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陸軍尋問官

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著者:クリス・マッケイ、出版社:扶桑社
 アフガニスタンで、アメリカ軍がつかまえた捕虜を尋問する役目を担った軍人の体験記です。
 アフガニスタン戦争をアメリカが始めたとき、アメリカ陸軍は510人の尋問官をかかえていた。このうち108人がアラビア語を話せた。アメリカ陸軍は、1971年、南部アリゾナ州のフォートチュカに情報官養成施設をつくり、毎年ここから数百人の尋問官が巣立っている。
 そこでは、尋問の目的は捕虜に話をさせることではなく、真実を語らせることだという教育を受ける。捕虜の口を割らせる技術は基本的には心理的な駆け引きである。
 軍隊はさまざまな人間が寄り集まる人種のるつぼだが、情報部門は違う。圧倒的に白人が多く、教育水準も高い。だから、戦闘要員よりも考え方はリベラルだ。
 尋問で注目すべきは、普通の会話と同じように、目である。悪智恵にたけた容疑者は、尋問官から目をそむければ嘘をついている証拠とみなされることが分かっているので、その逆、つまり普通以上に長くアイコンタクトを続けようとする。
 心の動揺が激しいときには、とくに手の動きが活発になる。だから、手足の動きを細かく観察するのが大切。自分が弱く無防備と感じたときには、性器の前に手を置いたり、内臓を守ろうとするかのように腹部の前で腕を組んだりする。肩をそびやかすのは、服従拒否、挑戦のしるしだ。
 収容所の場所は捕虜には明かさない。捕虜を半信半疑の状態に置き、その不安感を利用して、尋問を有利に展開する。捕虜を震えあがらせる。
 奴らをモンスター、つまり化け物扱いするんだ。人間じゃないと思え。
 捕虜か尋問官のどっちかが倒れるまで、ぶっ通しで取り調べをする。連続15時間ということもある。
 あるときにはアラブの将官やイギリス将校に変装する。衛星写真を改ざんし、新聞を偽造することも平気だ。
 アフガニスタンで尋問した結果、もっと調べたいと思った人間は、キューバにある米軍のグアンタナモ基地内の収容所へ移送する。
 付録として、16の尋問テクニックが紹介されています。プライドと自尊心を鼓舞したり、くじいたり、恐怖を煽ったり鎮めたり、さまざまのテクニックが駆使されています。
 イラクのアブグレイブ刑務所での捕虜虐待は考えられないこととされています。でも、実のところ、日常茶飯事だったのではないでしょうか。
 アメリカ軍の言い分はこうです。フセイン政権の方がもっと残虐なことをしていたじゃないか・・・。たしかに、そうなのかもしれません。でも、かといってイラクやアフガニスタンへ侵攻したアメリカ軍が同じように残虐な行為を捕虜にしてよいことにはなりませんよね。

君の星は輝いているか

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著者:伊藤千尋、出版社:シネ・フロント社
 私と同じ団塊世代です(正確には私の一歳下)。東大法学部を卒業して朝日新聞社に入り、世界各地に特派員として赴任しています。ブラジルのサンパウロ、スペインのバルセロナ、アメリカのロサンゼルスの、それぞれ支局長をつとめています。南アメリカ特派員の体験にもとづく「太陽の汗、月の涙」(すずさわ書店)を読んだのが、この著者との出会いでした。すごく爽やかで、深い感銘を受けたことを覚えています。
 驚いたことに、著者は大学時代にキューバに出かけて、半年間も砂糖キビ刈り国際ボランティアをしたというのです。すごいですね。1971年のことです。東大闘争も終わり、私が司法試験を受けている年のことです。著者も裕福ではなかったようですが、貧乏学生だった私には海外へ出かけるなどと考えたこともありませんでした。セツルメント活動という地をはいまわるような活動をしていたせいもありますが・・・。
 この本で、著者は海外で体験したことを、みた映画と結びつけて紹介しています。味わい深い内容です。ついつい感心しながら読みすすめていきました。私も見た映画がいくつもあり、うれしく思いました。
 「華氏911」、「フリーダ」、「JSA」、「二重スパイ」、「ボウリング・フォー・コロンバイ」、「 蝶の舌」、「レセ・パセ」、「戦場のピアニスト」、「この素晴らしき世界」です。でも、この本を読むと、たくさんのいい映画を私は見損なっているようです。
 民主主義とは、すでにあるものではない。日々、つくり出すものである。
 世界はバラ色ではないが、しかし、前に比べるとよくなっている。身近な問題から達成しよう。教育や組織化によって社会は変えられる。意思さえあれば何でもできる。権力を倒すために正しい運動をすべきだ。一人一人が声を上げることだ。
 私も、まったく同感です。
 マイアミでは日本製の時計が異様なほど大量に売れる。これは、麻薬組織が麻薬の売上金でいったん日本製の時計を大量に買い、その時計をメキシコや南米のコロンビアなどにいる麻薬マフィアに「輸出」する。受けとった麻薬組織は現地で時計を売る。こうすると正当な時計の売り上げとなって記録され、麻薬売買の跡形が残らない。汚い金が、こうやって洗浄される。
 アメリカでは年間に銃で殺された人は1万1127人。カナダでは165人。日本は 39人。
 ダスティン・ホフマンは、中学生のとき、背が低くてコンプレックスの塊だった。高校生のときは、成績が悪くて退学寸前だった。俳優を目ざしたのは、俳優の多くは成功しない。成功しなくても、俳優として尊敬される。尊厳を保てるし、失うものがない。チビだ、無能だと蔑まれながら、誇りだけは失わないのが彼の青春時代だった。ホフマンは言う。人生で大切なのは、自分が情熱を持てることをやることだ。成功することより、そっちの方が大切だ。
 いい言葉ですよね。たくさん本を読んでいると、素晴らしい言葉にめぐりあうことができます。

