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カテゴリー: 生物

やさい学園(1)

カテゴリー:生物

著者  前原 三十日 、 出版  秋田書店
 いやあ、面白くて、勉強になるマンガ本です。著者は大牟田市出身とのことです。
 やさい学園というから、何の話だろうと思うと、野菜たちが主人公なのです。
 立派な野菜になるべく、日々、勉学に勤しんでいる、いろんな野菜が擬人化して登場します。主人公は、恥ずかしがり屋のシイタケ。ハラタケ目キシメジ科だ。
当学園では、完璧な野菜になるべく、さまざまな知識を学び、どこに出しても恥ずかしくない、立派な野菜に育てる。
 ここに、入学したからには、悔いのないよう、目標の料理に合うような野菜に育ってほしい。シイタケの旬(しゅん)は春と秋。春は身が締まってうまみがあり、「春子」と呼ばれ、秋は香りが良く、「秋子」と呼ばれている。
 基本は四コマ・マンガなのですが、ちゃんと学園ものとしてのストーリーがあって笑わせるのです。そして、野菜のことが、笑っているうちに身についていくという、大変なマンガ本なのです。
 ぜひ、あなたも手にとって(買って)読んでみてください。
(2014年9月刊。429円+税)

イモムシのふしぎ

カテゴリー:生物

著者  森 昭彦 、 出版  サイエンズ・アイ新書
 世の中の大きな不思議の一つが、イモムシがチョウになるっていうことですよね。いったい、どうして、あの葉っぱにへばりついている丸々したイモムシが大変身して、空をひらひらと飛ぶようになるのでしょうか・・・。万能の創造主の神様だとしたら、何もそんなまわりくどい発想をしなくても良さそうではありませんか。
 この本には、いろんな色と形と機能をもったイモムシがたくさんのカラー写真で紹介されています。不思議、フシギのオンパレードです。
 シジミチョウ科のウラギンシジミは、刺激を受けると、お尻の煙突から大きなホウキをにゅっと出し、掃き掃除をするように振り回す。
 その写真があります。タンポポの穂みたいなものを出しています。不思議というより、奇怪です。そのうえ、アリと交信するためか、ひっきりなしにお腹をこすって音を出しているとのこと。
シロチョウ科のキタキチョウは、放糞器をもっている。お尻からフンを放出する。飼育ケースで飼っていると、フンがピシッとかカツンとか音がして、うるさいほど。これは、自分の現在地を知られないようにするための撹乱戦法。うひゃあ、そんな芸当もするのですか・・・。
 はるばる海を渡る空の旅人、アサギマダラは、毒蝶。毒物を貯蔵することで、スタミナを蓄えた毒蝶となり、壮大な移動生活を堪能できるようになった。ふむふむ、そうなんですか。
 ヤママユガ科のウスタビガは、指で軽くつまむと、鳴き声を奏でる。それは、悲鳴なのか、怒号なのか・・・。そしてマユづくりをはじめるときには、「きゅうきゅう」と鼻歌をうたい出す。
そして、なんと、イモムシは美味しく食べられるというのです。
 シンジュサンは、幼虫はゆでてポン酢ジュレで食べる。小松菜の白和えを思わせ食べやすく美味。
 エビガラスズメは、サナギをゆでてポン酢で食べる。青大豆のトーフを思わせ、さわやかでクリーミーな食感。
モンクロシャチホコは、桜の香り、肉質のうま味。外皮の弾力と、どれをとっても最高。クセがないので、初心者にオススメ。
 ヒメヤママユは、毛が柔らかく、もずくのような食感で、とても心地が良い。
 ナミアゲハは、柑橘系の香りがしたり、山椒の芳香がしたりする。とても風味がいい。
 写真がついていますが、もちろん、みな、丸々としたイモムシです。これを食べて美味しいと叫んでいる女優さんを一度見てみたいものです。私は、そのあとにします。いくら食糧難(危機)といっても、ものには順序というものがありますので・・・。
 イモムシに関心のある人のほか、ゲテモノ食い好きの人にも、おすすめの本です。
(2014年8月刊。1200円+税)

