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カテゴリー: 生物

花の国・虫の国

カテゴリー:生物

著者   熊田 千佳慕   、 出版  求龍堂
 理科系美術絵本というサブタイトルのついた本です。
 野山の花に虫や蝶が集まっている様子が見事にスケッチされています。
 この前の日曜日、我が家の庭にはクロアゲハチョウが花のミツを吸いに何度もやってきました。暑い夏に咲く花は少ないので、チョウも大変なんだろうなと思いました。
 トンボのデッサンもあります。なんだかトンボの姿を見かけませんね。うちの庭にやって来るのは夏の終わりころのアキアカネくらいのものです。オニヤンマとかシオカラトンボなど、久しく見かけません。いったい、どこへ行ってしまったのでしょうか。それとも絶滅しかかっているのでしょうか・・・・。
 セミの泣き声もまだまだです。今年の夏は、アメリカに素数セミがあらわれているそうです。17年に1度なんて、不思議なこと限りがありません。地球が氷河期に入ったときに生き延びたセミのようですから、すごいものです。セミの身を凍らしてアイスクリームにして食べるという記事を読みました。美味しいということですが、信じられません。セミはアフリカではフライにしてパリパリかじると言います。まだそっちのほうがよほど美味しそうです。
 日曜日には見かけませんでしたが、マルハナバチもやって来ます。丸っこいお尻をさらけ出して、夢中になって花のミツを吸っている姿を見ると、いとおしくなります。
自然は美しいから美しいのではなく、愛するからこそ美しい。まったくそのとおりだと思います。
さすがはチカボ先生のデッサンです。目も心も洗われます。
(2011年5月刊。1800円+税)

チョウはなぜ飛ぶか

カテゴリー:生物

著者    日高 敏隆・海野 和男  、 出版   朝日出版社
 チョウの楽しい写真が満載の素敵な本です。
 チョウは、はね(翅)の根元ではなく、どうたいに背中と腹をつなぐ筋肉があり、この筋肉が伸びたり縮んだりすると、背中と腹が動く。それにくっついてはねも動くから飛べる。
 チョウとガは、ともに鱗翅類という、羽に鱗粉がついた昆虫の仲間である。昼間に飛ぶのがチョウ、夜に活動することにした仲間がガと呼ばれる。
チョウは紫外線を光として感じる。モンシロチョウは、紫外線をふくめた色の違いでオスとメスを見分けている。
 人間には紫外線は見えない。というのも、紫外線の作用はとても強く、もし目の奥まで入ってくると、目の奥が日焼けしたようになって、見えなくなってしまう。それでは困るので、紫外線を吸収するレンズのようなものが入っていて、紫外線がそこでとまり、奥まで入ってこないようになっている。モンシロチョウは紫外線が見えるけれど、赤色は見えない。
チョウの飛ぶ道(チョウ道)は一定だが、それは地形によるのではなく、光と温度による。だから、春と夏ではチョウは道は異なる。季節によって、天候によって、一日のうちの時間によって、そして気温によってさまざまに変わる。しかし、個々のチョウによって変わるのではないチョウ道が存在する。だから、チョウ道は確実に予言できる。しかし、チョウ道があるのは、アゲハチョウの仲間だけでモンシロチョウにはチョウ道はない。
 チョウは花を見るとき、姿、形、大きさによって判断していない。モンシロチョウは、赤、黒、緑には寄ってこない。チョウは、すぐ近くからしか見えないから、いつも一生懸命はねをヒラヒラさせて、自分の近くを探している。
 こんな見事なチョウの写真集が1900円で手に入るなんて、申し訳ない気がするほどでした。
(2011年6月刊。1900円+税)

