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カテゴリー: 社会

灘・東大理Ⅲの3兄弟の母が教える中学受験

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  佐藤 亮子 、 出版  カドカワ
 私自身も、私の三人の子にも「中学お受験」なんて考えたことはありません。
 この本を読むと、楽しく勉強して子どもが伸びていく、そして勉強は楽しいと思える接し方があるんだなと実感させられます。著者をけなすネット社会での声もあるようですが、それは著者の本をきちんと読んでいないからではないのかなと、私は考えています。
 子どもと一緒に楽しい勉強を続ける秘訣が満載なので、読んで損をすることはありません。なにも著者のやったこと、言っていることを全部が全部、実践することはありません。自分でもやれそうだな、そう思ったところをやればいいんじゃないでしょうか・・・。
 受験は、ラクに楽しく、そして絶対に合格のがポイント。なるほど、なーるほど、そうですよね・・・。
 子どもたちの受験勉強の世界には一切登場しないパパは優しい性格です。私も同じ弁護士として、よく知っていますが、パパが中途半端に関わらないで、ママ(妻)をバックアップするのに徹したことが良かったのだと思いました。
 私も小学4年生から近所の塾に通いましたが、何のための塾なのか、よく分からないまま、続けました。著者の長男も同じです。著者は、初めにこう言いました。
 「うちは中学受験は考えていないから、いやだったら、すぐにやめていいわよ」
 ところが、長男は、塾からニコニコ顔で帰ってきたのです。「楽しい、楽しい。算数の問題が面白い」と言って・・・。私も小学生の算数のツルカメ算などを学び、それなりに面白いと思いましたが、塾はそれほどの刺激はありませんでした。
著者は、10年間にわたって、中学受験生の母の生活を続けたのです。偉いですね、タフですね。なにしろ、一日の睡眠時間が3~4時間というのでも、倒れることなく続けたのですから・・・。
 人間の価値は、その人の地位や職業とは関係ないと考えて生きてきた。ただ、その子のもっている能力を最大限に生かしてあげるように育てたいと考えた。
社会人としていい仕事をするには、基礎知識や思考力が不可欠だ。
 ちょっとずつ成績を上げていく戦法。惜しくも間違った問題を正解することで、ちょっと点をあげるようにする。
 子どもにとって、本当に頼れる道連れになるためには、点数が悪いときこそ、寄り添ってしっかり手をぎゅっと握ってやる。
他の子と比較するのではなく、我が子のできない部分を見直して、子どものレベルを上げるしかない。我が子のことだけを考えればいい・・・。
きれいすぎるノートは、ムダ。受験は効率が一番。
 元英語教師の著者は、早期の英語教育には意味がないという考えです。私も同感です。大事なのは英語力より国語力。論理展開する力を身につけること。この点は、私もまったく同じ意見です。英語はダメ、フランス語が少しばかり(フランスで旅行するのが、なんとかなる程度)話せる私ですが、なんといっても論理的展開力こそ必要なものだと痛感しています。
 今回も後輩の佐藤弁護士に贈呈(実は、強要しました)を受けて一読しました。あなたの子育てに役立つヒント満載の本として、おすすめします。
(2016年3月刊。1300円+税)

