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カテゴリー: 社会

サイエンス・インポッシブル

カテゴリー:社会

                                (霧山昴)
著者  ミチオ・カク 、 出版 NHK出版 
 科学の進歩が、毎日の生活にどのような影響をもたらすのかを論じた本です。なるほど、なるほど、と思いながら読みすすめました。
 ウソ発見器は、自分の行為に何らの罪悪感を覚えない異常人格者には通用しない。
 たとえば、CIAにいた二重スパイのオールドリッチ・エイムズは、数十年にわたってCIAのウソ発見器による検査を何度もくぐり抜けている。
 また、50人近い女性を殺した連続殺人犯のゲーリー・リッジウェイも検査をうまくすり抜けている。ウソ発見器は、不安の程度しか測れないのだ。
 長期間の宇宙旅行をすると、身体から貴重なミネラルや化学物質が予想以上に早く失われてしまう。厳しい運動の日課をこなしても、宇宙ステーションに1年も滞在したロシア人宇宙飛行士は、骨や筋肉が大幅に衰え、骨の劣化、赤血球生成量の減少、免疫反応の低下、心血管系の機能低下が避けられない。
 本書では、セブンデー・アドベンチスト教会、そしてエホバの証人についても触れられています。
 アメリカで、ウィリアム・ミラーが1,843年4月3日に最後の審判の日が訪れると予言した。1833年に最大級の流量雨が華々しく夜空を照らしたので、ミラーの予言は、威力を高めた。
 しかし、なにごとも起きなかった。そこで、次には1874年、さらに1914年、そして、今は・・・?
 セブンスデー・アドベンテスト教会の信者は1400万人、エホバの証人は600万人もいる。その分派は、1993年、FBIと対決して、27人の子どもをふくむ76人の信者と教祖のデイヴィッド・コレシュが焼死した。
 世界は不思議にみちみちています。しかし、それがカルト(宗教)とつながるかと言えば、それは違うでしょう。不可能なことを可能にするのも限度がありますよね・・・。
(2012年11月刊。2400円+税)

荒木飛呂彦の漫画術

カテゴリー:社会

                               (霧山昴)
著者  荒木 飛呂彦 、 出版  集英社新書
 私は、目下、40年以上も前の弁護士見習い(司法修習生)のころを小説にすべく挑戦中なのです。これは「法服の王国」に触発され、また、江上武幸弁護士(久留米)にけしかけられて思いたったのです。
 小説というからには、読まれなくてはなりません。毎年500冊以上の単行本を読んでいる私ですので、読み手の気持ちは、しっかり理解しているつもりです。やっぱり、なんといっても、ハラハラドキドキ感が必要です。この次は、どんな展開になるのだろうか・・・という緊張感をもって頁をめくる楽しさが欠かせません。そして、読み終わったときのホッとする安堵感が大切なのです・・・。
 とは言っても、それを文字にするのは大変です。口で言うほど、やさしくはありません。
 この本は、漫画家が、その企業秘密を惜しげもなく公表しているので、とても勉強になりました。
 キャラクターを作る時には、絵になる前に、必ず身上調査書を書く。これによって、キャラクター造型に矛盾を感じさせる事態を防ぐことができる。
 身上調査書は、キャラクターの属性という、あいまいで目に見えないものを可視化する。
 私も、7巻ものの長編小説を書くときには、私なりの身上調査書をつくっていました。しかし、書いているうちに、どんどん話が発展していって、矛盾は避けられませんでした。それが、プロとアマの違いなのかもしれません・・・。
 ストーリーつくりの鉄則は、主人公をなるべく早く登場させること。
読者が求めているのは、アゲアゲのプラス・ストーリーである。がんばっても、がんばっても勝てないという、マイナス続きの本は、誰だって読み続けたくはない。
 そうか、そうなんだ・・・、と反省せられました。読み手の気分や感情にあった本を書こうと思いました。
 セリフは、自然体であること、これに尽きる。
 モノカキを自称する私にとって、とても役立つアドバイス満載の新書でした。
(2015年4月刊。780円+税)

