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江戸夢あかり

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出版社:学研M文庫
 久しぶりに山本周五郎を読みました。司法修習生のとき(いつのまにか30年も前のことになってしまいました)、同じ横浜修習の庄司さんが山本周五郎にいれこんでいるので読んでみたのが初めです。『さぶ』とか『赤ひげ診療譚』など、江戸情緒たっぷりの人情話に私もぐいぐい魅きこまれ、すっかり耽読したものです。
 この本は「市井・人情小説傑作選」と銘うち、宮部みゆきもはいっています。いずれの話もしばし、しっとりとした江戸情緒に浸ることができます。日本人の人情って、昔から変わっていないんだな。ほろっとさせられたり、冷やっとしたりします。物売りの声やカランコロンという下駄の音とともに江戸の香りが漂ってきそうな短編を、秋の夜長にじっくり堪能してはいかがでしょうか?

朝陽門外の虹

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著者:山崎朋子、出版社:岩波書店
 私は、大学1年生のとき、先輩に誘われて5月病の危険もあった心の空間を埋めるべく、耳慣れないセツルメントなる学生サークルに入った。以来、大学を卒業するまで、どっぷりセツラー生活に浸った。この本は久しぶりにセツルメント・ハウス(愛隣館)が登場し、本当になつかしかった。私の活動した地域はスラム街ではなく、下町の労働者住宅地であったが、そこにもセツルメント診療所があり、学生セツラーのためのセツルメント・ハウスがあった。
 この本は、東京の桜美林大学の創始者である清水安三(敬称は略させていただきます)が、戦前の中国・北京のスラム街のまっただなかに少女たちを集めて学校をつくった経緯を紹介している。もっとも成績優秀な女の子が、実は小さな娼婦であったこと、それを知りながら日本に送って勉強させたが、帰国して教員にしたところ中国人の父兄から排斥されたことなども語られている。
 この女学校には中国人だけでなく、朝鮮人も日本人も学んでいて、戦後まで無事に生き延びて活躍した女性からの聞きとりもあり、涙なくしては読めない。中国大陸に侵略した日本人がすべて残虐行為ばかりしていたわけではないということを知って、少し救われた思いだった。

稼ぐ仕組み

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著者:小川進、出版社:日経新聞社
 ロイヤルティーをとらないフランチャイズ・チェーンがあるのを初めて知りました。それどころか、年間売上げの0.6%がリベートをして加盟店に支払うというのです。もちろん、ここでも契約当初500万円を本部に預けます。しかし、脱退するときには、全額が返されるのです。別に、保証金150万円、月3万円の負担金のみで、売り方の指導が受けられるというフランチャイズもあります。いずれも、消費者に衝動買いをさせるような品ぞろえと売場のつくり方が指導されます。返品しない問屋というのもあるそうです。この本を読むと、商売の奥義は底深いものがあるとつくづく思いました。

百万分の一の歯車

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著者:松浦元男、出版社:中経出版
 米粒の上に小さなコンペイトウがのっているのかと見間違える写真があります。なんと100万分の1グラムの歯車が100個以上もひしめいているのです。使い途は、これから考えるというモノつくりの発想に驚嘆してしまいます。この本には多くの弁護士がお世話になっている中小企業のあり方について、教えられるところが多々あります。
 中小企業は、価格、規模、品ぞろえの3点で他社と競争してはいけない。技術があれば高い価値のものを生み出すことができ、価格競争にさらされることがない。株主に配当を出すような中小企業は、そのうちつぶれる。配当を出すより、社員が安心して働ける場をつくることが中小企業の経営者のつとめである。採算の合わない健全な部門をもっていない会社はいつか没落する。先着順に採用する。動機と機会を与えれば若者は伸びる。人材を育てるには規則をつくらないこと。規則が一番の諸悪の根元。零細企業の経営者であることが多い弁護士にとっても示唆に富む本です。

万里の長城、攻防三千年史

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著者:来村多加史、出版社:講談社現代新書
 私も万里の長城には2回のぼりました。八達嶺と嘉峪関です。
 どうしてこんな長城をつくったのか。本当に役に立ったのか。そんな疑問をずっと抱いていましたが、この本を読んで少し疑問が解消しました。長城には見張り台兼ノロシ台がありました。その構造が図示されています。
 もちろん、長城をつくただけで国を守れるわけではありませんでした。内部の支配体制が内紛などでガタガタになっていたら、外敵にかなうわけはないのです。新書版ですから、コンパクトな解説書として、すっと理解できるところがありました。

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