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カテゴリー: 社会

空のプロの仕事術

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者 杉江 弘   出版 交通新聞社新書
 
月に1回か2回は上京しています。もちろん飛行機を利用します。本心は、飛行機は怖いのですが、もはや新幹線に乗って上京しようとは思いません。時間がかかるうえに疲れてしまうからです。大学時代には、上京するときは寝台特急「みずほ」を利用していました。夕方ころ出発して、翌朝遅くに東京に到着していたと思います。今では、このブルートレインはなくなってしまいました。
私の身近には、飛行機は怖いから乗らないという人が何人もいます。その一人、福岡の弁護士は、北海道まで新幹線を乗り継いで行ったというのです。すごく疲れたことでしょうね、、、。飛行機は、なんといっても安全を第一にしてほしいと思います。
アメリカの政府専用機、いわゆるエアフォースワンは、エンジンが4基あるボーイング747の200Bを使っている。なぜか? 安全性で優れているから。エンジンが4基あると、一つのエンジンが故障しても、残りの3基のエンジンによって目的地まで飛行できる。エンジンが2貴だと、一つのエンジンが故障したら、ただちにも最寄りの空港へ緊急着陸しなければならない。シベリア大陸の上を飛んでいたら、なかなか空港は見つからない。太平洋上だと海上着水しか選択肢はないこともありうる。
エアフォースワンには、航空機関士1人、航空士1人も搭乗して、2人のパイロットとあわせて4人で運航している。
日本のボーイング新型機は、エンジン2基で、パイロット2人でしかない。本当に大丈夫なのだろうか、、、。
航空会社の経営陣にとって、コスト削減で一番かんたんなのは整備費を少なくすること。今では、自主整備をしている会社は一社もなく、すべて整備専門の会社に外注している。これでは自社に人材が育たない。育つはずがない。
飛行機の運航の安全性を確保するうえで大切なものの一つに労働組合を尊重し、きちんと対話することだと思います。労組を統制の対象としてしかみない古いやり方から一刻も早く脱してほしいと思います。『沈まぬ太陽』(山崎豊子)を読んだとき、JALの理不尽な労務政策を知って怒りを燃やしました。今もJALとたたかっている人たちがいます。私は飛行機に乗るたびに、彼らが現場作業を監視してくれていると感謝しています。
飛行の安全性は、ぜひ今後ともぜひ厳守してほしいものです。
(2015年2月刊。800円+税)

徹底批判!カジノ賭博合法化

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者 全国カジノ反対連絡協議会   出版 合同出版
 
日本はすでに世界一のギャンブル大国と言われる。パチンコ、スロット、競輪、競馬、競艇、オートレースと、、、。
全国のパチンコ店は、減ったといっても、まだ1万2000店以上もある。
カジノの収益の90%は、10%のギャンブラーに依存している。大金を賭ける優良顧客は10%であり、優良顧客をいかに確保するかがカジノ収益を左右する。
カジノ企業は、1人でも多くの客をギャンブル依存の状態に誘導し、「滅びるまで賭け」させ、限られた「優良顧客」から高収益を得ている。
アメリカでは、一般受刑者の30%がギャンブル依存症だと言われている。
日本ではギャンブル依存症の60%に500万円以上の借金がある。
日本にカジノを設置しようとしているのは、日本に来る外国人の金持ちが狙いではない。あくまで、日本人ギャンブラーからお金を吸い上げようというもの。ここをカジノ協議連盟などのカジノ推進派はごまかしている。
カジノの「経済効果」とは、「不幸をまき散らすビジネス」でしかない。
カジノの実現を狙う議員の多くは、戦争法案の推進派でもあります。根っこはひとつ。自分の金もうけのためには、国民の多くが不幸になってもかまわないという我利我利亡者であるということです。情ない連中です。
   (2014年8月刊。1200円+税)

