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洗脳選挙

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著者:三浦博史、出版社:光文社ペーパーバックス
 イメージ選挙を演出して何度も勝った実績を誇る選挙プランナーによる選挙必勝のマニュアル本です。選挙の裏側って、こんなことにもお金が動くのかと思うと嫌になりますが、事実から目をそむけるわけにもいきません。
 選んだつもりが、選ばされていた。サブ・タイトルにあるとおり、徹底して候補者について虚像のイメージを有権者に売りこみ、投票に駆りたてます。その手の内を知れば知るほど、有権者はもっと賢くならなければいけないんだな・・・と、つくづく思います。
 人の印象は目からの情報によってほとんど決まってしまう。人の印象を決めるのは、服装や身体の動きといった目からの情報が55%、声の調子や話し方が38%、話の中身が7%である。要するに、演説内容よりも外見が大切なのだ。だから、候補者には歩き方まで直してもらう必要がある。候補者は自分の十八番の演説をすればいい。街頭演説は、とにかく十八番を絶対に歌い続けること。演説の中身は関係ない。
 マニフェスト(政策)パンフは売れなくてもよい。売る姿勢が大切。
 選挙用ポスターの写真を選ぶときには候補者の要望は無視する。カメラマンも、いきなりポーズをとらせるようなのはダメ。はじめに30分ほど候補者と雑談し、候補者のいろいろな顔を客観的に見て、自然な顔を頭に焼きつける。そのイメージした笑顔がとれるようにシャッターを押す。これが本物のプロだ。
 選挙カーは、いつものウグイス嬢にまかせるより、男、つまりカラスボーイの素人っぽい熱意でやる方が今では受ける。
 選挙では、普段やっていないことは絶対にやってはいけない。奇をてらったパフォーマンスは、一時的に話題になっても、全体としては候補者にとってマイナスでしかない。
 アメリカの大統領選挙の投票日の3日前にビンラディンのテープが全米でテレビ放映されました。このビデオは、事前に押収していたテープを使ったブッシュ陣営の「最終兵器」だと著者は解説しています。ビンラディン・サプライズの効果でブッシュは大統領選挙に勝てたというわけです。これが本当なら、誤った世論操作もいいとこですよね。それでも、権力には「寛大な」アメリカでは、ほとんど問題になっていません。アメリカ国民は、それほどみな飼い慣らされてしまったのでしょうか・・・。
 それにしても、選挙プランナーがこんなにも活躍できるなんて、馬鹿げています。日本の有権者はもっと目を覚ます必要がある、しみじみそう思ったことです。

ストレスとうつ

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著者:徳永雄一郎、出版社:西日本新聞社
 日本人の自殺者は1978年から1997年までは年間2万人から2万5000人でした。ところが、1998年から年間3万人台になって、今日に至っています。男女比では男が72.5%。50代が25%、40代が16%、30代が13%です。働き盛りの男性の自殺が増えているのです。たしかに、弁護士である私も自殺のケースを扱うことがしばしばです。
 うつ病は人口の5%、軽いうつ状態の人は15%いるとみられています。年間35万人がうつ病によって退職し、軽いうつ状態を含めると105万人が退職していると想像されます。現在の高校中退者は8万2000人。高校生の5%がうつ状態に陥っているとすると、4200人がうつ状態で退学している可能性があります。
 著者は、うつ病を病気ととらえず、1人の人間の生き方が壁にぶつかったと考えて診察していると言います。有明海に面した「海の病棟」というストレス専門の病棟をもうけているのが全国的にも有名です。 私も見学したことがありますが、精神科の閉鎖病棟とはまったく違って、明るいホテルのような病棟でした。有明海の潮の満ち引きを窓からゆったり眺めることによって、自然の変化するリズムをじっくり身体で感じることができるのです。朝、のぼってきた太陽の光を全身に浴びて、自分が地球の生き物のひとつであることを実感することができます。そのことによって、それまで自分こそ社会の中心だと思って張りつめていた気持ちがふっと解き放たれていくのです。
 実は著者は、私の中学校のときのクラスメートなのです。おだやかな人柄です。うちの人間ドッグに入りに来いよ。頭のなかまで診てあげるから、と親切な言葉をかけられました。とんでもない。身震いして、ありがたくお断りしました。脳の異常がついに発見された、なんてなりたくありませんからね・・・。あなただったら、どうしますか。診てもらいますか。入りたいなら、紹介しますよ・・・。

