法律相談センター検索 弁護士検索
カテゴリー: 社会

徹底批判、カジノ賭博の合法化

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者 吉田 哲也 ほか 、 出版 合同出版 
九弁連(九州弁護士会連合会)が9月下旬に宮﨑でギャンブル依存症に関するシンポジウムを開いたとき、会場の外で吉田哲也弁護士から買い求めました。全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会が編集した冊子です。
カジノは、他人の不幸の分だけもうかるという、「不幸をまき散らすビジネス」である。
ところが、このカジノを日本でもやれるようにしようという自民党議員を先頭とする集団がいます。まさしく、自分さえ良ければ他人がどんなに不幸になってもかまわないという利己主義の固まりの連中です。国会議員を名乗っているのが恥ずかしくないのでしょうか・・・。
日本のカジノ賭博は、日本人をターゲットにしている。来日外国人はあてにしていない。
ところが、日本はすでに世界最大のギャンブル大国である。
競輪、競馬、競艇、オートレースに加えて、18兆円の売上を誇るパチンコ・スロット店をふくめたら、世界最大のギャンブル国なのである。全国のパチンコ・パチスロ店は、1万2千店以上ある。
ギャンブル依存症の比率は、男性で9.6%で、ダントツの世界一。そこに日本版カジノが加わろうとしている。売上予想は2兆円。
世界最大のカジノ企業であるラスベガス・サンズは、31億ドルという高収益を誇っている。マカオで7割、シンガポールで2割をかせいでいて、アメリカ国内の占める比重は1割でしかない。
そして、この会社は、株主に21億ドルもの配当をしているが、その7割はオーナー一族のポケットに入ってしまう。会長に還元されているわけではない。
ギャンブル依存症は、薬物依存と同じで、脳に機能変化をもたらしている。ドーパミンをふくむ脳の機能異常とギャンブルがやめられない行動は密接に関連している。ギャンブル依存症の二大症状は、借金と嘘。
ギャンブル依存症に有効な薬物治療法はない。
いちど依存症になると、脳には、一生その回路が残る。
アメリカでは一般受刑者の30%がギャンブル依存症だといわれている。
日本では、ギャンブル依存症の60%に500万円以上の借金があるというレポートがある。韓国ではパチンコ店が禁止されました。日本も見習うべきです。そして、韓国にはカジノがあり、社会問題になっていますが、それでも、ソウルから離れた不便なところにあります。 
日本では、交通至便のところやハウステンボスのようなレジャー客の集まるところにカジノをつくるというのです。とんでもない計画だと思います。許せません。プンプンプン・・・。
(2014年8月刊。1200円+税)

セブン・イレブン、鈴木敏文帝国崩壊の深層

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  渡辺 仁 、 出版  金曜日
 鈴木敏文は1932年生まれだから84歳。イトーヨーカ堂の伊藤雅俊は92歳。この二人が争ったようですね。やはり老害なのでしょうか。本人は認めていませんが、鈴木敏文は二男の鈴木康弘を後継者にしようとして、社内で猛反発を受けたと書かれています。
「オムニチャネル」とは、スマホやネットで注文した商品を全国のセブン店で、24時間いつでも受けとれるという、次世代ネット通販の総称。
 ところが、これでは、本部は利益を得るけれど、加盟店はわずかな手数料収入だけになってしまう。商品のショーウィンドーであり、単なる配送拠点でしかなく、店舗オーナーは完全に無視される。これは反発必至ですよね。
 セブン・イレブンの3代目社長は、陸上自衛隊の師団長(陸将)をつとめた人間だった。レイテ沖海戦の「謎の反転」で有名な栗田健男・海軍中将の息子でもある。自衛隊上がりの栗田元社長が、社内の組織を自衛隊式に変えた。
 セブン・イレブンには、売上金の毎日送金を拒む「未送金オーナー」を力でねじ伏せる非合法組織がある。鈴木敏文会長直属の特殊部隊だ。
その写真も紹介されていますが、不気味です。レジから売上金を抜きとってしまうのです。
 セブン・イレブンの広告量が莫大なだけに、スポーツ紙や夕刊紙も、広告大スポンサーである「天下のセブン」にだけは完全なる沈黙。何の批判にもさらされていない。
セブン・イレブンの広告宣伝費は2525億円。しかし、現実には、オーナー夫妻の自殺や過労死は後を絶たない。セブンは、自殺遺族の口封じをしている。
セブンの利益率31%はあまりにも異常に高い。あのトヨタ自動車だって、利益率は6%でしかない。売上金の毎日送金システムが、この異常利益を支えている。
セブン本部には、全国1万5800店から、100億円もの現金が入ってくる。月3000億の大金をどのように運用しようと、セブン本部の勝手だという仕組みになっている。
コンビニ商法一般の恐ろしさでもありますが、ちょっとひどすぎますよね・・・。
現場で働く人は、本当に大変と思います。ますます、コンビニには近寄りたくないと思いました。
(2016年5月刊。1400円+税)