ツキノワグマ

カテゴリー:生物

著者    大井 徹  、 出版   東海大学出版会
 残念ながら、九州にはクマは絶滅したようです。といっても、山で野生のクマと出会いたくはありませんよね。
 もし、山でいきなりクマと出会ったらどうしたらよいのかまで書かれています。死んだふりはダメです。逃げてもいけませんし、木にのぼってもダメなのです。では、どうすべきか?
 逃げない。走って逃げると、追いかけてくる可能性がある。クマに注意しながら、静かにゆっくり後退する。クマとは目をあわせず、クマとの間に木や岩をはさむようにする。クマと目を合わせると、威嚇していると思われる。クマは木登りも水泳も上手だということを忘れない。クマの逃げ道をつくっておく。
 死んだ真似はせず、地面のくぼ地にしずまり、腹や首筋、顔を守る。防御的な攻撃だとクマは後退する。クマが耳を立てて静かにどんどん近づいてきたら、捕食的な攻撃だ。そんなときは、大声をあげながら、ナイフなどで攻撃する。目や鼻への攻撃が有効だ。動き続けてクマに咬まれないようにする。ひやひや、とてもこんなことって、出来ませんよね。
ツキノワグマは飼育下で30歳、野生で28歳というのがいる。
 九州のツキノワグマは、戦前1941年に絶滅した。今から20万年前から2万年前の本州には、ヒグマとツキノワグマが同居していた。ツキノワグマのように体が大きいと、天敵が少ない、エネルギーの利用効率が小型動物よりもいい。クマは、植物を食物とすることによって体を大型化することができた。クマは雑食性で、動物質よりも栄養価の低い植物質を食物として利用している。ツキノワグマは雑食性であり、消化の良い栄養価の高い食物を好み、それを選択的に採食している。
クマが立ち上がるのは、一般には攻撃のためではない。クマは、嗅覚と視覚に強く依存している。
 メスグマは、冬眠中に出産と育児という大事業をおこなう。ツキノワグマのメスは、2~3年に1回しか繁殖しない。オスとメスの関係は一時的なもので、交尾期が終わると、それぞれ単独生活に戻る。メスグマは、子別れのあとも、子がメスのときには、母グマの近くに行動圏をもつ。
大人のオスは40平方キロ、メスは20平方キロの行動圏をもっている。
 ツキノワグマが冬眠するのは、食物が不足する冬だから。冬の間はじっと動かず、エネルギー消費をできるだけ抑えながら、蓄積脂肪でしのぐ。冬眠中のクマの心拍数や体温は、他の哺乳類ほど顕著に低くはない。冬眠中のクマは、排尿も排便もしない。しかし、血液組成は正常に保たれている。
 クマの冬眠は、摂取も飲みもしないという特徴がある。冬眠中、クマは飲まず食わずの状態にある。冬眠中のエネルギーの素は、ほとんど脂肪である。冬眠中のクマは、特別な方法でタンパク質の代謝が行われ、筋肉が維持されている。
 クマの冬眠って、不思議ですよね。冬眠していて、じっとしていて筋肉が維持できるなんて・・・。そして、尿も便も排出しないのに健全な身体を維持できるなんて・・・。
決して出会いたくはありませんが、森の住人の一人であることは間違いありません。日本から絶滅したと言われないようにしましょうね。
(2009年11月刊。3200円+税)

化石から生命の謎を解く

カテゴリー:生物

著者    化石研究会  、 出版   朝日新聞出版
 原発で発生する使用済み核燃料をどう始末するか、今なお確定していません。地中深くに埋めるというのですが、10万年間は放射能が出てくるというのです。そのとき、人類がいま私たちが話している英語や日本語が分かるとは限らないので、危険性や扱い方を図解する必要があって、その工夫がすすめられているというのです。10万年というのはそれほど気の遠くなるような将来です。
 ところが、モンゴルのコビ砂漠に残された恐竜の足跡の化石は10万年どころか7000万年も前のものなのです。うひゃーっ、なんというタイムスパンでしょうか。同じく、8000万年前の恐竜の化石も写真で紹介されています。
北海道にはマンモスが4万年前までは暮らしていました。そして、本州にはナウマンゾウがいたのです。12万年前、地球規模で非常に温暖な時期にあたり、北海道にも落葉広葉樹の森が広がっていた。そこにはナウマンゾウたちがいた。
 7万年前に寒冷な気候が始まり、ナウマンゾウたちは南下していった。北海道には針葉樹林になりマンモスたちがサハリンから南下してきた。そして、3万5000年前ころ、温暖化して再びナウマンゾウが海を渡って北海道にあらわれた。しかし、またもや寒冷化してきたため、マンモスたちが南下してきた。この状況が2万年前までに終わった。なるほど、それで、北海道にもマンモスもナウマンゾウも、どちらの化石も見つかるわけです。
 恐竜の絶滅は、隕石の衝突による水蒸気や火山活動によるじん灰がもたらす地表到達電磁波エネルギーの減少によってビタミンD2の生成ができなくなったことによるのではないか・・・。
 化石によって、いろんなことを分かるって、すごいですよね。
(2011年4月刊。1500円+税)

