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ぼくの村は戦場だった

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著者:山本美香、出版社:マガジンハウス
 今年40歳になる日本人女性のフリージャーナリストが世界各地の戦場をかけ巡った体験レポートです。本当に勇気ある女性です。私なんか一ヶ所だって行く勇気がありません。
 彼女が行った国は、この本で紹介されているだけでも、アフガニスタン、ウガンダ、チェチェン、コソボ、イラクなのです。一つだけでも、ぞっとします。そこへ彼女は重いカメラ機材などを運びこみながら取材してまわったのです。うむむ、すごーい。
 タリバン支配下のアフガニスタンで、秘密の勉強会を取材します。大学生が、友人の家を転々としながら勉強していたのです。そこでは、女性にブルカを強制するのに対して、次のような怒りの声が上がります。
 私たちはズダ袋じゃない。頭から足先まで隠せなんて、女性の自由を奪うもの。イスラム法にそんな定めはない。
 アフガニスタンでは、ほとんどがお見合い結婚だ。子どものときに親同士が許嫁(いいなずけ)を決め、適齢期になると結婚する。親と親、家と家の結婚で、本人たちの意志はあまり反映されない。
 一夫一妻が認められている。4人まで妻を娶(めと)ることができる。ただし、妻には平等の生活を保障することが条件となっている。だから、実際には金持ちでないと無理。 ウガンダでは、子ども兵士の存在が深刻だ。LRAゲリラは、草木が生い茂る4月と収穫期の10月に子どもたちの誘拐と食糧の調達のために北部に侵入してくる。これまでに拉致された子どもは2万人以上、避難民は160万人。
 ロシアでは、何をするにも当局から賄賂を要求される。ウィスキーから現金まで、やる気の度合いをモノで証明しなければならない。
 チェチェンで死んだロシア兵は、政府発表によると4000〜5000人。実際にはもっと多く、1万人を超えるとみられている。
 イラクのサマワに日本の陸上自衛隊がいたとき、宿営地をぐるりと囲むように設置された9ヶ所のコンテナハウスを拠点にして、イラク人警備兵が24時間体制で警備にあたっていた。その数300人。無線はない。日本軍である自衛隊をイラクの民間人が自動小銃で守っていた。彼らは月給200ドルをもらっています。そして、今や失業してしまいました。
 サマワから自衛隊が撤退するときは、正門に地権者が補償を求めて押し寄せていたので、裏門から逃げるようにして出た。サヨナラ・パーティーも開かれなかった。
 先日の新聞に、サマワに行った自衛隊幹部が、日本には憲法9条があって戦争できないことになっているとイラク人に説明して安心してもらっていた。だから、憲法9条は大切だ。そう語った記事がのっていました。私も、まさしくそのとおりだと思います。
 著者の今後のご無事を心よりお祈りします。あまり無理しないで下さいね。