集団訴訟、セクハラと闘った女たち

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著者:クララ・ビンガム、出版社:竹書房文庫
 ハリウッド映画「スタンドアップ」の原作です。私は中洲の小さな映画館でみました。観客は私をふくめて6人しかいませんでした。アメリカはミネソタ州にある鉱山で働く女性たちの話です。彼女たちは、同じ職場の男性労働者から次から次にすさまじく、えげつない嫌がらせを受けます。映画には映像の限界があります。この本によると、もっともっととんでもなくひどいハラスメントを絶え間なく受け続けます。その詳細は、とてもここに書くことはできません。もちろん、この本には書かれていますが・・・。書くこと自体が男である私にも苦痛ですし、嫌なのです。男たちは、彼女らから自分たちの仕事を奪われることを心配しており、現場から追い出す意図もあったようです。
 女性たちも、ついにこれはセクハラだと考えて、裁判に訴えることにしました。しかし、それからがまた凄まじいのです。弁護士選びも大変でした。そして、公開の法廷で、さらにセクハラを受けてしまうのです。
 アメリカには原告側に立って訴えることを専門にする弁護士がいて、全米組織もあります。雇用差別に苦しむ人々からの訴えを専門とする弁護士もいるのです。
 雇用差別に苦しむ人々からの訴えを専門とするポール・スプレンガーは訴訟を引き受けるためには3つの条件があるとしていた。第1に、それが集団訴訟になる可能性があること。第2に、それ相当の金銭的な報酬が期待できること。第3に、原告が信頼できる人物であること。そして、その訴訟がいくらくらいの価値をもつのか、はっきりした期待をもっていること。
 なにより重要なのは、彼女たちがどんな原告になるかということだ。裁判の勝ち負けは、原告にどれほど訴える力があるかで多くが決まる。信頼できるか。共感を得られるか。欲をかいていないか。一緒に仕事をしやすいか。訴えが強力でも、陪審や判事の共感を得にくい者もいれば、すぐに動揺して自滅してしまう者もいる。
 裁判費用は弁護士が負担する。その代わり賠償金の33%を弁護士がもらう。そのほか、依頼者は毎月50ドルを24ヶ月間にわたって支払う。これが弁護士報酬契約だった。集団訴訟は弁護士費用を払えない人々の権利を守るものになっていた。
 会社側は、集団訴訟にならないよう、同じ職場に働く女性労働者から、職場にはセクハラなんてないという署名をとってまわり、ほとんどが署名に応じた。彼女たちは職を失いたくなかったからだ。
 会社側の雇った女性弁護士は有能だった。アメリカには宣誓供述という手続がある。裁判前に、相手方弁護士から尋問されるのだ。この本によると、5時間とか9時間という長時間、しつこい嫌がらせのような尋問がなされたという。
 セクハラを受けて悩んでいるといっても、男たちと同じくらい粗野で下品であり、感情的にも精神的にも不安定だった。男たちの違法な嫌がらせによってではなく、自らの過ちと弱さによる犠牲なのだということを「明らか」にすべく徹底的に追及された。この追求によって依頼者はひどく落ちこんだ。心の底から怖がった。
 そのうえ、さらに法廷で追いうちがかけられた。反対尋問で、性生活や、子ども時代に虐待やネグレクトを受けたことがあるか、夫から不快な性行為を求められたか、精液の臭いを嫌だとは思っていなかったのではないか、などなど・・・。女性を打ちのめし、いたたまれなくさせる尋問が続き、裁判官がそれを許した。
 しかし、幸いにして、その裁判官の下したひどい判決は連邦裁判所によって破棄された。
 ところが、次に開かれた陪審法廷は男性が大半、それも肉体労働者ばかり。これに不安を感じ、原告らは判決ではなく、和解に応じるという決断を下した。
 映画はハッピーエンドで終わりますが、この本は必ずしもハッピーエンドという感じではありません。この話は、驚くべきことに、ごく最近のアメリカで起き、裁判になった実話なのです。裁判が起きたのは1988年で、終わったのは1998年なのです。
 いやあ、アメリカって、本当にひどい国なんだなー・・・、と思いつつ、しかし、それが映画になるっていうのもすごいことだと思い直しました。みなさん、ぜひ映画をみて、この本を読んでみて下さい。アメリカの一断面が良きにつけ、悪しきにつけ、よく分かりますよ。

