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北朝鮮軍の全貌

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著者:清水 惇、出版社:光人社
 北朝鮮軍の現状は、兵器の老朽化、士気の低下、規律の弛緩などで、戦争での勝利はおろか、組織的な戦闘を展開できるのかどうかも怪しい状態にある。
 正規軍は大規模な演習や挑発行動や軍事パレードを行うことで、弱体化しているように見えるが、本当は戦えるのだというパフォーマンスを諸外国に向けて演じている。
 北朝鮮軍の内部には4重の監視体制が敷かれている。総政治局に所属する政治将校、秘密警察である国家安全保衛部、軍の情報機関である保衛司令部、さらに労働党組織指導部直属の通報員。このため、1995年以降3回あったクーデターはすべて未遂で終わっている。
 北朝鮮軍がクーデターを起こすとすれば、治安機関や金正日の親衛隊ともいえる護衛司令部が寝返るなど、体制維持システムが末期状態になったとき以外には考えられない。
 金正日は、いまだに金日成の威光を利用せざるを得ない。それは金正日にカリスマ性がないから。
 北朝鮮では金日成と金正日だけが将軍と呼ばれる。金正日の生母である金正淑も白頭山の女将軍と称しているので、この3人を白頭山三大将軍と呼ぶ。
 人民軍の兵力は、地上軍が100万人、海軍が6万人、空軍が11万人であり、正規軍だけで117万人いる。このほか、教導隊や労農赤衛隊などの準軍事組織があり、こちらは700万人ほどいる。北朝鮮軍のなかで日本にとってもっとも脅威となるのは特殊部隊12万人の存在である。
 北朝鮮軍が朝鮮戦争のときのように南侵を開始したときに、ソウルは火の海になるかどうか検証されています。結論は、ならないというものです。なぜか?
 北朝鮮軍の長射程砲300門はその大半が地下施設にあるため、ソウルを火の海にするのは難しい。その前にDMZ(非武装遅滞)を突破するため10万発をうちこむ必要がある。それすらやっとではないかと思われるから、ましてやソウルを火の海になどできるはずがない。
 そしてDMZを突破するには、自軍と米韓両軍が埋めた地雷を処理しなければならない。南侵トンネルは有効に機能しないだろう。そのうえ、制空・制空権を米韓両軍に握られている。これでどうして南侵できるというのか・・・。
 北朝鮮軍が、いわば破れかぶれの状態で南侵してくる危険性がないわけではありません。しかし、それについては外交上の努力でくいとめるしかないのです。北朝鮮軍の脅威をことさらあおりたて、日本の自衛隊をもっと強くしなければいけない。そのためには憲法9条をなくせ、と叫ぶ人がいます。しかし、私はそれは間違っていると考えています。戦争にならないように努力すべきなのです。その最大の武器が憲法9条だと私は考えています。

ガダルカナル

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著者:西村 誠、出版社:光人社
 2万人の日本兵が斃れ、餓島とも呼ばれた苛酷な戦場だったガダルカナル。その今を現地踏査し、カラー写真で再現した本です。
 澄み切った青空と太平洋の海原に囲まれた南海の楽園の島です。ここが、あの有名なガダルカナル島と言われても、ちょっとピンと来ませんでした。
 ガダルカナルの日本軍はもっとも多いときには3万人からいた。日本軍が次々に敗退し撤収作戦が始まった昭和18年1月の時点での日本軍は1万4千人ほど。3度の撤収作戦はいずれも成功したとされ、残った日本兵の大半が引き揚げた。
 アメリカ軍のかまえる堅固な陣地に突撃した一木支隊は2000人のうち生存者はわずか128人のみ。一木大佐の最後は不明とされている。無謀な突撃を敢行した一木大佐は廬溝橋事件のときの現地の大隊長。銃剣突撃による夜戦の達人とされていた。アメリカ軍が砲兵と機関銃で鉄壁の陣をしいているところへ、真昼間、歩兵が銃剣突撃をしてバタバタと倒れていったというのですから、そのお粗末さと、兵の命を軽んじているのはお話になりません。一日で一木支隊が壊滅してしまったのも当然です。
 そのあと、今度は6000人の川口支隊がジャングルから攻めこもうとし、アメリカ軍の猛反撃にあって1000人もの死傷者を出して敗退します。残った5000人は、ジャングルのなかを歩くうちに飢えと過労でバタバタと倒れていきました。
 ジャングルは、今でもムッとする熱気で、20メートルも入ったら方向感覚を失うといいます。四国の3分の1ほどの大きさがあるそうですが、こんなきれいな島でかつて悲惨な戦争があり、日本兵が上官の無謀な指揮によって無駄死にさせられたかと思うと、本当に哀れです。靖国神社に私は行ったことはありませんが、無謀な戦争を起こし、上官の命令は絶対だなどといって兵をむざむざ死地に追いやっていた軍上層部の反省がないことは絶対に許せません。