動物が教えてくれた人生で大切なこと

カテゴリー:生物

著者  小菅 正夫 、 出版  河出書房新社
 旭山動物園の前園長による本です。私と同世代の著者は、獣医師として旭山動物園に就職し、今では日本有数の動物園となった旭山動物園の中興の祖となりました。
 オオカミはペアリングがうまくいくと、一生を添いとげ、決して別れることがない。ただし、夫婦となる衝動がない限り、妥協してペアリングになることはない。そして、それは出会った瞬間に「縁」を感じとることがあるようだ。
 これって、人間に似てもいますし、まったく似てもいないといえますね。一目ぼれは、人間にもありますが、人間社会では「不倫」、離婚はあたりまえですからね・・・。
仲の良いオシドリ夫婦とよく言われますが、実は、オシドリは一夫一妻制どころか、乱婚制なのである。
野生のチンパンジーの雄同士は、グルーミングによって協力関係を維持している。
ゴリラは、近親交配を避けるため、幼いころから一緒に育ったオスとメスはお互いを避けあう習性を持っている。
カバ同士は、口を大きく開けたほうが勝ち。
「カバさんの歯磨きイベント」で、カバが大きく口を開けるのは、目の前になんか大きなものがあると、とりあえず自分の口を大きく開けて、「自分のほうが大きい」と自己主張しているということ。そのとき、開いた口に歯ブラシをあててこすっているだけ。
サルのメスは、α(アルファ)オスと儀礼的な交尾はするが、妊娠の可能性を自覚すると、自分の好みのオスと交尾してそのオスの遺伝子をもった子を妊娠している。うひゃあ、ですね。
チンパンジーは、人の心の動きを読みとって行動する。あるとき、著者が仲間と夕食を一緒にとる約束をしたら、チンパンジーの一頭が著者の言うことを聞かなくなった。からかったのです。
 動物は、相手の顔つき、声、におい、殺気などを総合して、相手の心を読むことができる。
 チンパンジーは、人間に育てられると、チンパンジーには育たない。チンパンジーは交尾するのにも学習が必要。群れのなかで育たないと交尾は出来ない。
 戦前の日本にあった動物園は全国にわずか16。それが、戦後、もっと多いときに98園あり、今では87園になっている。今、ゾウのいない動物園が増えている。そうなんです。私のすむ町にある動物園でも、先日、ゾウが死んだあと、結局、よそから入れることは出来ませんでした。
 これは、動物園の怠慢が原因だと著者が激しく批判します。つまり、オスとメスをペアにして飼わなかった、その努力をせずに一頭のみ飼う動物園が多かったということです。そうなんですね・・・。今や、ゾウは絶滅危惧種なのである。
 さすがに動物の生態を詳しく、よくつかんで紹介している本です。
(2014年8月刊。1400円+税)

犬たちの明治維新

カテゴリー:生物

著者  仁科 邦男 、 出版  草思社
 犬にまつわる面白い話が満載の本です。犬好きの私にはたまらない内容になっています。
 私がいちばん驚いたのは、江戸時代まで、日本人は個人としての飼犬をもっていなかったということです。犬は村でたくさん飼われていましたが、それは村人が全体として飼っていた「村犬」(むらいぬ)、「里犬」(さといぬ)だったのです。ですから、犬には金銭的な交換価値はありませんでした。ただ、狆(ちん)だけは違います。この狆は、将軍家など、高級の家庭で大切に飼われていました。ただし、病気などに弱いため、献上品は、ほとんど洋行途上で死んでしまっています。
かつて日本の犬には値段がなかった。犬を飼うような人は、どこにもいなかった。「犬は無価値だ」と民族学者の柳田国男は述べている。これは、財産としての価値はないということ。村の犬はいても、個人的な飼主はいなかった。
町犬は、野良犬とは違う。町犬は、顔見知りの町人から餌をもらい、不審者が来れば吠え、共同体の一員として、暗黙のうちにその存在は認められていた。
 徳川綱吉の「生類憐みの令」によって犬小屋がつくられ、犬を収容していた。犬小屋に収容されたのは野良犬ではなく、人に慣れた町犬だった。
明治に入って「畜犬規則」によって、飼い主の住所、氏名を書いた名札を付けない時には、すべて野犬として撲殺することになった。明治時代は、洋犬至上主義の時代だった。
 「犬も歩けば棒に当たる」
 今や、犬も歩いたら偶然にもいいことがあるという意味で使う人が増えている。しかし、本当の意味は、「犬も出歩けば、棒で殴られる。無駄なことをしいないで、じっとしているほうがいい」というストーリーだ。犬が棒で殴られない時代になると、ことわざの意味も分からなくなってくる。
 江戸時代の里犬たちには、集団としてのテリトリーがあった。
 江戸の町には、犬がはびこっている。みじめで汚らしい野良犬ではない。長崎・出島にあったオランダ商館員だったフィセルは、次のように日本の犬猫事情を書いた。
 犬と猫は日本に非常に多い。犬は街犬(まちいぬ)と呼ばれている。実際には、誰も飼い主はいない。村犬や街犬の最大の仕事は吠えること。もう一つの大きな仕事は、子どもと遊ぶこと。
 横浜の外国人は、護身用、愛玩用として犬を購入した。
 西郷隆盛は、西南の役を起こしたころ、自分たちの行動について日本政府と戦争しているとは考えていなかった。薩軍が出兵したのは、「戦争」のためではなく、あくまで西郷暗殺計画についての「政府への尋問」のためだった。西郷は精鋭の薩摩武士とともに大道を行けば、各地の士族は呼応して大群となり、天下は自然と我にたなびいてくると考えた。つまり、西郷の認識はあまりにも甘かったということです。だから、西郷は猟犬を連れて山の中で狩りを楽しんでいたのでした。そこには切迫感などありません。
 明治9年の犬の名前は、トラ、クマ、ムクが多かった。そして、ポチという名前の犬がいた。
 明治9年に文部省のつくった国語の許可書にポチが登場する。なぜポチなのか・・・。
 著者は、その由来をあげ、ふち→パッチ→ポチと定着していったと考えている。
 洋犬を、明治初めの日本人が「カメ」と呼んでいたのは、「カムヒア」と聞いたからだろうとしています。とても面白くて、ひきずり込まれました。
(2014年7月刊。1600円+税)