漫談で斬る、自民党改憲案

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  小林 康二 、 出版  新日本出版社
 老後、定年退職したあと、何をするか、それが問題です。そして、そんなことは40代や50年代では考えられません。ましてや、30代のときなんて、発想の外でしかありません。
 ところが、時は等しく、あっというまに過ぎていきます。私も、はっと気がついたら、還暦なんて、とっくの昔のこと。今や、古稀が近づきつつあります。うひゃあ、お、おとろしい・・・。
 定年を楽しく過ごすための三条件。その一、健康でなければ自由は手に入らない。70代も後半の著者は週に3回もジムに通い、1時間半は汗をかいている。その二、じぶんのやりたいこと、課題・目標・夢を明確にして、その実行ノートを枕元に置く。大切なことは継続。その三。すこしばかりのお金を確保しておく。妻に退職金を全額渡してはいけない。
 私は、週一回のスイミング。30分間に自己流のクロールで1キロを泳ぎます。これで体調が分かります。その二、毎日の書評ノートを15年以上続けていますし、ときどき本にまとめています。その三、お金も少しばかり自由になるお金がありますので、出版したり、本の広告を出したりしています。
 著者は労働組合一筋で生きて31年間。55歳のときに組合専従を勇退し、笑作家として演芸の世界に入った。そから21年たつ。全国に励ますの笑いを届ける「笑工房」を設立してからも18年がたつ。この18年間、9人の作家で、100本以上の新作をつくってきた。売上はトータルで3000万円、かの吉本興行に、あと499億7000万円だけ足りない。「あと一息」というところ・・・。まあ、ものは言いようです。
 台本を書くときの注意は三つだけ。あまりに非実現的だと、客が引いてしまう。やたらギャグを連発すると、作品の質が低下する。メッセージを詰め込みすぎると、理屈くさくなって、面白みに欠けてしまう。
 戦後の日本国憲法になってから今日までの70年間に、日本は一度も戦争をしたことがない。ところが、明治憲法が制定されてから、第二次世界大戦が終了するまでの56年間に、日本は海外で8回、平均すると7年に1回の割合で戦争をしてきた。
 アメリカは、もっと好戦的で、1950年の朝鮮戦争以降、2013年までの63年間に、30回以上、平均すると2年に1回は戦争や紛争を起こしてきた。
 そして、日本に協力・加担するように求めてきたが、日本政府は9条を口実として断ってきた。
 国のやるべきことは、戦争になったらどうするか、なんていうことではなく、戦争にならないようにする、そして地方自治体への、きめこまやかなアフター・フォローではないでしょうか・・・。
 大阪の大川真郎弁護士からプレゼントしていただきました。笑いながらケンポーを学べる内容になっています。
(2016年4月刊。1200円+税)
 熊本に行ってきました。驚きました。JR熊本駅でタクシーに乗ろうとしたら、タクシーが1台もいないのです。結局、20分以上も待たされました。今、保険会社が損害(被害)査定のために1日2万5千円でタクシーを借り出しているこのあおりを受けて、まちを走るタクシーが不足しているのです。
 熊本城の周辺を走りましたが、見るも無惨に石垣や建物(塀)が崩れていました。
 そして、あちこちの民家に赤紙が貼られていました。それでも行くところがないので、なかに住んでいる人もいるとのことです。
 余震がまだ続いていますので、本当に熊本は大変だと思いました。少しでも復興の力になりたいと考えています。

ルポ・老人地獄

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  朝日新聞経済部 、 出版  文春新書
有料老人ホームは高くて入れないために、無届け有料老人ホームが増えている。
2025年問題が迫りつつある。戦後生まれの団塊世代が2025年には75歳以上の後期高齢者となり、高齢者の医療や介護の問題が深刻になる。
最近、定員10人までの小規模デイサービスの事業者が、「お泊まりデイ」と呼ばれるサービスをすることが急増している。それは、単純計算で月々300万円が事業者の収入になるから。
厚労省によると、2013年度までの7年間に、通常のデイサービスが5千ヶ所ふえたのに、小規模は1万1000ヶ所も増えた。
特別養護老人ホーム(特養)には、なかなか入れない。全国に8000施設、定員50万人というが、入居待ちしている人も同じく50万人はいる。
特養や老健施設において、職員による「虐待」が2割弱で起きている。その背景には、人手不足と過重労働がある。そこからくるストレスが「虐待」につながっていくのです・・・。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は、特養の不足などに対応するため、2011年に制度が始まった。1部屋あたり100万円。建設費の補助や税の軽減があるため、制度が始まってから全国で6000棟の19万戸に増えている。
東京では退院後の行き場がない高齢者が多くいる。都外は安く施設をつくれるので、所得の高くない高齢者を救うことができ、それがビジネスにもなる。つくば市が「サ高住」の入居者を調べてみたら、都内23区で生活保護を受けている人ばかりだった。
受け入れ先のない高齢者が増えている。とりわけ深刻なのは、認知症の高齢者だ。
65歳未満で認知症を発症する若年性認知症も3万8千人の患者がいる。
介護職は、深刻な人手不足にある。人手不足のため職場環境が悪化し、さらに人が減っていくという悪循環に陥っている。
介護の現場では、介護福祉士の資格が重視されているとは言い難い。
介護は人件費の割合が高いため、経営者としては人件費を下げたくなる。しかし、それは人を大切にしないことになるので、結局は人が集まらず、うまく回らなくなる。
介護の現場では、好景気とは裏腹に経営難と人材不足が深刻化している。
社会福祉法人の一部では理事長たちが高齢者を食いものにしている。ファミリー企業を通じて巧みに規制を逃れ、巨額の利益を手中にしている社会福祉法人の幹部たちがいる。
若者と同じように老人も大切にされる社会であってほしいものです。大企業本位、なんでも自己責任の社会では弱者が切り捨てられるばかりで、夢もチボー(希望)もありません。
(2016年2月刊。780円+税)