ウォール街、欺瞞の血筋

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著者:チャールズ・ガスパリーノ、出版社:東洋経済新報社
 人々はインターネットでお金持ちになると信じたかった。感情が牽引力となった。
 建設労働者、秘書、バーテン、学校教員など、経済学を学んだことさえない人々が、銀行から預金をおろしてミューチュアルファンドに投資をしたり、証券会社から株を直接買って買いあさりはじめた。アナリストは投資家に下がったら買えと勧めることによって、値動きの激しいハイテク銘柄が下落したときでさえ、何十億ドルという資金を誘導して市場を下支えした。多くの投資家が、いい時期は永続きするものではない、という話を聞きたくないのは当然だろう。
 ウォール街のブローカーたちは、できるだけ多くのカモの資金を市場に呼びこむという、より大きな戦略の一翼を担っているにすぎない。最優良顧客は大企業だ。個人投資家が公平に取り扱われることは決してない。大手証券会社は、小売顧客を第二級市民として取り扱っている。
 貧困層に個人的なサービスを提供する時間的な余裕はない。このようにうそぶいている。
2000年3月からのピークから2001年3月までの1年間で、株価は60%も下落した。この損失はアメリカの歴史上最大規模の破壊(クラッシュ)だ。それは2兆5000万ドル、いや、他の市場をあわせると4兆5000億ドルが雲散霧消した。
 ウォール街の仕組みについてほとんど知識のない中産階級のアメリカ人が、ゲームのやり方を熟知しているブローカーに一生涯の貯蓄を預けてしまった。それは、短期間はうまく機能していた。しかし、市場が暴落したとき、すべてを喪ってしまうことになった。
 わずか3年ほど前には、アナリストはウォール街でもっとも人気のある職種だった。それが今では、大きなトラブルを引き起こすため、投資家にもブローカーにも、そして証券会社の法務部にも嫌われるパリア(最下層民)だ。
 ホント、アナリストって、今では口先だけの、あることないこと口からでまかせを言って信じこませようとするペテン師のイメージがすっかり身についてしまいましたよね。
 投資家にだまされるな。サブタイトルにそう書いてあります。今や多くの日本人の若者が自分こそはだまされないと信じ、ひがな一日、パソコンの前にすわりこんで投機の道に走っています。いえ、家庭の主婦も参加しているそうです。こんなことでいいのでしょうか。こんなことしてたら、日本の将来はお先まっ暗なのではありませんか。

安田講堂

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著者:島 泰三、出版社:中公新書
 1969年1月、安田講堂の攻防戦がテレビで実況中継されました。東大闘争とはこの攻防戦のことと思いこんでいる人があまりに多いので、私の親しい友人は、そのような誤った認識を少しでも解消しようと「清冽の炎」(花伝社)第1巻を発刊しました。
 この「安田講堂」は、社青同解放派のメンバーとして安田講堂に残留し、機動隊と「華々しく」闘い、懲役2年の実刑を受けた人による本です。
 要するに、安田講堂から東大生は卑怯にも全員逃亡したと世間から思われているが、実は、70人も残って闘ったのだ。そして、著者をはじめ懲役刑を受けた東大生が何人もいたということが著者の言いたいことです。そこには何の反省もありません。悪かったのは日本共産党系の学生であり、全共闘は正しかったという言葉のオンパレードです。いえ、考え方が違うのは、お互い、どうしようもないことです。でも、事実をこんなに曲げてしまっては困ります。私は当時、駒場の一学生でしたが、駒場には全共闘対日本共産党系学生そして右翼の学生しかいなかった、などと単純に片づけられていることにはすごい異和感があります。
 著者はマダガスカルのなぜのサル、アイアイの研究者でもありますので、私も、それらの本は感心しながら読みました。しかし、この本は、全共闘賛美につらぬかれているだけではなく、宮崎学の本「突破者」をうのみにした間違いが多すぎて嫌になってしまいます。「東大闘争資料集」を参照したのなら、もう少し事実を確認してほしかったと思います。
 たとえば、11月12日の総合図書館前の激突について、全共闘がぶつかったのは宮崎学らが指揮する「あかつき部隊」500人だとしています。全都よりすぐりの暴力部隊、暴力のプロだとされています。たしかに都学連部隊が予備として控えていたそうです。しかし、ここで全共闘と激突したのは駒場の学生(東大生)が主力でした(私も、その一人です)。
 12月13日の駒場の代議員大会についても、「日本共産党系部隊の公然たる暴力のなかで開かせ、その暴力で実現した会議決定」というのには、とんでもないデタラメさに噴き出してしまいました。あまりに全共闘を美化すると、こんなにも世の中のことが見えなくなるのですね。むき出しの暴力をふるったのは、当時すでに少数・孤立化していた全共闘の方だったことは、駒場の関係者に少し聞いたらすぐに分かることです。
 1月10日夜の駒場寮の攻防戦にしても、「部屋のひとつひとつの取りあいという市街戦に似た攻争」というのはまったくの間違いではないにしても、全共闘が制圧したのは三棟のうちの一つ、明寮の1階のみです。寮生であった私は、その2階にいたので(たまたま1階にいたら、全共闘に攻めこまれて2階へ逃げたのです)間違いありません。私の周囲には、ほかにも大勢の寮生がいました。いわゆる民青の外人部隊が大勢いたのも事実です。そして、このときには、たしかに「あかつき部隊」が来るというマイク放送があっていました。それにしても、中公新書という伝統を誇る新書にこのような間違った記述があると、それが歴史的事実だとして定着するのでしょうね。本当に恐ろしいことです。
 私の友人の本(先ほどの「清冽の炎」)は小説ですし、すべて真実だとは言いませんが、やはり歴史を語るのであればもっと客観的な事実をふまえてほしいと思います。「清冽の炎」はちっとも売れていないそうです。このままでは、2巻目以降の発刊は危ぶまれています。みなさん、ぜひ買って応援してやってください。

