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カテゴリー: 生物

化石から生命の謎を解く

カテゴリー:生物

著者    化石研究会  、 出版   朝日新聞出版
 原発で発生する使用済み核燃料をどう始末するか、今なお確定していません。地中深くに埋めるというのですが、10万年間は放射能が出てくるというのです。そのとき、人類がいま私たちが話している英語や日本語が分かるとは限らないので、危険性や扱い方を図解する必要があって、その工夫がすすめられているというのです。10万年というのはそれほど気の遠くなるような将来です。
 ところが、モンゴルのコビ砂漠に残された恐竜の足跡の化石は10万年どころか7000万年も前のものなのです。うひゃーっ、なんというタイムスパンでしょうか。同じく、8000万年前の恐竜の化石も写真で紹介されています。
北海道にはマンモスが4万年前までは暮らしていました。そして、本州にはナウマンゾウがいたのです。12万年前、地球規模で非常に温暖な時期にあたり、北海道にも落葉広葉樹の森が広がっていた。そこにはナウマンゾウたちがいた。
 7万年前に寒冷な気候が始まり、ナウマンゾウたちは南下していった。北海道には針葉樹林になりマンモスたちがサハリンから南下してきた。そして、3万5000年前ころ、温暖化して再びナウマンゾウが海を渡って北海道にあらわれた。しかし、またもや寒冷化してきたため、マンモスたちが南下してきた。この状況が2万年前までに終わった。なるほど、それで、北海道にもマンモスもナウマンゾウも、どちらの化石も見つかるわけです。
 恐竜の絶滅は、隕石の衝突による水蒸気や火山活動によるじん灰がもたらす地表到達電磁波エネルギーの減少によってビタミンD2の生成ができなくなったことによるのではないか・・・。
 化石によって、いろんなことを分かるって、すごいですよね。
(2011年4月刊。1500円+税)

森のハヤブサ

カテゴリー:生物

著者  与名  正三    、 出版  東方出版 
 日本は奈良、その高山の里に棲みついているハヤブサの写真集です。大自然の生き物であるハヤブサの伸びやかな生き様がよく写し撮られています。日本の山に、こんなにも身近にハヤブサがいるのですね。その躍動する姿をとらえた感動の写真集です。どうぞ、ぜひ手にとって眺めてみてください。
 ハヤブサは留鳥。毎年、同じ場所に生息している。しかし、8月から10月は行動圏が広がって、営巣地の近くで姿を見ることは少ない。ハヤブサの獲物の一つがハト(鳩)。レースバトです。ヒヨドリも、ツグミも、ハヤブサのエサになります。
 小鳥を獲るときのスピードは時速300キロ以上にもなる。メスが卵を温めているときには、オスが狩りをする。メスはオスと交代して抱卵する。オスがメスに獲物の小鳥を受け渡す行動は、求愛の行動であり、メスがヒナに対して給餌するための一環でもある。
狩りに疲れたオスが休息をとろうとすると、メスがやって来て、鳴き叫び、早く狩りに行くように促す。うへーっ、これって、まるで人間と同じではありませんか・・・・。男はつらいよ、ですね。
 ハヤブサのオスとメスは、同色なので識別は難しいが、オスの喉の部分は真白なのに対して、メスの喉にはゴマ状の斑点がある。
獲物の管理は、メスが主導権を握っている。古来、日本の家庭では、妻が家計を握ってきました。まるで、同じですね。ハヤブサに親近感を覚えます。
ヒナが成長すると、獲物の形を認識させるため、親鳥は獲物を解体せずに生きたままで与える。だから、獲物となったスズメが逃亡に成功することだってある。
 巣立ったばかりのハヤブサの幼鳥はなかなかと飛ぼうとしない。飛翔力を高めるため、親鳥(メス)は獲物の肉片をもって周囲を飛びまわり、幼鳥を飛び立たせようと努力する。親鳥は、幼鳥の飛翔力を高めるため、すぐには獲物を渡さない。
 奈良の森に棲みつくハヤブサの生態がよく撮られた写真集です。
(2011年2月刊。1500円+税)
 きのうの日曜日、雨の中を年に2回恒例のフランス語検定試験(1級)を受けてきました。結果は本当に惨々です。1問目分からず、2問目も3問目も全滅。4問目の小問にやっと一つだけ正解にあたりました。動詞を名詞に変えて文章をつくりかえたり、慣用句など、まるで歯が立ちません。後半の長文読解で少し点が取れるようになり、仏作文は少し手ごたえがあるかなというレベルです。それでも小休止のあとの書き取りはかなりうまくいき、聞き取りも、まあまあでした。やはり毎朝の書き取り練習がモノを言います。
 自己愛みちみち大甘の自己採点で61点(150点満点ですから、やっと4割)でした。
 挑戦することに意義があるとは言うものの、終わると毎回どっと疲れを感じます。大学の同じ構内の別の校舎で漢検もあっていました。そちらの方が受験生は多そうです。

