている。そして、イラクに派兵されている16万人のアメリカ兵のうち、4割が予備役と州兵によって賄われている。
 アメリカの海外基地で、一番多いのはドイツで275か所。その次が日本で97か所。そして3番目が韓国で95か所。ところが、日本だけ、アメリカの陸軍、海軍、空軍、海兵隊四軍のすべての主要基地が存在している。しかも、海外にある価値ある主要なアメリカ軍基地のうち、最上位5大基地の4基地は日本にある。横須賀基地が世界のトップであり、嘉手納基地、三沢、横田と続く。
 さらに、一国の首都圏に大規模なアメリカ軍基地があるのは日本だけ。それは、たとえて言うと、ニューヨーク大都市圏に3万人の外国軍部隊とその家族が常駐し、3つの航空基地と1つの海軍基地、3つの補給基地と4つの外国軍人専用ゴルフ場、さらに繁華街にアメリカ人立ち入り禁止のホテルを構えているのと同じ。
 うへーっ、日本って、あまりにもみじではありませんか。みじめ過ぎます。悲惨です。独立国家・日本って、どこへ行ったんでしょうか。これで主権を有する独立国と言えるのでしょうか……。
 日本の自衛隊は、練馬区内の朝霞駐屯地に中央即応集団(3200人)を2007年3月に発足させた。これは、アメリカ軍との共同作戦が期待されている。
 憲法9条2項を廃止せよという声も、結局のところアメリカの要求に応じたものです。ひどいものです。もっと日本は主権国家としての誇りを取り戻すべきではないでしょうか。いえ、何もアメリカとケンカしろと言っているのではありません。せめて、ヨーロッパ並みに、いえいえ、フィリピン並みに、日本も対等の立場でアメリカに対して基地撤去を要求すべきだと思います。それに、年間2300億円もの思いやり予算なんて、法的義務のないムダな支出の典型ですから、直ちに廃止すべきです。そして、それを福祉予算に回したらどうでしょうか……。
 選挙のとき、このことが争点にならない、マスコミも報道しないなんて、おかしなことです。
 処暑を過ぎても残暑厳しい夏の日曜日。夕方から庭に出て、少しだけ草刈りもしました。伸び放題で見苦しかったところをスッキリさせ、風通しも良くしました。
 見上げると、ナツメの実がたわわに成っています。長く延びる枝刈り機を引っ張り出して、枝ごと切り落とします。たくさんのナツメの実がとれました。日干しにして、ナツメ酒を造ります。1年たったら飲めるでしょう。朝鮮人参酒には、ナツメの実がいつも入っています。
 芙蓉がピンクの花を咲かせています。酔芙蓉のほうはまだ花を咲かせていません。足もとにリコリスの淡いピンクの花が咲いていました。彼岸花が咲くようになると、秋です。庭には一足先に秋の気配が漂い始めました。
 
(2007年8月刊。1500円+税)

どんとこい、貧困!