経済的徴兵制

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  布施 祐仁 、 出版  集英社新書
 自衛隊の退職者も志願者も減っている。2014年度の自衛隊の総退職者数は1万2500人。2013年の1万1939人より500人以上も増えている。そして、2014年度は志願者も減った。2013年度の3万3534人から、2014年度は3万1361人と2000人以上の減少。
 これらの減少には、2014年7月の集団的自衛権の行使容認の閣議決定が影響している。
 国立大学の学費は、1970年(昭和45年)には年1万2000円だった(月1000円)。それが、今や年50万円となっている。物価が3倍なのに、学費は45倍にもなっている。これは国の予算の使い方が完全に間違っています。人材育成にお金を使わず、ムダな軍需産業にテコ入れしているのです。お金がないのではなくて、お金のつかい方が間違っています。
 韓国、北朝鮮、台湾、ロシアは徴兵制をとっている。中国は実質的に志願制になっているが、制度としての徴兵制は残っている。
 ヨーロッパでは徴兵制を廃止ないし停止している。ベルギー、オランダ、フランス、スペイン、イタリア、ポーランド、スウェーデン、ドイツ。
 アメリカは、1973年に選抜徴兵制から完全志願制に切り替えた。ベトナム戦争で、アメリカ人青年190万人が徴兵された。拒否して起訴されたのは2万5000人。
アメリカ軍は黒人の比率が高い。陸軍では28%が黒人だ。アメリカ連邦議会の議員のうち、軍務についている子弟をもつ者は一人しかいない。
アメリカの若者が軍に志願する理由は、一に奨学金、二に医療保険。日本も、だんだんアメリカに状況が似てきましたよね、心配です。
 入隊して1年間に月100ドルを納めたら、2年以上の軍務経験で、最大6万ドルの奨学金がもらえる。うひゃぁ、これって大きいですよね・・・。
 アメリカでも陸軍の援用目標を達成できていない。そのため、新兵の質は著しく低下した。それは、ドイツでも同じこと。新兵募集に苦しんでいて、目標未達成が続いている。
 日本の自衛隊にも、経済的動機から志願する若者が少なくない。
もし戦争が起こったら、国のために戦うかという質問に対して、「はい」と答えたのは日本は15%のみで、世界78ヶ国のうちで、断トツで最下位だった。そりゃぁ、そうですよね。アベ首相のいう「美しい国・ニッポン」のため死んでこいと言われても、なぜ、どうして私が・・・と考え込んでしまいますよね。
 自衛隊に入る若者が多いところは、貧困率が高い地域だ。それは、青森、北海道、宮崎、熊本、鹿児島、長崎、大分、佐賀と続いている。九州各県は福岡を除いて多い。
「経済的徴兵制」の何が問題なのか・・・。それは、国土防衛ではなくて、富める者たちの利益のために行われる海外での戦争で、貧しき者たちの命が「消費」されることにある。それは、不正義というしかない。使い捨てにされてよい人間など、この世界には存在しない・・・。
徴兵制だってありうるのが、今のアベ政権ですよね。貧困のために軍隊に入って、殺し、殺され、戦場から無事に戻ってきてもPTSDなどのため廃人同様になる。考えただけでもゾゾっとします。
(2015年1月刊。760円+税)

安倍晋三「迷言」録

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  徳山 喜雄 、 出版  平凡社新書
 「貼られたレッテルを(国会の)審議期間の中だけでは取り去ることができなかった。結果を出していくことでレッテルをはがしていきたい」
 「(戦争法だなんて)デマゴーグ(扇動)だということを国民に説明していきたい」
 いずれも、安倍首相が安保法制に反対する国民の声に弁明・反論して言ったものです。このような紋切り型で攻撃的な言葉を羅列し、反対意見には耳を貸そうとしない。これが安倍首相の一貫した姿勢である。
 集団的自衛権について、憲法上は権利があるのに行使できないということは、禁治産者は財産に対して権利があっても行使できないというのと同じ。つまり、内閣法制局の理屈からすると、日本はいわば禁治産者なのか・・・?
 安倍流の言葉には3つのパターンがある。一つは断定口調。「戦争に巻き込まれることは絶対にない」「徴兵制は、まったくありえない。今後もない」。
もう一つは、「私は」というコトバをつかわずに間接話法を用いる。
最後は、突然キレてしまう「感情語」。
「われわれが提出する法律についての説明は、まったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」
総理大臣が言うことが「まったく正しい」というのなら、それはまぎれもない「独裁政権」である。
安保法案について、安倍首相は「アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対にありえない」と断言した。しかし、現実に制定・施行された安保法制は、アメリカの戦争に加担することを許している。すると、「巻き込まれる」かどうかというのは、単なる形式的な「主体性」の問題にすぎない。要するに、ごまかしということ。
安倍首相は、2015年9月の採決強行のあと、「国民に丁寧に、分りやすく説明していきたい」と述べた。しかし、本来あるべき説明とは、決める前に合意形成のためになされるものではないでしょうか・・・。
安倍は、日本の戦後史上に国民の意見を聞かず、熊本大震災のあとも原発の稼働中止を命じなかった首長として有名になるのでしょうか。そんなの嫌ですよね。
(2016年1月刊。780円+税)

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