物流ビジネス最前線

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者 斉藤 実 、 出版  光文社新書
 コンビニは、なるべく利用しないように抵抗している私ですが、宅急便のほうは人並み以上に利用していると告白せざるをえません。
なにしろ、旅行のときにはたくさんの本を携行していて、読み終えると旅先から宅急便で自宅へ送り返します。これから読もうとする本は重くても仕方ありませんが、読んでしまった本まで持ち歩きたくないのです。
今やアマゾンは日本のネット通販の頂点に君臨し、断トツの売上高を誇っている。
 2015年のアマゾンの全世界の売上高は1070億ドル(13兆5400億円)。このアマゾンも深刻な経営危機に直面したことがあった。2000年にネットバブルが崩壊したとき、14億ドルもの大幅な赤字を出している。アマゾンは3万台以上の物流ロボットを導入している。
 アスクルはオフィス用品のネット通販を展開しているが、優れた流システムをもつネット通販に高い競争力が与えられるため、アスクルはとりわけ自家物流に力を入れてきた。
ラストマイル。注文された商品を購入者に届ける配送のこと。圧倒的な多数のネット通販事業者は、ラストマイルの商品の配送を宅配便を中心とした物流業者に委託している、ということはラストマイルでは宅配便が決定的に重要な役割を担っていることになる。
当日配送が拡大しているのは、返品を防止するためでもある。
送料無料が業界の標準になりつつある。送料無料という場合には、送料は販売価格になかに含まれている。アマゾンの売上高1070億ドルのうち、配送料金は115億ドルなので、配送コストは売上高の10.7%を占めている。
 佐川急便は、アマゾンの配送業務から撤退した。採算性を重視したからだ。
 不在によって再送達を余儀なくされる宅配便貨物の割合は2割近く、3.5%は2度以上の配達が必要だった。再配達は、ネット通販のラストマイルを担う宅配便事業者にとって、大きな負担となっている。
 宅配便が始まったのは1976年。初日の取扱いはわずか11個だった。今や、年間36億1400万個に達している。宅配便会社は21にまで減少し、最大手のヤマト運輸が45.4%、佐川急便が33.5%、日本郵便が13.6.%この上位3社だけで93%に近い。
 宅配便のトラックを運転するドライバーが不足している。
 それは低賃金、長時間労働のせいである。製造業の労働者の賃金を100として、トラックのドライバーは90~81にまで下がっている。
宅配便をめぐる状況を少し知ることができました。
(2016年8月刊。740円+税)