カテゴリー:社会

著者 湯浅 誠、 出版 理論社YA新書
 マンガ入りで、難しいことを分かりやすく、優しい言葉で解説していますので、頭の中にすうーっと入ってきます。そして、たくさんの経験に裏打ちされていますので、よくよく分かります。うん、うん、そうだ、そうなんだよね。しきりにうなずきながら一心に読み進めて行きました。
 貧困とは、溜め(ため)がないこと。つまり、単にお金がないだけじゃなく、頼れる人間関係や、「やれるさ」という前向きな気持ちを持ちにくい状態を指す。逆に言うと、たとえお金がなくて「貧乏」でも、周囲に励ましてくれる人たちがいて、自分でも「がんばろう」と思えるなら、それは「貧困」じゃない。それが、貧困と貧乏の違いだ。
 必要なことは、「甘えるな」と突き放すのではなく、「世の中、捨てたもんじゃない。誰もが、あなたを見捨ててるわけじゃない」ということを、口先だけでなく、ちゃんと形で示すことだ。
 死ぬ気になれば、なんだって出来る。それは、そうかもしれない。しかし、その結果、不幸な人たちが増えて、社会としても不幸になるのだとしたら、いったい何のためにそんなことをしなくてはいけないのか?ふむふむ、なるほど、そうですよね。
 社会は人間でつくられている。その人間をつぶしていって、社会が良くなるわけがない。お金のために人間らしい生活を放り出すという本末転倒のやり方・考え方が、まず第一の間違い。お金をかけないためといって、いろんな費用を削ってきて、結果的に余計にお金のかかる事態を生み出している。これが第二の間違い。つまり、二重の間違いを犯している。
 自分が苦しければ苦しいほど、他人はずるいという気持ちが強まる傾向がある。そして、あまりにも違い過ぎる人には目がいかず、自分に近いところでちょこっとだけずるしているように見える人のことばかり気にかける。そうなんですよね。
 貧困状態に放置された人の選択肢は、次の5つしかない。
①家族に頼る
②自殺する
③罪を犯す
④ホームレス状態になる
⑤NOと言えない労働者になる
 自己責任論は、溜めがなく、がんばれなくなってしまった人たちを、さらに痛めつけるためにつかわれる。まったく同感です。
 現代日本社会は、滑り台社会だ。少なくない人たちが排除されてしまっていて、排除されると簡単に生活が成り立たなくなる。生きていけなくなる。そんな社会だ
 そうですよね。ニッサンの10人ばかりの取締役は、平均2億4000万円もの年俸をもらっています。そんな人から見たら、ホームレス状態の人はまさにがんばりが足りないとしか見えないことでしょう。でも、自己肯定感をまったく持てずに大きくなってしまった人、そして、手に何の技術も身につけていない人に、どうやってがんばれというのでしょうか……。
 今の日本社会は、つくづく弱いもの、高齢者、障害者に冷たいと思います。昔の日本では決してそうではありませんでした。
 今度の総選挙で、このことが重大な争点として浮かび上がっていないのが、私には大変残念でなりません。
 ポストバスはキアヴェンナを14時12分に出発しました。平地を走ります。左側に阿蘇の外輪山のように急峻にそそり立つ山が連なっています。
 やがて大きな湖が左手に見えてきました。バスの運転手がアナウンスしています。どうやら、コモ湖と言っているようです。湖には小さなヨットがたくさん浮かんでいます。湖面をセーリングで疾走する人もいます。モーターボートも走っていますので、ぶつからないかつい心配してしまいました。
 ボートに乗って、のんびり釣り糸を垂らしているおじさんの姿もみかけます。
 最終目的地はコモなのですが、コモ湖は人の形をした、すごく細長い湖です。左側に湖が見え隠れしながら、平坦な市街地やトウモロコシ畑をバスは走っています。
 バスが突然、大きなラッパ音を出します。どうしたんだろうと思うと、バスの左をオートバイが3台、走り抜けて前方に出て行きました。危ないぞ、と警告したようです。
 町の中を走り、山の方にのぼり、ルガーノを目指します。再びコモ湖のそばを走ります。狭い道です。バスはラッパをときどき大きく鳴らして走りますが、いよいよ離合するのが難しくなりました。反対方向に車が渋滞しています。よくぞこんな狭い道を利号して進めるものだと感心します。逆方向から走ってくる車は、バックミラーを道路沿いの塀に当てたりしています。それでも車体がこすりあわないのが不思議です。
 15分以上もノロノロ運転して進みます。ところが、スイス領内に入ると、とたんに道は広くなりました。片側一車線はきちんと確保されていますので、すいすいバスは進みます。
 高台にあるルガーノ駅に着いたのは16時30分。16時10分到着の予定でしたから、20分遅れです。湖畔道路で大渋滞だったせいです。
 ルガーノ駅にあるカフェに入って、キールロワイヤルを飲んで一息つきました。やれやれです。4時間のポストバスを乗り切って、少しばかり自信が付きました。
 