戦争の時代と社会

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著者:安田 浩、出版社:青木書店
 朝鮮戦争に日本は事実上「参戦」していたという指摘があり、目を見開かされました。
 第1に国鉄の大動員。国鉄は朝鮮戦争が始まるとともに、米軍の人員と物資輸送にとりくみ、大量の臨時列車、客車・貨車を動員した。その規模は国鉄の軍事輸送史上最大のもので、15年戦争期のそれを上まわっていた。
 第2は、海上保安庁の特別掃海艇25隻の出動。朝鮮水域の掃海に出動した者は2ヶ月間でのべ1200人いた。
 第3に、米軍によって調達に応じさせられ動員された日本人船員。特別調達庁との関係で朝鮮戦争に協力して死亡した日本人が56人いた。
 第4に、看護婦の動員。国連軍の野戦病院には九州各地の日赤支部から多数の看護婦が動員されていった。
 第5に、兵士として戦死した日本人がいた。コックや塗装工として米軍基地で働いていた若者が、そのまま朝鮮へ連れていかれて兵士として参加し、戦死した例がある。
 第6に、民団系在日韓国人団体による義勇軍の存在。総数642人が参戦した。
 本当にいろいろと知らないことがあるものです。驚いてしまいました。

続・台湾新時代

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著者:近藤伸二、出版社:凱風社
 2008年に北京五輪そして2010年に上海万国博覧会が予定されている。2008年には台湾の総統選挙もある。2004年3月の総統選挙のときには、投票日前日に陳水扁候補が銃撃されるという事件も起き、コンマ以下の投票率の差しかなかったのには驚かされた。
 台湾経済は躍進著しい。外貨準備高は2519億アメリカドルで、日本、中国に次いで世界第3位。
 台湾はIT大国で有名だ。アメリカ(686億ドル)、中国(605億米ドル)、日本(205億ドル)に次ぐ世界4番目(108億米ドル)。
 世界のノートブックパソコンの7割以上は台湾製。ただし、ノーブランドだ。
 台北市には世界一のノッポビル、「台北101」がある。地上101階 、高さ508メートル。台湾には外国人労働者も多い。6ヶ国30万人をこえる。タイ・フィリピン・ベトナムがそれぞれ9万人。インドネシアが2万人、台湾社会の出生率が低いことにもよる。
 台湾は中国へ積極的に投資しており、その累計総額は11兆円をこえるものとみられている。たしかに、私も中国へ行ったとき、台湾資本の豪華なホテルに泊まったことがあります。
 台湾の70%は福?(ホーロー)系 漢民族。次に客家(ハッカ)系漢民族の15%。第二次大戦後、国民党政権とともに中国大陸から渡ってきた外省人は13%。その大部分は漢民族だが、モンゴル族や満州族も含まれている。先住民は2%という少数派。
 実は、私はまだ台湾に行ったことがありません。なかなか複雑な社会・政治の国だという印象をもっています。行ってみたい国ではあります。

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