新・細胞を読む

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著者:山科正平、出版社:講談社ブルーバックス
 人間の身体をつくっている細胞を電子顕微鏡で美しい写真として紹介したものです。まことに人間の身体とは繊細かつ巧妙な化学工場そのものだと感嘆してしまいます。こんな精巧きわまりないマシーンを並の人間が自分の力でつくり出したとは、とても思えません。かといって神がつくり出したというには、あまり完璧でないのが気になってしまいます。
 紹介されているカラー写真を眺めているだけで、人体の神秘がよくよく伝わってきます。
 人間の骨の内部をとった白黒写真があります。破骨細胞というものがあり、古くなった骨をむさぼり食っている様子を示したものだというのです。あの硬い骨を食いあさる細胞がいるというのです。しかも、同時に、骨をつくってもいます。骨では、絶えずつくっては壊す営みが行われているのです。
 中年太りを大いに気にしている私です。自分の裸を鏡で見ることなど、滅多にありませんが、温泉に出かけたときに、つい見えてしまうことがあります。肥満度120%の突き出たお腹に、我が身体ながらおぞましさを感じてしまいます。間食もほとんどとらず、それなりに減量に努めているつもりなのですが、あと3キロ体重を減らしたいと思っても、まったく減ってくれません。このごろでは、体重計に乗るのも嫌やになってしまいます。
 脂肪細胞とは、大量に貯蔵した脂肪のために、自らの細胞要素が周辺に圧迫されて、細胞全体が大きく膨れあがった、そんな細胞だ。
 幼児期に大量の脂肪を摂取すると、脂肪細胞数が増加する。これは肥満予備軍になる。肥満にともなって脂肪細胞数も増えるらしい。そのうえ、脂肪細胞に蓄積された脂肪はなかなか放出されにくいので、それを減らすのは大変なこと。
 人間の舌を電子顕微鏡で見た写真があります。舌には無数のトゲがあるんですね。舌状表面には糸状乳頭がたくさんついていて、これで食物を引っかけて、のどの奥へと送ってやる。糸状乳頭は舌表面にある角質層がトゲのようになって覆い被さったものである。人間の舌は先が細くて鋭利な糸状乳頭がもっとも多い。
 ここまで人間の身体は分析され、目に見えるようになっているのか・・・。科学技術の進歩には感嘆せざるをえません。それでも、人間はガンなどの病気を服することはできていないわけです。楽しくもあり、考えさせられる写真集というか、本でした。

検証・国策逮捕

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著者:東京新聞特別取材班、出版社:光文社
 サブ・タイトルは、経済検察はなぜ、いかに堀江・村上を葬ったのか、です。検察庁は日本の政治を部分的にではあれ、左右しようという意欲と自覚を持つ官庁なのでしょうか。結果的にそうなった、というのなら分かりますが、はじめから、それを意図しているとなると、果たして、その能力と資格があるのか、私などは眉につばをつけたくなります。それほど政治に敏感な人間集団だとは、とても思えませんし、そんなに能力にすぐれた人々がつくっている組織だとも思えないからです。
 ところで、日銀総裁の福井俊彦は日本人の大人のモラルが地に堕ちていることを如実に示す典型の男です。こんな人間が日本銀行のトップとして君臨している限り、日本の指導層に日本人のモラルがどうのこうの、近頃の若者のモラル低下は嘆かわしいなどと言う資格はないでしょう。
 福井俊彦は村上ファンドに個人として投資していた。それを本人は、あまり大した金額ではないとした。実際にはどうか。村上ファンドに投資したのは1000万円で、運用益は1473万円。既に242万円を分配金として受けとっている。6年で元本の2.47倍になっている。これを大した銀額ではないと堂々と言いつのるのだ。信じられない。
 福井俊彦夫婦の総資産は3億5000万円。給与は年3641万円。このほかに年金 778万円をもらう。つまり、年収4419万円だ。それからすると、1473万円の利益なんて、大したことない金額なのだろう。でも、日銀トップがそんな感覚で果たしていいのか。
 村上ファンドの関係で問題となったのは福井俊彦のほかにもう一人、オリックス会長の宮内義彦がいます。なんでも民活と称して、抜け目なく肥え太っている典型的な政商です。オリックスは、2001年から、村上ファンドへの投資窓口として資金集めを代行し、手数料を受けとっていた。村上とは常に密接な関係にあった。
 福井と宮内を国会に参考人として招致せよと野党が要求したとき、宮内は「民間同士の自由な契約関係であり、国会にはそぐわない気がする」と言い逃れました。日本の政財界トップにこんなに低いモラルしかないのですから、下が悪くなるのもあたりまえです。上のほうで大金持ちたちがカネにあかせて堂々としたい放題をし、マスコミがたたくのも腰くだけになって、いつのまにかウヤムヤになってしまうというパターンが続けば、カネこそすべてという風潮が日本にまん延するのは避けられません。教育基本法を改正したのはこんな連中なのです。彼らの卑しい品性が次世代を担う日本の子どもたちに押しつけられてしまうのが、本当に心配です。
 村上の弁護人の中心が則定衛本東京高検検事長だというのを知って、あーあ、またヤメ検かー・・・、とついため息が出てしまいました。いえ、検察官を退職して弁護士になった人全部をけなすつもりはまったくありません。私も、立派なヤメ検弁護士を何人も知っています。それでも、スキャンダルのために検事総長になり損ねたような人物が村上の弁護人になったというのを聞くと、なんだか割り切れない気がしてしまうのです。
 ホリエモン逮捕によって、東京証券取引所の売買システムがダウンし、全銘柄の取引停止という前代未聞の事態に陥った。これは検察にとっても想定外の出来事だった。堀江の保釈は3ヶ月後、保証金は3億円。堀江の六本木ヒルズの家賃は200万円。勾留中に「沈まぬ太陽」(山崎豊子)を読んで感動し、保釈されたあと御巣鷹山にのぼった。
 ライブドアの個人株主は22万人にまでふくれあがった。
 ライブドアに対する特捜部の内定捜査について、本書は政治的な糸や世論の風向きは関係なかったとしています。しかし、国策捜査でなくても狙い撃ちされた感は否めないとしています。その点は、私も同感です。出る杭は打たれるという感じです。あまりに派手にやると叩かれるというのが日本の風土なのでしょう・・・。