(2009年6月刊。1300円+税)

2011年、新聞・テレビ消滅

カテゴリー:社会

著者 佐々木 俊尚、 出版 文春新書
 ショッキングなタイトルの本です。ええっ、まさか……と思いましたが、テレビ記者に聞くと、テレビ業界に将来はないと思うので、真剣に転職を考えていると言います。小学生のころからテレビとともに育ってきた私ですが、大学に入ってからほとんどテレビは見なくなりました。今では、せいぜい週に30分間、野生動物の紹介番組を見るぐらい(それもビデオで)です。
 新聞を読む人々は年々激しい勢いで減り、雑誌は休刊のオンパレードだ。かつてみんなが見ていたテレビも、今では「下流の娯楽」「富裕層は見ない」と言われ、都会では人々の日常の話題にさえ上らなくなった。なぜ、そうなったのか?
 テレビは馬鹿しか見ない。あるいは、馬鹿になったときしか見ない。深い意味のない、人々の記憶や心に残らない番組を作ることこそ、「テレビ屋」としての誇りがある。うえーっ、なんだか逆説的ですね。
 アメリカを代表する高級紙、ニューヨークタイムズが、今や、破たんの一歩手前にある。日本のテレビ業界は、ちょうど3年遅れでアメリカの後を追っている。テレビの前に座っているのはネコだけ。それが視聴率の実態だ。
 テレビ番組の制作会社によると、年収400万円ほどの人たちが今のテレビを作っている。不景気のため、制作費がカットされている。テレビの制作会社の給料は、良くて年収500万円、ひどいところは300万円にしかならない。しかも、年をとっても給料は上がらない。40代も半ばになって、すっかりくたびれてしまった中年ディレクターが今のテレビを作っている。
 この本を読むと、新聞だけでなく、テレビもいずれ消え去ることは間違いないようです。
 テレビ業界の監督官庁である総務省は、2010年に情報通信法を制定して、2011年に施行を予定している。この法律は、テレビは放送法、電波やネットは電気通信事業法というように分かれているのを一本化した。
 テレビの成り立ちと現状、そして将来展望のなさをしっかり勉強することができる本です。
 28日(金)夜6時からアクロス福岡の国際会議場で、テレビ報道の現状を考えるシンポジウムがあります。高橋哲哉東大教授の講演のあと、パネルディスカッションがあります。前にもご紹介しましたが、ぜひ、ご参加ください。
 サンモリッツからポストバスに乗りました。一日一本だけ出る長距離バスです。途中イタリアに入国して、またスイスに戻り、ルガーノという駅まで4時間かけて走ります。
 サンモリッツを昼12時20分に帝国で出発しました。ゆったりした観光バスで、日本人は私たち夫婦だけ。ポストバスは事前に予約が必要です。バスの運転手が運転しながらガイドもしてくれるのですが、残念なことにドイツ語ですので、チンプンカンプンです。
 サンモリッツの湖を左手に見ていましたが、しばらく行くとまた湖があります。ヨットを浮かべている人もいます。遠くの山にはロープウェーがのぼっていて、山頂には白いものが見えます。万年雪なのでしょうか。
 さらに進んでいくと、バスは山を一気に下りて行きます。そうなんです。サンモリッツが涼しいのは、高い所にあるからなのでした。九十九折りの道をぐんぐん降りて行きます。ところが、そこを逆に自転車で登ってくる人たちがいるのです。すごいです。驚きます。
 ようやく、山のふもとの平坦な土地に出ました。小さな村の中をぬけます。青の洞門のような狭いトンネルをくぐり、村の広場に出ます。
 さらに進むと、イタリア領に入りますが、検問所の係員がパスポートを改めるのかと思うと、何もせず見送ります。
 バスはまだまだ山野中を降りて行き、やがて、キアヴェンナという駅に着きます。ここで、20分の休憩をとります。ここまででちょうど2時間、半分になりました。(続く)
(2009年7月刊。750円+税)

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