漂うままに島に着き

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  内澤 旬子 、 出版  朝日新聞出版
 この著者の『飼い喰い、三匹の豚とわたし』には圧倒されました。だって、みるみる巨体になっていく3頭の豚を自分で飼って最後まで面倒みたあげく、その豚肉を美味しくいただいたという話なのです。エサをきちんと与え、運動させた豚の肉は素晴らしく美味しかったとのことです。たしかに、そうなんだろうなと思います。というのも、私も最高ランクの牛肉を食べたことがあります。すると、いつもの牛肉の味とはまるで違うのです。やっぱり、エサと運動、健康管理が味にきちっと反映されるのですね・・・。
 この本は、乳がんになり、離婚もして一人で生活する40代の独身女性が東京を捨てて、何と小豆島に単身移住するという話です。
ガンを抑えるためのホルモン療法中に起きた副作用をきっかけとして、狭い場所や騒音が苦手となり、自分の居住空間のゆとり部分を広げるべく、蔵書を半分以上も処分し、仕事で書いてきたイラスト原画や収集してきた古書も手放した。別居を経て離婚し配偶者に去っていただいた。すっからかんの、何もない、静かな部屋で暮らしたい・・・。
これは、私もまったく同感です。子どもの情操教育に必要だと思って小さなピアノを置いていたのを、まず処分しました。すると、隣にあった背の高い本棚が邪魔だと思うようになりました。幸い引き取り手を得て、私にとって不要な本を次々に放出していき、今では12畳もあろうかという広い板張りの居間には何もありません。座卓と背筋トレーニング・マシーンがあるだけ。そして、昔は大きなステレオセットがありましたが、今では小さなステレオセットは本棚に埋め込んでいます。テレビはないので、夜は、虫の音しか聞こえてきません。静かなものです。じっと坐っていると、夏の夜には夜香木の香りが漂ってきます。といっても、一方の壁は、天井まで全面が本棚になっていて、縦にも横にも本が積み重なっています。そして、その本の背表紙を眺めるのが私の寝る前のささやかな楽しみなのです。
 小豆島での借家探しの苦労話が詳細に語られますが、それ自体を楽しんでいる風情なのです。そして、決め手は、月と海と暖かさと収納、ということ。トイレはもちろん水洗ではありません。それでも臭いが気にならない、うまい仕掛けになっているのでした。
 そして、小豆島では、豚ではなく、ヤギを飼ったのです。ヤギを飼うって、意外にも大変そうです。心配していた近所つきあいもなんとかなっているようです。
驚いたのは、よそ者の女性が一人で小豆島に流れ着いて定住する人が多いということ、そしてまた、ふらっと去っていく人も多いというのです。日本の女性って、今も昔も勇気がありますね・・・。
(2016年8月刊。1500円+税)

漫画は戦争を忘れない

カテゴリー:社会

(霧山昴)
著者  石子 順、 出版  新日本出版社
 大学生のころまではマンガ週刊誌をふくめてマンガをよく読んでいましたが、大学を卒業すると同時に、基本的にマンガからも卒業しました。
 でも、弁護士の仕事に役立つマンガも実際にありますので、今でも単行本は買って読むことがあります。生活保護や介護の現状など、マンガで視覚的に問題状況をつかむことが出来ます。
 大学受験のためには、日本史や世界史もマンガで全巻通読しておいたほうがいいという、奈良の佐藤真理弁護士夫人の指摘には、恐らくそうなんだろうな・・・と思います。
 この本は、漫画で戦争の悲惨さが語りつがれてきたことを振り返っています。
 水木しげるをはじめ、戦争体験者や中国からの引き揚げを体験したマンガ家って、想像以上に多いのですね・・・。
 戦争漫画は、陸、海、空で展開された戦争の激しさ、むなしさを描く。
 過去を知らないと未来はないことを、戦争を見つめ反省しないと平和はないことを、つかみとることが出来ないことを漫画は描いている。
 戦争は、戦場で敵を倒す。人間を殺すことを合法化した争いで、多く倒せば英雄となる。このさまざまな武器をつかって戦うさまをカッコよく描くのが、かつての戦争漫画だった。
 手塚治虫は、8月15日に終戦になったあと、焼跡に電灯がついているのを見て、本当に戦争が終わったことを知り、大喜びした。
 「こんなに感動したことはない。それは、もう40数年たって、まだその感動を覚えている」
 日本に帰ることができて漫画家になったものたちが、その記憶を漫画にしたそこには、二度と戦争を繰り返してはならないという思いがこめられていると同時に、亡くなった多くの子どもや大人への鎮魂の紙碑となっている。
 マンガは大きな力をもっていると思います。反戦・平和の願いをマンガに託して、さらに飛躍させてほしいものです。
 いい本でした。漫画拝論を書いて50年になる著者の最後の本になるかもしれないとありますが、まだまだ元気にがんばってほしいものです。
(2016年6月刊。1000円+税)

福岡県弁護士会 〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目2番5号 TEL:092-741-6416

Copyright©2011-2025 FukuokakenBengoshikai. All rights reserved.