豪商たちの時代

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著者:脇本祐一、出版社:日本経済新聞社
 団塊世代の日経新聞編集委員が書いた本です。さすがに新聞記者らしく、よく調べてあり、いろいろ勉強になりました。ただ、あえて難を言うと、少しゴテゴテと脈絡なしに盛り沢山になっていて、スッキリせず、読み難いところがあります。
 現代日本は世界有数の格差社会となり、金融資産を1億円以上もっている日本人が100万人いるということですが、江戸時代にもスーパーリッチの町人がいました。
 長者と呼ばれるには銀千貫、分限者は五百貫、金持ちは二百貫以上。銀を金に換算し、金1両を銀60匁とする。長者は1万7千両、分限者は八千両、金持ち三千両以上となる。 金一両を米一石、年貢は五公五民とすると、長者は三万五千石、分限者は一万五千石、金持ちは六千石に相当する。しかし、年貢米は籾を米にすると収量は半減するので、石高制にすると実質的に長者は七万石、分限者は三万石、金持ちは一万二千石の大名となる。
 こうやって具体的に数字をあげられると、江戸時代の大金持ちの町人というのは、並みの大名以上の存在だったということがよく分かります。
 江戸時代が外国に対して国を閉ざしていたと考えるのは大いなる誤認だ。著者のこの指摘に、私もまったく同感です。
 茶の湯で利休たちがお茶うけに使ったのは、シイタケやクリ、炒ったカヤの実だった。今日のような砂糖入りのお菓子になったのは江戸時代に入ってから。はじめ貴重な薬種として輸入された砂糖は、吉宗の国産化政策によって、讃岐や阿波で最高級品の和三盆が生まれた。
 1523年に中国の寧波で、堺が大内・博多連合と争った、寧波の乱というものがあったというのを初めて知りました。敗れた堺はやむなく南海路へ迂回せざるをえなくなりました。しかし、これによって種子島に鉄砲伝来したとき、堺にとってはかえってプラスに働いたのです。
 現代の華僑にあたる言葉を綱首と呼んだ。綱首は、13、14世紀に日宋貿易と博多の自治を担った。最初のチャイナタウンは長崎でも横浜でも神戸でもなく、博多だった。
 そうだったんですかー・・・。知りませんでした。博多にある妙楽寺の隣にイエズス会の教会もあった。うーん、なるほど・・・。
 江戸時代には、前半に人口爆発があった。江戸開府のころの日本人の人口は1200〜1500万人。100年後の元禄期末に2倍強の3000万人となった。そして、これは幕末までほとんど同じです。
 文化11年(1814年)、久留米藩と佐賀藩は米切手の不渡りを出してしまった。その額面は、なんと久留米藩は42万石、佐賀藩は20万石分にのぼった。ところが、両藩の大坂回米は、それぞれ最大でも年間7万石と6万石でしかない。
 町奉行所が仲裁して、切手を買った米問屋と蔵屋敷とのあいだで示談が成立した。久留米藩は100万石につき17万石を現銀で支払い、残りは20年の年賦とし、その間の利息は9年の年賦で返済する。佐賀藩は切手発行高の1割を毎年現銀で支払うが、そのうち35%を利息、65%を元本返済に充てるという内容。
 これは、実は米の販売を装った金融取引だった。久留米藩は空米切手事件を引き起こしたとき、堂島の米仲買から総計23万石という巨額の融資を受けていた。その多くは空米切手による借り入れだった。
 空手形の発行というのは、こんなに古くからあっていたのですね・・・。