地球200周。ふしぎ植物探検記

カテゴリー:生物

著者    山口 進  、 出版   PHPサイエンスワールド新書
 私と同世代の写真家です。世界の珍しい生物を求めて世界を駆けめぐりました。それは地球200周分に相当するといいますから、圧倒されます。ともかく、この地球上には奇想天外の生き物がこんなにもいるのか、信じられません。まさしく「想定外」の世界です。
 たとえば、土のなかで花を咲かせるランがいるというのです。ええーっ、なんで、暗い地中で花を咲かせるの・・・?まるで想像できません。植物が自分の身体にコブをつくり、そこにアリを住まわせます。そして、ご丁寧にも、アリの巣まで植物のほうでつくってあげるというのです。ええっ、まさか・・・。
口絵のカラー写真とともに、たくさんの写真が盛りだくさんの楽しい本です。といっても、取材のほうは、並大抵の苦労ではありません。
 特殊な花を観察するには、花の前で定住観察する以外に方法はない。新根が見つかったら、花である可能性が出てきたときには、その近くに簡単な小屋を建て継続観察する。小屋は住民の協力で作る。材料は周囲にある竹を使う。観察が終わったら、小屋は分解・放棄されるが、高温多雨のスマトラでは2ヵ月もたたないうちに打ち果て、半年もたつと跡形もなくなる。
著者は、こんな小屋を十数年で30件ほども建てたといいます。うひゃあ、すごいですよ。山のなかに一人で寝泊まりするのですから、心寂しい限りでしょうね。
時間と体力、そして何よりも現地の人との付きあいがうまくできないと花探しは不可能だ。その基本は、相手を信じることに尽きる。それも本気で信じないと相手に気持ちが通じないし、受け入れてもらえない。
 スマトラの夜。夕刻7時にショクダイオオコンニャクは開花しきった。突然、肉穂から、もうもうたる湯気が出はじめた。その瞬間、ただならぬ匂いが漂いはじめた。湯気はとどまることなく、煙のように肉穂から立ちのぼっている。ときには流れるように、ときには渦巻きながら、湯気は激しく立ちのぼるこの湯気こそ、匂いのもとのなのだ。肉穂を触ると熱を感じる。温度計で計ると39度もある。発熱することによって白い成分を蒸発させるのだ。夜8時、花の周囲は匂いで満たされた。1キロも離れた家でも匂いを感じたという。彼らは、「ネズミの死体が腐るときの匂い」という。著者は、腐った魚と砂糖が焦げる匂いと書いています。
匂いを出す目的はただ一つ。送粉者を引き寄せること。大型のシデムシが白いに魅かれて飛んできた。
このショクダイオオコンニャクが7年に一度しか花を咲かせない理由は、貧栄養の土壌を好むからだ。貧栄養の環境下で、ゆっくりと生育することが巨大化につながっていく。
同じような花として、ラフレシアがある。著者は、その開花に3度も立会したそうです。いずれも夕方から夜8時という時間に始まる。ラフレシアが開花しはじめると、すぐにたくさんのハエが集まってくる。花の匂いは田舎の古い便所のようなもの。花を探して森の中を歩いていると、その匂いで花の存在を知ることができるほど鼻につく独特の匂いだ。
ハエが花のなかに入り、やがて出てくるが、そのとき背中にべったりと花粉がついている。そして、ハエは花粉を担いだまま花から飛び立つ。
オーストラリアには、地下に花を咲かせるランがいる。ピンクの色がついた直径2センチもある大きな花だ。冬は雨が多い。保水性の低い砂地にはえる地下のランにとって、水分の心配から解放される。それに冬は他の植物との競争が少ない。
まあ、それにしても不思議な花ですね。そして、よくも人間が見つけたものです。それを調べている学者がいるというのも、すごい話です。
たまにこんな本を読み、写真を眺めていると、地球上生き物とはなんてへんてこりんなんだろうと思いつつ、それを探しまわれる人間いて、それを面白がる私のような人間がいるというのも、まさにへんてこりんな存在だと思い至るのです。そして、それこそ、私が生きている意味なのかもしれないと思ってしまうのでした。
(2011年2月刊。880円+税)

