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子別れレッスン

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著者:斎藤学・久田恵、出版社:学陽書房
 子宮という家から出る(第一誕生)。母の膝から降りる(第二誕生)。親の家から離れる(第三誕生)。この第三誕生が今すごく長引いている。自立しない子どもがふえている。
 たっぷりの愛を注がれた人は早々と親離れして、親のことなどあまり考えなくなる。無視されたり、いじめられたりした子は、いいにつけ悪いにつけ親にこだわって、親のように生きてしまう。今の若い男たちの中には、性に対する恐怖感があって、性交不能のものが多い。
 母と娘、父と息子。お互いに自立するのがこんなに難しいものだったのか、体験してみるとよく分かる。いろいろ深く考えさせられ、反省するところも多々あった。

女帝誕生

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著者:笠原英彦、出版社:新潮社
 日本には8人、10代の女帝が存在した。中国には唐時代の則天武后がただ1人いるのみ。ところが、現在の皇室典範は女性天皇を認めない。なぜか?
 この本によると、明治時代に成立した皇室典範ができるとき、明治天皇の側室となった柳原愛子(なるこ)が後の大正天皇を生んだことを前提として、兄の柳原前光(さきみつ)が嫡系を優先して女帝を認めると、庶子は不利となるので、女帝を認めないようにしたという。つまり、個人の利益が女帝否認をもたらしたのだ。
 さらに、この本は、日本に8人、10代の女帝がいたとしても、それは単なる「中継ぎ」天皇でしかなかったという俗説を完膚なきまでに叩きのめしている。8人の女帝は立派な執政能力を有していたのであり、お飾り的な「中継ぎ」ではなかった。
 「男系の男子」のみに皇位継承を認める制度は、天皇が側室をもつことを前提としていると解されている。なるほど、と思う。そして、いったん女性天皇を認めると、女系天皇も認めなければならなくなる。しかも、現在は皇族の身分が得られる民間人は女性に限られ、民間人の男性は絶対に皇族とはなりえない。男女間に明白な差別が存在する。
 日本の天皇が「万世一系」でないことは、継体天皇をどうみるかにかかっているが、歴史的には明白な事実である。天皇制度が存続する今日的意義は何なのか、よく分からない。「なぜ愛子様が天皇になってはいけないのか?」というこの本の帯の疑問は解消されそうもない。

太ったんでないのッ!?

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著者:壇ふみ・阿川佐和子、出版社:世界文化社
 『ああ言えばこう食う』(集英社)、『ああ言えばこう嫁×行く』など、この2人のかけあい漫才はともかく面白い。なんとバカなことを言っているのだ、と腹がたつほど面白くて、次はどういう展開になるのか、頁をめくるのももどかしいほど。
 こんなに相手を「けなし」あって、本当にこの2人の関係は大丈夫なのか。他人事(ひとごと)ながら心配させられるが、本人たちはスッカリ割り切っている気配だ。
 太ったんでないの?と言われると、実は私も辛い。中年太りがますます進行し、ついに娘から誓約書を書かされてしまった。年内に5キロやせなくてはいけない。トホホ・・・。
 ところで、淫靡(隠微)なトリュフの料理からフグの白子のリゾットまで、日本とフランスの美味・珍味が惜し気もなく出てきて、美女二人が堪能している状況が描かれている。これで太らない方がどうかしている・・・!なんて怒っても何の意味もない。私も、こんな軽妙な文章を書いてみたい。そして「取材」と称して高級料理店でオーナー・シェフのとっておきフレンチを味わってみたいものだよーん。

黒い悪魔

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著者:佐藤賢一、出版社:文芸春秋
 デビューして10年になる著者の長編小説10作目の本です。10作全部を読んではいませんが、直木賞をとった『王妃の離婚』など、情景描写のうまさと巧みなストーリー展開にいつも感心させられます。西洋史学を専攻していたというだけあって、中世のフランスの社会状況もよく描かれています。
 この本と同時に発売された『オクシタニア』(集英社)も読みました。キリスト教の異端カタリ派を扱っていますが、登場人物が関西弁で話したりするのに違和感がありました。
 この本は、『三銃士』(福音館書店)の作者である文豪デュマ・ペール(大デュマ)の父親の一生を描いています。カリブ海の島で黒人奴隷の母親との間に生まれ、パリに出て将軍へ出世していき、フランス革命に直面してナポレオンとはりあうようになる激動の人生が、手に汗にぎるように活写されています。
 いま、私はマイカーの運転中に子ども向けのフランス語『三銃士』を聞いています。まだまだ全部は理解できませんが、それでも長年続けてきたおかげで、かなり聞きとることができます。耳からずっと聞いているので、日本語の『三銃士』も読んでいるのですが、さすが文豪と言われるだけあって面白いですね。語学をやっていると本当に世界が広がります。

松本成一写真集

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 松本成一弁護士による自費出版の写真集。
 松本弁護士は1933年生まれなので、ちょうど70歳。弁護士生活45年の大ベテラン。飛行機の免許ももっておられるので、素晴らしい航空写真もある。
 1957年の唐津の紙芝居の写真を見ると、本当になつかしい。1975年に廃止された福岡の市内電車も走っている。写真は雄弁だ。みるみるうちにタイムスリップさせてくれる。子どものころに返って、おカネのことも、異性のことも、何にも苦労なく遊んでいることに戻りたい・・・。そんな忘れかけていた情景を思い出させるなつかしさあふれる写真集。(

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