小説家の庭

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著者:丸山健二、出版社:朝日新聞社
 同じ著者の「荒野の庭」「花々の指紋」(いずれも求龍堂)も読みました。すごい庭です。花と植物が実に生き生きと輝いています。丹精こめて育てている。いえ、慈しんでいるというのが、よく分かります。もちろん、写真のでき具合いが素晴らしいのもありますが・・・。
 私も、モノカキのかたわら、狭くはない庭に花や木を植えています。でも、日曜ガーデニングでしかありません。著者とは段違いです。それでも、わが庭に咲くのと同じ花がいくつかあって、それを見ると、ついうれしくなってしまいます。
 前二作とは違って、著者の家と庭の遠景が紹介されています。水田に隣りあわせていて、遠くに山並みが見えます。これは庭の手入れは大変だ。日曜ガーデニングで50坪ほどの庭の手入れだけでも、ひと苦労している私には、とても真似できそうもない作庭です。
 小さなミドリガエルが緑の葉っぱにちょこんと坐っています。わが家にもいます。梅雨どきになると、なぜか、わが家の門柱の上に毎年、同じように鎮座し、出勤する私を見送ってくれます。
 無限の変転を辿ってやまない動物と植物と鉱物・・・、周辺に満ちるエネルギーを素早く掠め取りながら、一瞬の今を懸命に生きている。
 年末年始、冬と思えない温かい陽気の下で、庭づくりに励みました。畳一枚分を掘りおこし、枯れ草と生ゴミをすきこんで、土を元通りかぶせて、植え替えをします。
 同じ球根でもチューリップは一年しかもたないのがほとんどですが、水仙などはぐんぐん仲間を増やしていきます。庭が水仙だらけになるのも困りますので、間引きせざるをえません。例年なら、庭づくりをしている私のすぐ近くにジョウビタキがやって来て声をかけてくれるのですが、今年は残念なことに通り過ぎてしまいました。
 青紫色の華麗な花を咲かせるジャーマンアイリスがあります。わが庭にも咲きます。人手をかけることを嫌う丈夫な花です。放っておくのが一番いい栽培法です。こんな説明をして、知人の庭にたくさん嫁入り(婿入り)させました。たいてい無事に育っているようです。前に、どなたかトラックバックで、この青紫色のジャーマンアイリスの気品にみちた花の写真をのせていただきました。また、お願いします。
 島根に住む心優しい同期の弁護士から正月牡丹をもらいました。2度目です。何年か前にもらった牡丹は、今でも春になると妖艶な濃赤紫の花を咲かせてくれます。春に咲く牡丹を園芸店のほうで正月に咲くように仕掛けがしてあるようです。今度の牡丹は甘いピンク色の花です。
 ガクアジサイ、クリスマスローズ、クレマチス、わが家にあります。いずれも私の大好きな花なので、庭のあちこちに植えています。
 テッセンとも呼ばれるクレマチスは、赤紫色の花も風情があっていいものですが、その純白の花も見ているだけで心が洗われる気がしてくるほど素敵です。
 年末年始にクワとスコップをふるい過ぎて、右腕が痛くなってしまいました。何ごともほどほどが良いのでしょうが、つい夢中になってしまいます。ともかく心地よい一瞬一瞬なのです・・・。

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