しばいぬ

カテゴリー:生物

著者   岩合 光昭  、 出版   平凡社
 かわいい。りりしい。なつかしい。世界一かわいいニッポンの犬。柴犬の写真集です。私も、前に柴犬を飼っていましたので、本当になつかしい思いで写真集を眺め、しばし幸せな気分に浸ることができました。
柴犬の子犬は本当にコロコロして、可愛いったらありやしません。元気いっぱい。小さくても、立ち耳、巻き尾で、前脚は太い。気骨あふれる日本の犬だ。
 良い子犬を選ぶとき、目の輝きはとても大事なポイントだ。素直で明るく、好奇心いっぱいの、元気な子犬を選びたい。犬の性格は多様である。子犬を選ぶときは、何よりも性格を重視したほうがよい。目が輝いていて、ゴムまりのように軽快に動き、誰でもじゃれつくような明るい性格の犬を選ぶ。成長とともに、適度な警戒心は出てくる。
日本犬の目は、丸目よりもやや沈んだ不平等三角形が好まれる。日本犬は顔の品位が大切にされる。顔や体形を見て、オスとメスの判断ができる。全体として社交性には乏しいが、飼い主と他人を区別する能力を備えている。
 柴犬は、飼い主とその家族のかたわらで生活することに幸せを感じる想いを強く受け継ぐ特異性がある。逆にいうと、他人に群れにくい性質がある。
 柴犬は日本人の好みの性格を持っている。
 悍威(かんい)に富み、良性にして素朴の感あり。
 悍威とは、気迫と威厳。良性とは、飾り気のない、地味な気品と図格を指す。
 柴犬のオスは、強さを主張する傾向があり、気持ちは外界に向いて活発で力感がある。メスは自己主張が少なく、家族の動向に関心を寄せる傾向をもっている。こまやかな表情で飼い主にも柔和に接する。
柴犬は余分な手を加えず、生まれたままの自然の姿を楽しむ犬種だ。爪切りやトリミングなどのおしゃれ感覚の手入れは不要。渋い伝統美こそ、柴犬の持ち味である。
 飼いやすい犬とは、側に置いていても邪魔にならない犬、飼い主の気持ちを察することのできる犬をいう。柴犬は利口な犬種だが、訓練所での教育には向いていない。飼い主や家族とのスキンシップのなかで、ことあるごとに潜在する能力を引き出していく必要がある。犬が人間社会に適応する能力を学習できるかどうかは飼い主次第である。
 犬は飼うもの。飼われないようにする。犬には、まず何より我慢することを覚えさせること。どんなときにも、飼い主は絶対であるということを教え、服従する心を植えつけることが肝心。犬の知能は人間の3歳から5歳くらい。犬は、終生、この精神年齢で飼い主に接する。
 いやはや、柴犬、シバイヌって、本当に可愛いんです。カワユイ・・・!!もうとろけてしまいそうです。
(2011年3月刊。1500円+税)

先生、キジがヤギに縄張りを宣言しています!

カテゴリー:生物

著者    小林 朋道 、 出版   築地書館
『先生!』シリーズも第五弾となったのですね。これって、すごいことですよ。もちろん、私は、全部よみましたし、このコーナーで全部を紹介しています。
鳥取環境大学という、あまり聞きなれない名前(失礼します)の大学で生物学(具体的には、動物と人間の行動学)を教える教授が、その授業の周辺で起きるさまざまな出来事を自慢話と蘊蓄たっぷりに語る抱腹絶倒のシリーズ本なのです。とりわけ写真が豊富にあるのが、私のような素人にとって理解を助けます。
スズメバチの巣が空になったところを今度はスズメが巣として利用する。それを観察している教授と学生たちを、スズメもじっと観察している。そんな写真もあります。さぞかし、このスズメも、この連中は何をしているのか不思議に思っていることでしょうね・・・。
フェレット(イタチによく似ています)の子どもは白い。なぜ白いのか?白以外の色であるためには、そのために特別な色素を細胞内で合成しなければならない。それにはコストがかかる。カモフラージュの必要のない卵は、たいてい白である。カモフラージュする必要がなければ、わざわざ白以外の色の素を合成したりはしない。なーるほど、そういうことなんですか・・・。
クザガメも登場します。カメの甲羅は、カメの身体の内部の肋骨が拡張したものである。そして、カメの成長にともなって甲羅全体が大きくなっても、六角パネルの数は変わらない。つまり六角パネルは、互いにモザイクのようにキッチリ並んだままで、一つひとつの六角パネルは、形を変えることなく、大きくなっている。ふむふむ、なるほど、ですね。
そして、カメの雌雄を判別する方法は・・・?
それには頭と両手両足を甲羅のなかへ強く押し込むこと。雄だと、尾が出ているところからペニスが出てくる。雌だともちろん出てこない。うーむ、それにしても、よく見ているものです。
クサガメとイシガメの違いは何か・・・?
ヒメネズミは森のなかで何をしているのか・・・?
小さな無人島で一人生きるシカは、どうやって生き延びているのか・・・?
この島には、大食漢であり、ミミズを主食物にするモグラがいないため、ミミズが繁栄し、それが複数のタヌキの生存を可能にしている。
わが家のすぐ近くの空き地にもタヌキの親子が棲みついていました。最近は、とんと姿を見かけませんが、どこかに立ち去ったのでしょうか、それとも、たまたま私が遭遇しないだけなのでしょうか・・・。
そしてこの本のタイトルにもなっている話です。キジの縄張りになっている草原にヤギがのんびりと草を食べているのがキジには気にいりません。なんとか脅して立ち去ろうとさせたいのですが、ヤギは知らんぷりしています。そこで、キジは一体どうするか・・・?!
飛びかかって、蹴瓜で攻撃したいのはやまやまなれど、それがうまくいくという保障は何もない。そこで、やむなく、キジはヤギを柵の上からにらみつけるだけにした・・・。なーるほど、鳥(キジ)と動物(ここではヤギ)にも、こんな葛藤があるのですね。
私よりはひとまわり下の「わかい」教授ですが、毎回とても面白く読ませてもらっています。先生、引き続きがんばって下さい。応援しています。
(2011年4月刊。1600円+税)

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