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親指はなぜ太いのか

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著者:島泰三、出版社:中公新書
 「直立二足歩行の起源に迫る」というサブタイトルがついています。「スリリングな知の冒険が始まる」とあるとおり、私は「へー、そうなんだ」と何度も知的刺激を受けてしまいました。
 手のひらを見つめてみましょう。親指だけ少し離れて、向きが違います。短くて太い点はニホンザルやチンパンジー、ゴリラと同じです。なぜヒトの親指はこうなっているのか。著者はアフリカのジャングルそしてマダガスカルへ出かけ、その謎を実地に探ります。結論は?
 ヒトは、サバンナに無数にある骨を食べることで生きのびた。骨髄は脂肪の塊である。しかし、これを食べるためには叩き割る必要がある。そのために石を握って骨を砕く。太い親指は、石を握るためのものだった。
 マダガスカルにしかいないアイアイは、手の中指が異常に細くなっています。なぜか?それは、堅い種子の中味をかき出すためのものなのです。アンワンティボやポットーというアフリカの熱帯雨林に住むサルの手は、人差し指も中指も非常に短く、単なる突起でしかありません。これはケムシを常食とするため、ケムシの毛をこそぎとるのに適したように指が変化したのです。
 すべて生き物は主食を食べるのにあわせて手と指が変化しているということを明らかにしたこの本は、これまでと違った角度から、サルとヒトとの共通性をも明らかにしています。

静かなる戦争

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著者:デービット・ハルバースタム、出版社:PHP
 レーガン・ブッシュ・クリントン政権の内幕を情景描写、人物評をまじえて具体的に明らかにした本。
 レーガンは、複雑で鋭敏な思考、瑣末な情報や逸話の正確な記憶力をほとんどもっていなかった。レーガンの知っていたのはほんのわずかだった。しかし、彼の強みは、そのわずかなことに完全に忠実で、その正しさを微塵も疑わなかった。「小さな政府がよい」「政府は、できる限り個人の問題に干渉すべきでない」「政府の干渉がなければ、アメリカは再び偉大な国になれる」と固く信じていた。暗い時代だったから、自信にみちあふれたレーガンが歓迎された。
 ブッシュは湾岸戦争を数日間で圧倒的に勝ち90%の支持率を得たが、経済政策で国民の支持を失った。「謙虚」なブッシュは、スピーチ・ライターのつくった演説原稿に「私」という一人称単数を使うことを嫌がった。レーガンのまねをしてレーガンとはりあおうものなら、最悪の事態になりかねないことを十分承知していた。あくまでも自分らしくふるまおうとした。
 クリントンは速読が得意で、口頭の報告よりも、自分で書類に目を通そうとする。
 その育った家庭はアルコール中毒の義父のために崩壊寸前だったため、クリントンは争いのない「崩壊家庭」の緊張を和らげる方法を学んでいた。だから、同じような状況にあった民主党内のゴタゴタをまとめるのも容易だった。
 クリントンは、不倫問題などでマスコミに大いに叩かれたが、打たれ強かった。ただし、泣き言ばかりいう人間ではあった。ヒラリーも朝食のとき、マスコミの批判にことごとく反応してクリントンをいらだたせた。
 アメリカのマスコミはニュースキャスターがスターとなり、年俸800万ドルという、とんでもない高給とりになった。そして、ボスニアとかソマリアとか、国外のことはあまり取りあげず、娯楽と「内向き志向」になってしまった。
 アメリカの支配層の実像が容赦なく暴かれていくところは小気味がいい。日本には類書がないように思う。それにしても、こんなアメリカに日本がいつまでも言いなりになっていていいとは、とても思えない・・・。

『心』と戦争

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著者:高橋哲哉、出版社:晶文社
 福岡の小学校の通信表(通知表)に神社の絵があるなんて、知りませんでした。えーっ、と驚いてしまいました。「心のノート」をつくった主要なメンバーは、戦後の経済的繁栄は教育勅語のおかげだといっています。しかし、教育勅語で心の教育を受けたはずの人々が、あの侵略戦争の原動力になったのではないでしょうか?
 それにしても、いまの日本の報道は、なぜ、あんなにも画一的なのでしょうか。どの新聞も政府の統制を受けていないはずなのに、見事に共通パターンで大見出しも記事もつくられています。選挙が始まりましたが、小選挙区制の問題点にふれることもなく、ひたすら二大政党制による政権交代の可能性を追求し、弱者の視点からの報道を置き去りにしています。日本人に再び戦争への道を走らせる道具だてがつくられつつあることを実感させられる本です。

欺術

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著者:ケビン・ミトニック、出版社:ソフトバンク
 ケビン・ミトニックは「史上最強のハッカー」として有名だ。富士通もアメリカで被害にあっている。逮捕されて禁錮5年の実刑判決を受けた。2000年1月に連邦刑務所から出て、本年1月に保護観察期間も終了した。今では企業側に立ってセキュリティのコンサルタント会社を営んでいる。この本は、その立場で実戦的なハッカー対処法を明らかにしている。
 この本で紹介されている犯行の手口を読むと、たとえば、かかってきた電話の番号表示も簡単にごまかせることが分かる。アメリカの刑務所では、国選弁護人事務所とは直通電話回線がある(日本にはそのようなシステムはない)が、それを利用して受刑者が外部と自由に電話で話せるテクニックまで紹介されている。まさかと思う手口だ。コンピューターは便利なようで恐ろしいツールだと再認識させられた。

ニッポン人には、日本が足りない

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著者:藤ジニー、出版社:日本文芸社
 私はテレビを見ませんし、わが家にはテレビがありません。30年来のことですし、困ることはないのですが、ただ広告の話についていけないので当惑させられることがあります。この本の著者も「公共広告機構のテレビCMでおなじみ」とオビに紹介されていますが、私は見たことがありません。
 それはともかく、アメリカから日本の中学・高校の英語教師の助手としてやって来たアメリカ人女性が、スキー指導員の男性と知りあって結婚し、山形県の山奥の温泉旅館の女将として日本に定着したというのです。すごく勇気のある女性だとつくづく感心しました。彼女は今では和服も自分で着れます。また、それがとてもよく似合っています。そんな彼女から今のニッポン人には日本が足りないと指摘されると、なるほどと、ついうなずいてしまいます。山形県尾花沢市の銀山温泉です。団体客ではなく、個人のお客として行ってみたい温泉です。誰か行かれた方がありますか?ぜひとも泊まった感想を教えてください。

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