ダブル・ヴィクトリー

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著者:ロナルド・タカキ、出版社:星雲社
 第二次大戦中、アメリカ軍のなかでは黒人兵に対して、ひどい人種差別が横行していた。それは基地内でもあったが、より大きな不安は基地の外で待ちかまえている暴力だった。黒人兵士は上官から「基地の外に出るな。出ると帰ってこれなくなるぞ。リンチされてな」と警告されていた。実際、黒人2等兵が後ろ手にしばられて木に吊された死体となって発見されることがあった。
 黒人女性も兵士になっていった。しかし、軍服を着ても、市民として平等な権利を得たことにはならなかった。バスの待合室では相変わらず黒人専用のものしか認められなかった。だから、黒人たちはデトロイトとニューヨーク(ハーレム)でついに暴動をおこした。それをヨーロッパの戦場で聞いた兵士たちは、白人兵士も黒人兵士も、そして日系兵士も、連名で「なぜ、自由と平等と友愛の国であるはずのアメリカでこんなことが起きているのか。いったい我々は何のために戦っているのか」という書面をアメリカの新聞に送った。
 アメリカは大戦が始まると、日系人を強制収容所に隔離した。ジャップはジャップであり、一度ジャップに生まれれば、ずっとジャップなのだ、と。しかし、日系兵士としてアメリカ軍に従軍した若者たちが3万3000人もいた。
 アメリカ人が日本軍をどう見ていたか。このことも紹介されています。
 ヨーロッパでは、敵は食うか食われるかの存在であったことは確かだが、それでも人間だった。しかし、日本兵はゴキブリやネズミのような忌避すべき存在だ。
 真珠湾を忘れるな。奴らを殺し続けろ。これが海兵隊のモットー。ジャップを殺せ、ジャップを殺せ、ジャップをもっと殺せ。こう言ってハルゼー提督は部下を叱咤した。
 俺たちは黄色いネズミを殺すんだ。殺さないと平和はない。だから憎め、殺せ、そして生きるんだ。これは海兵隊の大佐が訓示した言葉。
 猿の肉をもって帰ってこい。これは出撃する部下へのある提督のはなむけの言葉だ。そして、本当にアメリカ兵たちは戦死した日本兵の頭皮、頭蓋骨、骨、耳を戦利品として収集し、本国へ持ち帰った。しかし、ドイツ兵やイタリア兵の遺体から歯や耳や頭蓋骨を収集することなど、まず考えられない。そんなことが知れたら大騒ぎになるのは間違いない。その意味で太平洋の戦いは人種戦争の側面を持っていた。
 アメリカ史上、おそらく日本兵ほど憎まれた敵はいなかった。激しかったインディアンとの戦いが終わって以後忘れ去られていた感情が、日本兵の残忍さで呼び覚まされたのだ。
 トルーマン大統領は、日本への原爆投下を決断したとき、けだものを相手にするときには、それ相応に扱わねばならないと考えた。しかし、さらに10万人を殺すのかと思うと、たまらない気持ちになって、トルーマン大統領は3発目の原爆の使用を禁止した。
 うーむ・・・。これを読むと、本当に複雑な気持ちになります。いずれにしても、アメリカには最悪の人種差別をする傾向と、同時に民主主義を守り育てていく力の両面があるということなのでしょう。だから、昔も今も、アメリカ万歳と手放しで賞賛し、追随していくなんて、私には絶対にできません。
 ところで、この本を読んで、映画にもなったあの「ミシシッピーバーニング」の被害にあった白人学生たちがユダヤ人であったことも知りました。1964年夏に有権者登録運動のために南部に赴いた学生たちの半分以上はユダヤ人だった。ミシシッピー州でジェームズチャニイと一緒に殺された公民権運動活動家のアルドルー・グッドマンとマイケル・シュワーナーもユダヤ人だった。それから、マルチン・ルーサー・キングの側近や、NAACPの有力な活動家はみんなユダヤ人だった。
 なるほど、そうだったのかー・・・。アメリカにおける人種差別の根深さを改めて思い知らされる本でした。

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