わたし、解体はじめました

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著者  畠山 千春 、 出版  木楽舎
 私も、子どものころはカエルを殺しても平気でした。ザリガニ釣りのエサにはカエルのモモ肉が一番いいのです。カエルの足を握ってコンクリートに叩きつけ、両足を千切って皮をむいて糸でしばって、ザリガニのエサにします。よく釣れました。また、カエルの尻にストローを差し込んで口で空気を吹き込み、腹がパンパンにふくれたところで、池に放り込むのです。カエルはどうしようもなく、しばらくプカプカ水面に浮かんでいました。
 そして、父親は私たち子どもの見ている前で、飼っているニワトリの首を包丁で切り落として鶏肉を夕食の材料にしてくれました。ニワトリの卵の出来るまでを、このとき私は理解しました。固いカラのなかに何かを注入するのではなく、固いカラは最終的に付着する形になるのです・・・。
 この本は、ニワトリやイノシシなどを殺し、解体し、料理して美味しく食べる様子を紹介しています。ヒナのときから愛情たっぷり育てていた「ウコッケイ」を殺して解体し、美味しく食べるのです。
 とても勇気のある女性だと思いました。今の私には、とても出来そうもありません。自他ともに認める臆病者だから、です。
 ニワトリは殺される前に、何か不穏な空気を察知するようで、異常に怯えたり、逃げ回ったりする。ニワトリを殺す前に、首をひねるか暴で殴って気絶させる。憎くもないのに、棒で殴って気絶させるのは、すごく難しいこと。
 気絶させたあとは、迷わず首を落としてしまう。そうしないとニワトリを不必要に苦しませることになる。そして60~70度の湯を入れた鍋にニワトリの全身を入れて毛穴を広げる。羽をむしりやすくするため。
 内臓を取り出すとき、レバーについている緑色の胆のうは傷つけないようにする。これが壊れてしまうと、臭くて食べられなくなる。
 ウサギを殺して解体するときには、雪で小さなおにぎりのような固まりをつくって、お腹のなかを拭く。そして、取り出した胃や腸は、そのまま雪の上に置いておく。血のにおいで察知したトンビなどが片付けてくれる。
ウサギの水煮。肉は甘い。味はツナのしょう油漬けのような味がして、美味しい。
 イノシシの肉は力強く、食べると、体中がぽかぽかするエネルギッシュな味。シカはあっさりしていて、ちょっと高貴な印象の味。うさぎは、かわいらしい姿を連想させるような甘い味。
 四つの足の動物は、とどめを刺したら、すぐに血抜きをしないといけない。そうしないと、肉に血の臭いがついて、美味しくなくなってしまう。心臓が動いている間にうまく血抜きができなければ、心臓がポンプの代わりになってスムースに血が外に流れて、肉の味が良くなる。
 肉は熟成されたほうが美味しくなるが、内臓は鮮度が命。とったその日に食べるのがベスト。
 アナグマの肉は予想以上の美味しさ。上品なマトンのような風味で、柔らかく、あっさり。かめばかむほど、肉の旨みがじわりとしみ出してくる。
 イノシシを美味しく食べるためには「止めさし」から内臓を出し、イノシシの体を洗うまでを1時間以上に行わなければならない。
 イノシシの内臓をとり出すと、近くの海に行って海水でイノシシをゴシゴシ洗う。海水は塩分があるため、血が固まらず、血抜きにも効果的。
 罠は、一度つかったらメンテナンスが必要。人間と油の臭いが残っていると、イノシシはすぐに気がつく。罠をかけたら、毎日、様子をみに行く。
 1975年に51万人いた狩猟免許所有者が2010年には19万人と激減している。そして、64%が65歳以上。
まだ20歳代の若い女性の狩猟生活が生き生きと紹介されていて、圧倒されてしまいました。たしかに、イノシシやシカは増えすぎて林業等に被害、悪影響をもたらしているようです。でも、私には、とても殺して、解体する勇気はありません。もちろん、美味しい肉は食べたいのですが・・・。
(2014年6月刊。1500円+税)
 10月8日夜の皆既月食は、東京で見ることができました。この夜、日弁連が集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を求める市民集会を日比谷野外音楽堂で開いたのに参加したのです。3000人の参加者が会場を埋める様子は壮観でした。TBS(テレビ)や新聞も、それなりに報道してくれました。
 学者のリレートークも心うつものばかりでした。この秋、安倍内閣の暴走を止める取り組みを強める必要があります。福岡でも11月22日(土)午後、都久志会館大ホール(630人収容)で市民集会を企画しています。600人規模の集会に福岡県弁護士会でとりくむのは初めてです。ぜひ、ご参加ください。

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