作家で10年生きのびる方法

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  鯨 統一郎 、 出版  光文社
 本格推理小説の第一人者が、売れる作家を10年続けてきた内幕を明らかにした体験的小説です。モノカキ志向で、今も小説に挑戦している私にとって、ヒント満載の本でもありました。
スタートは1998年(平成10年)です。
 「北方謙三のような緊迫した文章が書けるか?」
 「大沢在昌のように読者を引っぱっていくテクニックを理解しているか?」
 「若者のようなみずみしい感性はあるのか?」
 「熟練工のように人をうならせる技(わざ)はあるのか?」
 「活躍している作家たちは、みな独自の武器を持っている。これだけは、ほかの作家には負けないという武器を。それで、キミは?」
 せっかくデビューしても、半分以上の作家は1年後には消えている。毎年400人の作家がデビューしている。
 赤川次郎や西村京太郎のような流行作家は、1日に12枚ほど書いている。
 梶山秀之は、月産1200枚。1日40枚。黒岩重吾は月産1000枚。笹沢佐保は1500枚。そして松本清張は月1000枚だった。
 ミステリ小説では、冒頭に魅力的な謎を提示する。すると、読者は興味を持ち、先を読みたくなる。
 出版社は、ボランティアではない。商売だ。利益が出ると思うから作家に発注する。
なるべく読点を使わず、文章をつづるのが基本だ。読点が多いほど文章の流れが悪くなる。流れるように読んでいた文章に読点があると、そこで流れが止まる。その判断方法は声に出して読んでみること。そうすると、流れがいいかどうか、たちどろに分かる。
 インプットなくして、アウトプットなし。子どものころから読んできた膨大な小説のおかげで、文章が書ける。子どものころから親しみ、摂取してきたマンガ、テレビ、映画のおかげだ。それで摂取してきた文章、物語、ストーリーが脳に蓄積され、無意識のうちにしみ出してくる。
 取材旅行には、ノートパソコンの類は一切もっていかない。旅行は、心身ともに新鮮になる機会だから、パソコンは持っていきたくない。
 小説を書いているのは、書きたいものを書くため。すべて自分の趣味なのである。
 ぼくの趣味と一致する趣味を持つ人がいて、きっと読者になるはずだ。
 書くときには、あらかじめプロット(アラスジ)を組んで書くのだが、興が乗ると、プロットのことなど頭から消し飛び、書きながらプロットとは別の展開が頭に浮かび、それを真剣に検討する間もなく、勝手に物語を書きつづってしまうことがある。ライダーズ・ハイという。
 とても役に立った小説の書き方、ハウ・ツーものでした。
(2015年6月刊。1500円+税)

禁忌

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  浜田 文人 、 出版  幻冬舎
 ハードボイルド小説です。私は、東京・銀座の夜の世界がどうなっているのかが知りたくて、読んでみました。
 今から20年以上も前のことになりますが、銀座のクラブでひとときを過ごしたことがあります。もちろん、東京の知人の弁護士がおごってくれたのです。そのとき、私が福岡出身だというと、何人かのホステスが長崎のハウステンボスには行ったことがあると言うのです。
 ハウステンボスは、愛人を連れた東京の金持ち連中の不倫旅行の格好の舞台だということを、そのとき知りました。たしかに、「ホテル・ヨーロッパ」は、そんなしゃれた雰囲気でした。HISの経営になって大衆化してからは、どうなっているのでしょうか・・・。
 銀座のクラブホステスの半分は精神を病んでいる。いつクビになるのか、ひやひやしながらの毎日だから、精神病を患うのも無理はない。
 銀座のホステスの7割は彼氏がいない。精神的に余裕がないうえに、時間の余裕もない。昼間は電話とメールで営業、深夜は強制のアフターがある。
 この10年来、東京都内の自殺者は年間2500人をこえている。1日に約7人。そのうち女性が3割。男性では50代が突出している。
 クラブのセット料金は1万5千円。それにボトル代とドリンク代を足した金額を純売上げという。これがホステスの日給の対象になる。純売上げにいろんなチャージをつけ、50%のサービス料を加算した金額が客への請求額となる。
 クラブで客に多額のお金を使わせるためには、高いシャンパン、たとえば1本35万円のドンペリや、高額ワインを注文して飲ませる。10万円のシャンパンを2本あけると、客は20万円ではなく、いろいろチャージが付加されて40万円の請求を受ける。
 一人のホステスの総売上が200万円だとすると、もろもろ差し引かれ、手取りで月80万円となる。クラブのホステスの在籍が50人として、1日の出勤者は35人。ホステスの8割はヘルプで、ヘルプは週に3日か4日、出勤する。
 月の売上げが150万円未満のホステスをヘルプという。ヘルプの平均日給は3万3000円ほどで、月の手取りは40万円。
 ヘルプのホステスがまじめに仕事をしようとしたら、貯金するのは、ます無理。ええっ、月収40万円でも貯金がたまらないのですか・・・。
銀座で年俸1000万円をこえるホステスは全体の5%未満。ホステスの平均年収は、上場企業の女性正社員と同じくらい。ところが、手取り分から、衣装を購入し、出勤前に美容室に行く。顔や身体の手入れにもおカネがかかる。
クラブでホステスしていても、客との会話が苦痛で、同僚の女性との折り合いが大変だと思う女性は、人間関係に神経をつかわないですむ性風俗店にくらがえしていく。
 東京都内には、ソープランドや、ファッションヘルス、ピンクサロン等の性風俗店で働く女性が急増し、現在では3万人をこえると推定されている。いや、十数万人になるという説もある。
 銀座の夜の世界には、もう一つ、金持ちヤクザははびこっているようです。超大銀行と暴力団との腐れ縁は昔から有名ですが、最近ではIT企業のトップなどとも暴力団はつながっているようですね。そして、そこに退職した警察官と実は現役の警察官までがからんでくるのです。まったく、いやになってしまいます。
 そんなことを考えさせてくれる警察小説でもありました。
(2015年4月刊。1600円+税)