清張映画にかけた男たち

カテゴリー:社会

                               (霧山昴)
著者  西村 雄一郎 、 出版  新潮社
 面白い本でした。というか、映画好きな人には、たまらない魅力あふれる本です。そして、九州は佐賀に少しでも関わりがあれば、読みはじめたら止まらない本なのです。
 たとえば、私の幼いころの映画館での記憶です。「クラマ天狗」の映画です。シューサク少年が危機に陥ったとき、「クラマ天狗」のおじさんが白馬に乗って街道を走って少年を助けようと駆けていく場面になると、映画館にいる人々が総立ちになります。走れ、走れ、がんばれー・・・。そのあふれる熱気は、今も忘れることが出来ません。画面上の人々と映画館内の人々は一体だったのです。
ですから、私が弁護士になってまもなくのとき、東京の銀座で、映画「男はつらいよ」を静かな雰囲気で観て、ええっ、違うんじゃないの、これはっ・・・と、すごい違和感がありました。
 それはともかく、この本は松本清張原作の「張り込み」を佐賀でロケしたときのことが中心に書かれています。なにしろ、佐賀ロケを観ようとして、3万人もの人々が佐賀市内に押し寄せたというのです。
 私より少しだけ年齢(とし)下の著者ですが、私も、そのころの時代雰囲気はよく分かります。テレビなんてありませんから、映画をみるというのは最高のぜいたくです。その映画をとる現場が観れるというのであれば、みんなが観に行くのも当然です。
 著者は、その佐賀ロケのときに映画スタッフが泊まった旅館の子どもだったのです。
 松本清張の妻の実家は、佐賀県の吉野ヶ里に近い神崎(かんざき)駅の近くにあった。
 このあたりの情景をよく知っているから、清張は「張り込み」の情景描写につかった。
「張り込み」の女優は、あの有名な高峰秀子なんですね。「24の瞳」の高峰秀子が、「張り込み」にも主演していたとは、知りませんでした。
 この映画「張り込み」の監督は、野村芳太郎。当時38歳。「絶対に妥協しない」と高言して撮りはじめた。撮影期間は3ヶ月のはずだったのに、なんと7ヶ月も遅れた。その間、撮影「中止」に2回もなっている。
 「張り込み」のときには、山田洋次も、フォース助監督だった。
 野村芳太郎は、早撮りの監督と思われていた。ところが、この「張り込み」では、まったく違った。
 映画の「張り込み」の撮影にあたっては、佐賀県と佐賀市が全面的に協力した。
 佐賀警察署の場面を撮るシーンではクレーンが使われた。このとき、それを観ようとやってきた野次馬は、なんと1万人。観光バスを仕立ててやってきた。おかげで、佐賀市内は臨時に商品が大いに売れた。
 野村芳太郎監督は酒はダメ。甘いものもダメ。タバコとコーヒー党。
 山田洋次監督も、師匠の野村監督と同じで酒を飲まず、コーヒー党。
 九州ロケは、当初は、わずか10日間のはずだった。それが1ヶ月半をこえていた。佐賀だけでなく、熊本の温泉にまで足を延ばしていた。
 映画人の映画にかけている愛情の深さがよく分かる本です。
 それにしても、佐賀市内のロケ現場に1万人とか3万人の見物人が集まっていたなんて、今では想像もできませんよね・・・。
 映画好きな人、清張の本なら一通り読んだという人には欠かせない本だと思います。
(2015年11月刊。2000円+税)