先物地獄のワナを解き明かす

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著者:宮崎耕一、出版社:民事法研究会
 著者は法政大学経済学部教授。商品先物取引で大損をした人が知人にいて、その裁判に関わったことから、先物取引の実態を知り、このような本を書くようになったという。
 私は弁護士になってまもなくから先物取引被害の相談を受け、これまで20年以上にわたって、裁判をし、交渉をしてきた。今も進行中の事件が片手ほどある。
 先物取引は予測のつかない相場の世界。でも、間違いなく言えることは、長く取引をしていたら、確実に損をしてしまうということ。客は殺されもするし、自然死(自滅)もする。だから、なんでこんな客殺し商法が政府公認で存在しうるのか、不思議でならない。といっても、先物取引の会社に言わせると、証券会社もみんな同じ事をしている。なぜ、うちだけが目の敵にされなければいけないのか。年寄りが死蔵している金融資産を取引社会にひっぱり上げることで社会に大きく貢献しているのに・・・。
 うーん、そう言われたら、そうなんだろう・・・。でも、悪いものは悪いこと。巧妙なアプローチで近づき、甘言に乗せて大金をだましとる商法は許されないと思う。大勢の人に読んでほしい本だ。

企業情報はこんな手口で盗まれる

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著者:宮崎貞至、出版社:東洋経済新聞社
 元キャリア組の警察官僚だったせいか、著者が日本国憲法について「奴隷の平和」憲法だと悪罵を投げつけているのはいただけませんが、企業情報が盗まれている現実を知ることはできる本です。
 従来の秋葉原タイプのアナログ盗聴器だと、盗聴電波の監視装置ですぐ見つかってしまう。しかし、最近のモバイルフォンはデジタル波なので検知が難しい。だから、プリペイド式の携帯電話をオンにしてスパイを会議室にもぐりこませると、会議内容をリアルタイムで盗聴することができる。たとえば、携帯電話のバッテリーを、盗聴発信器を埋めこんだ別のバッテリーにすりかえたら、半永久的に盗聴できることになる。
 カメラ付き携帯が普及しているから、それで営業秘密を盗み出すのはしごく簡単になっている。会議のとき無線マイクをつかうと、かなり離れていても内容が傍受されている危険がある。無線LAN傍受器もはびこっている。
 名簿業者は1人あたり1円で情報を仕入れ、その100倍の1人あたり100円で販売する。個人情報で一番高く売れるのは金融系の借金履歴つきの顧客リストで、1人あたり1000〜2000円。デパートの外商の顧客リストは1人あたり500〜1000円。
 ファックスの信号傍受は、内容や宛先が正確なので、産業スパイの一番のターゲット。Eメールは、世界中で、100台以上のモニター機に監視されていると覚悟すべきもの。
 うーん、便利な情報化社会ですが、危険もいっぱいなんですね・・・。

司法改革

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著者:日弁連司法改革実現本部、出版社:日本評論社
 司法改革とは何だったのか。その全体像をふり返るためには不可欠の本です。いわば日弁連による司法制度改革「正史」ですから、あまり面白くないと言えば、そのとおりです。
 そのなかでは、久保井・本林という2人の日弁連元会長のインタビュー記事が読ませます。やはり、会長として2万人をこえる弁護士をまとめるうえで、相当の苦労をされたからです。
 法科大学院には、600人の弁護士が実務家教員として出かけているそうです。単なる予備校にならないように弁護士もがんばっているわけです。
 本林前会長は、今の世の中の変化の速さに即応した日弁連の対応ができるようになったことを最後に指摘しています。常勤の弁護士スタッフを抱えてようやく実現した課題です。これまでは東京のほかは大阪・京都くらいでしたが、九州からもスタッフを送り出せるようになりたいものです。
 とにもかくにも、刑事裁判が裁判員制度の導入によって大きく変わりますし、新しく労働審判制度もできました。裁判所改革にしても、外部の意見を反映するシステムがつくられましたので、その透明化はぐんとすすみました。形式ができても、運用がこれまでと同じでは困ります。司法改革は、まさにこれからが正念場なのです。その意味でも、この本は心ある弁護士にとって必読文献だと思います。

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