新・観光立国論

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  デービッド・アトキンソン 、 出版  東洋経済
 日本の観光産業を振興するための積極的提言がなされている興味深い本です。
 国内の観光需要を格段レベルアップするにはまずはゴールデンウィークをなくすべきだというのは、私も大いに賛成です。昔のリゾート開発のときにも、提唱されていましたが、歴代の自民党政権は祝日を増やすことしか考えていません。これでは観光産業を育成することにはなりません。日本人が、もっと仕事を休めて旅行できるようにしないと観光業の発展はありません。ゴールデンウィークは集中豪雨型の忙しさをもたらし、それがすぎると閑散としている、というのでは良質なサービルを提供できるはずもありません。
 日本が観光立国を目ざすなら、ゴールデンウィークは廃止すべきだ。国内観光客が一時期に集中するのは、観光ビジネスにとっては大きな障害となる。ゴールデンウィークの廃止によって国内観光客が均されれば、もっと大胆な設備投資が出来、観光業が産業として成立しやすくなる。
 東京オリンピックを招致するときの滝川クリステルの「お・も・て・な・し」とひと文字ずつ区切って話したのは、良くなかった。あれは、相手を見下している態度と受け取れる。日本人は絶賛したが、ヨーロッパの見方は全然違う。
 うひゃあ、知りませんでした・・・。
 日本に「高級ホテル」がないという指摘には、腰が抜けそうなほど驚きました。
 皇居の周囲にできたペニンシュラなどの一泊40万円とか50万円(本当はもっと高い?)というのは超高級ホテルは泊まったことがありませんし、泊まろうとも思いません。ところが、この本によると、世界のスーパーリッチ層にとっては、安すぎて泊まろうとは思わないのだそうです。
 では、いくらのホテルにスーパーリッチは泊まるのか?
 1泊400万円とか900万円というホテルに泊まるのです。
 いやはや信じられない金額です。そう言えば、東京都内で遊ぶときには、遊園地を「貸し切り」にしてファミリーで遊ぶのです。とても想像できない世界です。
 日本人は、日本という国が観光後進国であることをもっと自覚せよと警鐘を乱打しています。なるほど、と思いました。外国人観光客1300万人というのは少なすぎるのです。
日本人は観光アピールを勘違いしている。
 気候、自然、食事をもっとアピールすべきであって、治安がよいとか電車が正確とか自動販売機が町にあふれているということで外国人が日本に来るわけはない。
 目からウロコの本でもありました。
(2015年7月刊。1500円+税)

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