森のハヤブサ

カテゴリー:生物

著者  与名  正三    、 出版  東方出版 
 日本は奈良、その高山の里に棲みついているハヤブサの写真集です。大自然の生き物であるハヤブサの伸びやかな生き様がよく写し撮られています。日本の山に、こんなにも身近にハヤブサがいるのですね。その躍動する姿をとらえた感動の写真集です。どうぞ、ぜひ手にとって眺めてみてください。
 ハヤブサは留鳥。毎年、同じ場所に生息している。しかし、8月から10月は行動圏が広がって、営巣地の近くで姿を見ることは少ない。ハヤブサの獲物の一つがハト(鳩)。レースバトです。ヒヨドリも、ツグミも、ハヤブサのエサになります。
 小鳥を獲るときのスピードは時速300キロ以上にもなる。メスが卵を温めているときには、オスが狩りをする。メスはオスと交代して抱卵する。オスがメスに獲物の小鳥を受け渡す行動は、求愛の行動であり、メスがヒナに対して給餌するための一環でもある。
狩りに疲れたオスが休息をとろうとすると、メスがやって来て、鳴き叫び、早く狩りに行くように促す。うへーっ、これって、まるで人間と同じではありませんか・・・・。男はつらいよ、ですね。
 ハヤブサのオスとメスは、同色なので識別は難しいが、オスの喉の部分は真白なのに対して、メスの喉にはゴマ状の斑点がある。
獲物の管理は、メスが主導権を握っている。古来、日本の家庭では、妻が家計を握ってきました。まるで、同じですね。ハヤブサに親近感を覚えます。
ヒナが成長すると、獲物の形を認識させるため、親鳥は獲物を解体せずに生きたままで与える。だから、獲物となったスズメが逃亡に成功することだってある。
 巣立ったばかりのハヤブサの幼鳥はなかなかと飛ぼうとしない。飛翔力を高めるため、親鳥(メス)は獲物の肉片をもって周囲を飛びまわり、幼鳥を飛び立たせようと努力する。親鳥は、幼鳥の飛翔力を高めるため、すぐには獲物を渡さない。
 奈良の森に棲みつくハヤブサの生態がよく撮られた写真集です。
(2011年2月刊。1500円+税)
 きのうの日曜日、雨の中を年に2回恒例のフランス語検定試験(1級)を受けてきました。結果は本当に惨々です。1問目分からず、2問目も3問目も全滅。4問目の小問にやっと一つだけ正解にあたりました。動詞を名詞に変えて文章をつくりかえたり、慣用句など、まるで歯が立ちません。後半の長文読解で少し点が取れるようになり、仏作文は少し手ごたえがあるかなというレベルです。それでも小休止のあとの書き取りはかなりうまくいき、聞き取りも、まあまあでした。やはり毎朝の書き取り練習がモノを言います。
 自己愛みちみち大甘の自己採点で61点(150点満点ですから、やっと4割)でした。
 挑戦することに意義があるとは言うものの、終わると毎回どっと疲れを感じます。大学の同じ構内の別の校舎で漢検もあっていました。そちらの方が受験生は多そうです。

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