スギナの島留学日記

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                             (霧山昴)
著者  渡邊 杉菜 、 出版  岩波ジュニア新書
 高校生活というのは人格形成にとって、とても大切な時期だと思います。受験にだけ追われるのではなくて、自然と社会の双方に目を開けることが大切です。
 この本は、私がまだ行ったことのない隠岐(おき)にある島前(どうぜん)高校で学んだ、兵庫県出身の女子高生の体験記です。わー、うらやましいな、そう思いました。
 島根県立高校です。そして、寄宿舎があるのです。女子寮に40人、男子寮に25人います。なぜ、男子より女子が多いのでしょう・・・?
 食堂は男女共同です。私も大学に入ってから3年間ほど寮生活を送りました。うち2年間は、6人部屋でした。楽しい日々です。今ふり返っても、天国のような日々を過ごしました。いじめなんて、もちろんありません。みんな、上も下もなく、仲間です。マンガ週刊誌をまわし読みし、夜食を食べに夜遅く寮の外へ出かけていきました。大学生ですから、門限なんて、もちろんありません。20歳前でしたけど、アルコールも制限なし、です。
 高校生の寮だと、そういうわけにはいきません。勉強時間も決まっています。でも、写真を見ると、本当にみんな楽しそうです。
 この高校では、国語、英語、数学の授業は習熟度でクラス分けされていて、一人ひとりに応じた授業を受けられる。先生は、生徒一人ひとりが、どういう状況にあるのか、しっかり把握している。すばらしいですね。こんな高校で勉強したいですよね。なにしろ、先生1人、生徒4人という授業もあるというのですから・・・。
 1学年50人、全学年2クラス。1年生は、実質3クラス、2年生は4クラス。こりゃあ、たまりません。県立高校で、これほど手厚い授業を受けられる生徒は、幸せです。
 休日も充実しています。島の人々との交流も盛んです。人々との深いつながりを実感できるのです。まさに夢のような高校生活を過ごすことができます。
 私も、もっと早く知っていたら、こんな高校に我が子を入学させたかったと思いました。
(2014年12月刊。800円+税)

「わたしの日本語修行」

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                             (霧山昴)
著者  ドナルド・キーン 、 出版  白水社
 ニューヨークで生まれて、ニューヨークで育った著者が、今は日本に住み、日本語ペラペラなのです。
 あまりにも成績優秀なので、著者は大学には16歳で入りました。信じられませんね。高校生が、そのまま大学に入ったというようなものですね・・・。
 著者は、徹底した反戦主義者です。にもかかわらず、海軍の日本語学校に入学します。でも、平和主義者であることと海軍へ入ることに著者は矛盾を感じませんでした。日本語を勉強するために日本語学校に入ったというだけなのです。軍隊については、何も学びませんでした。
 わずか11ヶ月で、日本語の新聞を読み、手紙を書き日本語で会話できるようになりました。すごいですよね、日本語をマスターするのに1年もかからなかったというのです。とんでもない速さです。
 海軍の日本語学校では、日曜日を除いて毎日4時間の授業があった。2時間は読解、1時間は会話、そして残る1時間は書き取り。一番むずかしかったのは、書き取り。
 そして、ハワイに派遣されて、日本兵の日記の解読に従事した。
 日本人の日記に感銘を受けた。日本兵は、新年ごとに日記を支給され、日記を書くことが、むしろつとめとされていた。外国人が日本兵の日記を読むことへの警戒心はなかった。
 兵士は、自分の本当の気持ちを書いたので、夢中になって読んだ。兵士のなかには、自分の死を覚悟し、これがアメリカ兵によって発見されることを見こして、最後の頁には英語で伝言が記されていた。
日本語を勉強するときには、はじめから漢字と一緒に覚えたほうがいい。はじめはローマ字のテキストを使うというのには反対だ。
 すごいアメリカ人がいたものですね。これでは、日本はアメリカに勝てるわけがありませんよね・・・。
(2014年11月刊。1800円+税)
 日曜日の午後、庭のジャガイモを掘りあげました。2月に植え、早過ぎてダメかと心配しました。地上部分の葉と茎が枯れたので、梅雨に入る前に掘りあげることにしたのです。立派なジャガイモがたくさんできていました。感動します。メークインとキタアカリです。さっそくオーブンで焼いて、バターをのせていただきました。昔、札幌の街頭で食べたジャガバタを思い出し、あつあつを美味しく食べました。至福のひとときです。
 暗くなってホタルを見に行ったのですが、途中の道路工事現場で足をすべらせ、地面に顔面を激突させてしまい、せっかくの美顔が台無しです。
 とっさに手を出して顔をかばえなかったのは、やはり反応が鈍くなったせいでしょう・・・。クスン。

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