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百姓一揆の伝統

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著者:林基、出版社:新評論
 50年近く前の本がオン・デ・マンド方式でよみがえりました。百姓一揆なるものが、いかに組織的かつ計画的なものであったか、目を見開かされます。しかも、江戸時代の農民には読み書きが、かなり普及していました。
 代官所に一通の願書が届いた。なかには一、二、三、四、五、六、七、八、九、十そして三としか書いてない。どういうことかと訊くと、「一つ一つ申しあげます。二は苦々しく三年このかた、しじょうなききんで、五穀も、碌々みのらず、質におくやら、恥をかくやら、食はずに苦しむ、十ヶ村の難儀」という。ではそのあとの三は何かと続けて訊くと、「願人横川三蔵」と答えたというエピソードが紹介されています(川越地方昔話集)。
 久留米藩の20万人百姓大一揆についても触れられています。福岡県史資料にあるようです。自衛隊のイラク派遣など、平和憲法をふみにじる小泉政権の横暴を許さないため、ぜひ、この大一揆を今によみがえらせたいものです。

歌舞伎町ドリーム

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著者:世川行介、出版社:新潮社
 2002年末の時点で、日本にいるオーバーステイは22万人ほど。男女半々。一番多いのが韓国人で4万9000人。次にフィリピン人と中国人で、それぞれ3万人。
 ホスト稼業でナンバーワンをしていた男性の告白に心が揺さぶられました。
 ボクはホスト生活の中で、いや、それ以前から、肉体というものをナメてかかっていた。セックスなんて、なんぼのもんや、みたいに・・・。だけど、大間違いだった。人間にとって肉体ってものは、かけがえのない大切なものだった。ボクは、ナメた肉体に思いっきり復讐されてしまった。女を愛するといっても、何百人もの男たちにお金で抱かれた女の肉体を愛するってのは、口で言うほど簡単にはいかない。あれは無限地獄の世界なんだ。
 新宿歌舞伎町にうごめくヤクザや水商売の女性たちのホンネが語られています。まるでアナザーワールドのようですが、日本社会の現実がここにあると思うと、ゾクゾクッと身震いしてしまいました。

3分以内に話はまとめなさい

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著者:高井伸夫、出版社:かんき出版
 3分間でスピーチを頼まれることが、たまにあります。でも、さすがに1分間スピーチを20人ほどの国会議員を前でするように頼まれたときには緊張しました。このときには、話の要点のみをメモにして、原稿なしで本番にのぞみました。あとで「さっきは良かったよ」とお世辞を言ってくれる人がいてホッとしたものです。
 筆者は前もって原稿をつくらないそうですが、私は原則として原稿をつくります。もちろん、要点のみのときも多いのですが・・・。
 話し上手になるには、まず聞き上手になること。断定的口調、攻撃的口調を改め、ソフトな話し方に徹する。相手の心に残るためには、出だしをゆっくり話し始める。上手に話をするためには、映像による記憶収録と再生の訓練をするのがよい。
 役に立ち、考えさせられる本でした。

森に生きる人

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著者:寺嶋秀明、出版社:小峰書店
 コンゴ民主共和国の北側の大森林に住むピグミーの生活を伝える本です。
 ピグミーの人口は全部あわせても20万人。ピグミーは、体が小さく、肌の色は淡い黒色。丸顔で、くりくりした目をしていて、手足がちょっと短い。狩猟と採集の生活です。たとえばゾウをしとめたときには、人々は鍋とナイフだけをもって殺されたゾウのいるところまで引っ越していきます。そこでキャンプをつくって、1週間以上も祝宴を催すのです。
 ピグミーは森の蜂蜜とヤムイモさえあれば、それだけで生きていけます。植物性の食物は必要なだけ食べる。肉は食べられるだけ食べる。肉はおかずだけでなく、心も満たしてくれる。ピグミーたちは明日のことは心配しない。必要以上にとったり、貯めたりしないので、余分に働く必要もない。だから余暇もたっぷりある。たいてい、食物集めには、半日も働いたら、それで十分。
 食物を分かちあうこと、権力者をつくらないことが、狩猟採集民のキャンプ生活でもっとも大切なことであり、みんなが仲良く暮らすための秘訣になっている。ピグミーにとって財産とは、背中のカゴに全部入ってしまうほどのものでしかない。
 ピグミーは、目印のない森の中でもぜったい迷わない。方向感覚がすぐれている。ただし、夜には、それもあたらない。アフリカの熱帯雨林で心おだやかに毎日を暮らしているピグミーには、私たちも学ぶところ大のようです。

めざせロースクール、めざせ弁護士

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著者:宮澤節生、出版社:阪急コミュニケーションズ
 私が受けた30年前の司法試験受験生は2万人でした。うち500人が合格。2003年は出願者が5万人をこえました。2002年の受験者は4万1459人。合格者は1183人です。今年の合格者は1500人ですから、私のときの3倍です。それでも、5万人の受験生ですから、合格率はともかくとして、実質的には昔より難しくなっていると思います。受験者が多いということは、それだけ優秀な人が受けるようになったことを意味しているからです。
 金もうけがしたかったら弁護士はやるべきでない。有名な久保利英明弁護士がこう言っています。日本有数の高額所得者である弁護士が言うのですから、間違いありません。私もそう思います。ビジネスと割り切る人にとって、弁護士は手間ヒマのみを考えたら決して割のある仕事ではないのです。
 この本には、ニューヨークにある500億円もする高層ビルの売買や1機200億円のジャンボジェット機のリースを扱う弁護士の話も出てきます。九州の片田舎で仕事をしている私のような弁護士にとってはまるで別世界の話です。でも、そんな巨額の事件を扱わなくても、人それぞれです。やり甲斐のある事件は片田舎にもたくさんあります。私は、地道に人権と民主主義を大切にする弁護士として活動していくつもりです。

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